ホンダ シャトルはコンパクトカーがベースの中型ステーションワゴンで、積載性の高さはさまざまなシーンで活躍します。
今回はシャトルのラゲッジスペースについて詳しくご紹介します。
シャトルの荷室・トランクの容量・寸法
ホンダ シャトルは同社のコンパクトカーであるフィットをベースとしたステーションワゴンで、コンパクトカーベースではありますが全長が延長された長めのボディとなります。
シャトルは2015年〜2022年までという長期間ラインナップされていた車種で、ベースとなったのは3代目フィットです。
フィットは現行モデルで4代目となっているのに対してシャトルはモデルチェンジはされておらず、現在では生産終了となっており中古車のみの車種になっています。
ですがシャトルの利便性の高さは現在でも十分に活用できるものであり、まだまだ新車同様に魅力的な車です。
ではシャトルの大まかなサイズ感とラゲッジスペースのサイズや容量についてご紹介しましょう。
スペック | シャトル | |
乗車定員 | 5名 | |
全長 | 4,440mm | |
全幅 | 1,695mm | |
全高 | 2WD:1,545mm 4WD:1,570mm | |
室内長 | 1,925mm | |
室内幅 | 1,450mm | |
室内高 | 1,290mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 840mm |
幅 | タイヤハウス間:約970mm サイドトリム間最大部:1,510mm | |
奥行き | セカンドシート展開:1,000mm セカンドシート収納時:1,930mm | |
ラゲッジ容量 | セカンドシート展開時:570L セカンドシート収納時: ハイブリッド車 1,141L ガソリン車 1,177L | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,200mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,200mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,200mm |
幅 | 約1,200mm | |
奥行き | 約1,000mm |
シャトルはコンパクトカーがベースとなっていることで全幅は5ナンバーサイズに収まるようなスリムな車ですが、全長は多少延長されておりその延長分の多くがラゲッジスペースに割かれています。
全高もほぼフィットと同サイズであり、コンパクトカーの扱いやすさとステーションワゴンとしての利便性を持つ車になっています。
車内スペースについては室内長や室内幅は中型車としては十分なスペースがあり、元々のフィットが室内長が優先されていたレイアウトが引き継がれています。
フィットでは室内長が長い分その後方のラゲッジスペースの奥行きが結構狭かったのですが、シャトルでは全長が400mm近く延長されていることでラゲッジスペースの奥行きが広くなっています。
セカンドシートを展開した状態でもラゲッジスペースの奥行きが1,000mmはあり、かなり利便性の高いサイズ感となっています。
ラゲッジスペースの高さや横幅も中型ハッチバックカーの標準的なサイズは確保されており、容量も570Lと大きな容量なので中型ステーションワゴンの積載性をしっかり持っています。
さらに後述するシートアレンジによってさらに倍以上の容量のラゲッジスペースを作り出すことも出来、コンパクトカーでは実現できないラゲッジスペースのサイズをシャトルで確保してあります。
ではシャトルのラゲッジスペースについて詳しくご説明しましょう。
シャトルの荷室・トランク・荷物収納スペースの良い点
シャトルのラゲッジスペースは全体的にスペースが広く実用性が高いものとなっています。
広々としていて実用性の高い標準ラゲッジスペース
シャトルのラゲッジスペースはセカンドシートを展開した状態の標準ラゲッジスペースでも十分な積載性があります。
シャトルは車内に2列シートをもつ車であり、ラゲッジスペースはセカンドシートの背面からテールゲートまでの間のスペースになっています。
このスペースを標準ラゲッジスペースとするのですが、その奥行きが1,000mm程度は確保されており普段使いの買物荷物であれば余裕で大量の荷物は積み込めます。
ラゲッジスペースの横幅も狭いところでも1,000mm、広いところでは1,510mmものスペースがあり、タイヤハウス間以外は最大限ラゲッジスペースを確保するためにボディデザインも比較的シンプルなフォルムとなっています。
ラゲッジスペースの高さ方向については840mmとそこそこの高さはあり、ミニバンやトールワゴン系の背の高い車種ほどは広くないものの見た目以上に十分なスペースとなっています。
シャトルの標準ラゲッジスペースではこの広々としたサイズを活かしてさまざまなものを積み込むことができ、まずゴルフバッグでは9.5インチのものを横積みで4つまでしっかり積み込めます。
スーツケースなども大型のスーツケースを前後に倒すようにすれば4つまで積み込めるほどのサイズがあり、さまざまなシーンで4人ぐらいの荷物をしっかり積み込めるサイズといえるでしょう。
また旅行や趣味の道具などもかなり大量に積み込むことが出来ますので、普段使いだけでなく週末の旅行などでしっかりと活用できる車となっています。
シートアレンジ後のラゲッジはトップクラスの広さ
シャトルのラゲッジスペースはシートアレンジによって大幅にラゲッジスペースを拡大することができ、同クラスのステーションワゴンの中ではトップクラスの広さがあります。
シャトルのラゲッジスペースはセカンドシートを展開している状態でもかなり広いのですが、セカンドシートは背もたれを前側に折りたたんでシートアレンジをすることができ、これによってセカンドシートのスペースもラゲッジスペースに出来ます。
セカンドシートの背もたれを収納すると標準ラゲッジスペースと折りたたんだシート背面がほぼ完全なフルフラットになり、大きなサイズのラゲッジスペースになります。
その奥行きは広いところで1,930mmもありますのでかなり大きな荷物まで積み込むことが出来、セカンドシートの乗車人数が減った分貨物車としての利便性があがります。
シートアレンジ後の最大ラゲッジスペースの容量は1,100Lを超えており、上下の高さこそ変わらないものの奥行き及び横幅でかなりの量の荷物を積み込めます。
また積み方によってはマウンテンバイクや家具類なども収納するだけのスペースを確保でき、ステーションワゴンとしての利便性があります。
またシートアレンジは左右どちらかのシートだけを収納することも出来、片側を座席として残しておけば乗車人数を多少キープしたまま長い荷物を積み込めます。
さらに助手席の背もたれをリクライニング機能で後ろに倒してシートアレンジとつなげると前後にさらに長いスペースが確保でき、サーフボードなども積み込めるような広大なスペースが利用できます。
セカンドシートの跳ね上げで高さ方向に広がるラゲッジ
シャトルのラゲッジスペースはシートアレンジで少し珍しいモードが利用でき、高さ方向に広く使いたいときに利用できます。
シャトルのセカンドシートはシートアレンジによって背もたれを前側に倒してフルフラットにすることができますが、その他の機能としてセカンドシートは座面部分だけを跳ね上げることができます。
このモードではメインの標準ラゲッジスペースは拡大することが出来ませんが、その代わりとしてセカンドシートのスペースを高さ方向に広さのあるラゲッジスペースにできます。
座面を後側に跳ね上げることでセカンドシートの床面から天井までを利用でき、その際は左右どちらかの座席だけでも跳ね上げられるので片方は座席として残しておけます。
この機能により高さ方向のラゲッジスペースは標準ラゲッジスペースよりも広くつかうことができ、植木や家具類など背の高いものを収めるときにはかなり便利です。
セカンドシートの跳ね上げ機構はステーションワゴンではあまり見られない機能であり、機能を覚えておけばシャトルの活用シーンがより広がるでしょう。
標準ラゲッジスペースの高さが800mm程度ですがこのセカンドシート部分では1,100mmぐらいは高さが確保でき、シャトルのラゲッジスペースでは最大の高さが利用できます。
最低地上高が低く積み込みしやすい積載性
シャトルのラゲッジスペースは荷物を積込む積載性にも優れており、最低地上高の低さが便利です。
シャトルは車の全体的なデザインがラゲッジスペースが使いやすいシンプルなものとなっており、テールゲートのデザインも横に広がっています。
テールランプのデザインやボディのフォルムがしっかり横幅を広くしてあるので、シャトルの横幅の最大幅である1,510mmをほぼそのままテールゲートの開口部として使えます。
上下のサイズも室内高とほぼ同サイズの開口部なので、荷物を積込むときに引っかかって邪魔になるようなことは殆ど無いでしょう。
またシャトルのラゲッジスペースのフロアは地上からおよそ500mmぐらいの所にあり、かなり低い位置に設定されているので積み込むときにも楽なデザインです。
ホンダは多くの車種に低床レイアウトを採用していることもあって全体的に地上高は低い車が多いのですが、シャトルは特に低めなので積載性は良好です。
これだけ低ければ重量物を積み込むときにあまり高く持ち上げる必要がなくて楽ですし、シートアレンジ後のスペースに大きなものを積み込むときにも楽で利便性が高いです。
防水性のある使い勝手の良いアンダーラゲッジ
シャトルのラゲッジスペースには床下収納であるアンダーラゲッジが設けられており、ちょっとしたシーンに便利に使えます。
アンダーラゲッジはラゲッジスペースのデッキボードの下に設けられた収納スペースで、ボディの一部を凹ませる形で作られています。
シャトルもそうですがデッキボードは上面がフラットになっている方が使い勝手が良いので、フラットに出来なかった部分がアンダーラゲッジとなります。
シャトルのアンダーラゲッジは標準ラゲッジスペースの下にあり、デッキボードをめくって開くことでアクセスできます。
アンダーラゲッジは深さも結構ありますし、防水性のある樹脂トレイなので濡れたものや汚れたものを収めるためにも利用できます。
またアンダーラゲッジはデッキボードを取り外したままにすることもでき、取り外したままであれば標準ラゲッジスペースの上下高さを拡大するために利用できます。
シャトルのラゲッジスペースは800mm程度のラゲッジスペース高さを利用できるのですが、アンダーラゲッジの深さを追加することで上下に1,000mm程度まで高さが拡大します。
前述したセカンドシート部分のシートアレンジ後の高さ方向よりは小さめなものの、標準ラゲッジスペースの広さを活かしてベビーシートなどを立てて収めるような使い方にはアンダーラゲッジを活用したほうが便利でしょう。
便利なラゲッジ周りの装備
シャトルにはラゲッジ周りの装備が便利なものがそなわっています。
まずシャトル独自の装備として「マルチユースバスケット」という装備があるのですが、こちらは車の装備としてはかなり珍しい装備でセカンドシートの背面にラックのような収納スペースを追加できます。
マルチユースバスケットは普段は折りたたみ式でほぼシートと同化するほどコンパクトに収まっているのですが、こちらを引き出すと結構な容量のある引き出しのような収納になっています。
重量物を収めるには厳しいですがちょっとした小物や分割しておきたいものなどを収めるにはぴったりであり、引き出し式なので必要なときだけ使えて便利です。
またその他にラゲッジスペースの左右に1箇所ずつマルチフックがそなわっており、荷物を支えるためのロープやネットなどを引っ掛けるために使えます。
標準ラゲッジスペースの前側にあるのでシートアレンジ後でも使えるので、場所を覚えておけばいろいろな使い方ができるでしょう。
さらに標準ラゲッジスペースの上にはとのボードを装着することができ、外側からラゲッジスペースが覗き込まれるのを防止できます。
ただトノボードは収納式のものではないので咄嗟に取り外したりするには不便であり、あまり使わない方は無理に装着しなくても良いでしょう。
シャトルの荷室・トランク・荷物収納スペースの悪い点
シャトルのラゲッジスペースは中型ステーションワゴンとしては便利なものとなっていますが、次のような部分は不便な点となります。
シートアレンジの操作がラゲッジ側からでは行いにくい
シャトルのラゲッジスペースでは比較的簡単な操作でシートアレンジが出来ますが、操作は座席側から行う必要があり少し不便な場合があります。
シャトルのシートアレンジはセカンドシートの肩部分にあるレバーで行なえ、レバーを引けばすぐに背もたれが収納されるので力はいりません。
また左右の分割式シートなのでレバーは左右それぞれに1つずつあり、使い方によってすぐに操作ができます。
基本的にセカンドシートの座席側から操作すれば簡単に操作できるのですが、一方でラゲッジスペース側から操作するとなるとちょっと位置が遠いです。
シートアレンジのレバー位置としてはラゲッジスペース側からでも操作出来る位置に設けられており、この点は使い勝手は良い点です。
ですがラゲッジスペースのテールゲート部からセカンドシートまでは1,000mm近い奥行きがあるので、後ろから手を伸ばしてもレバーまでは届きません。
ラゲッジスペースに乗り込んでから操作しなければならないので不便であり、大きな荷物を急に積み込みたいときなどにはちょっと残念な部分でしょう。
もちろんセカンドシート側に一度回ってから操作すれば良いのですが、狭い場所でドアが開けづらい場所などではラゲッジスペース側から簡単に操作出来たほうが便利だったでしょう。
汚れには弱いカーペット生地
シャトルのラゲッジスペースは広いサイズ感とフラットなフロア形状で使い勝手は問のですが、全体的にカーペット生地で覆われているので汚れには弱いです。
シャトルに限らず乗用車のラゲッジスペースは柔らかいカーペット生地で覆われるのが一般的であり、シャトルでは標準ラゲッジスペースだけでなくシートアレンジ後のシート背面もカーペット生地となります。
カーペット生地であれば荷物を上でスライドしてもキズが付かずに済みますし、また荷物を移動するときにも滑りやすいので使い勝手も良いです。加えて質感も良いので満足感は高く、基本的には不便はありません。
ですがカーペット生地は泥汚れや水濡れに対しては弱く、一度汚れてしまうと掃除するのも大変です。
特に泥汚れは掃除しにくく、付いたままではシミになってしまう危険もあり、キャンプやアウトドアのシーンでは気をつけなくてはならないものとなります。
またデッキボード以外は取り外しての掃除なども出来ないので不便ですし、もし泥で汚れたものや濡れたものを積み込むときには防水シートをあらかじめ敷いておくなど対策しておくと良いでしょう。
シャトルの荷室・トランク・荷物収納スペースの口コミ・評判
シャトルのラゲッジスペースはtwitterでいろいろな投稿があり、その中からいくつかご紹介します。
シャトルまじ荷室広いなぁうえぇあーってなった pic.twitter.com/SbABLOfBGX
— KRTだったアライさん🦝 (@poipoihogehoge) January 27, 2019
こちらの方はシャトルの試乗か何かをされたようなのですが、ラゲッジスペースの広さにびっくりされています。
写真でも一目見るだけでその圧倒的な広さがわかりますし、実際に使い勝手もかなり良いでの大きな魅力の一つとなっています。
ダブルフォールディング並みに床低いままフラットなラゲッジが広がるシャトルは車中泊には向いてると思う。快適に走るステーションワゴンで荷室で頭傾げなくて座れるのは車中泊には良いと思うのよね。車中泊しないけど笑#ホンダ#シャトル pic.twitter.com/ho3zJM5Q4a
— よへい車好き@一月一旅百甘味 (@uhoyie) March 26, 2023
こちらの方はシャトルのラゲッジスペースで車中泊を考えていらっしゃいますが、フルフラットなスペースが確保できる車なのでたしかに実用性はあるでしょう。
キャンプの際に荷物をたくさん積み込んで移動して、寝るときにはシャトルの車内を活用すればとても便利です。
総評
ホンダ シャトルはコンパクトカーベースのステーションワゴンとして扱いやすいサイズ感と広々としたラゲッジスペースがあり、趣味の車としてもファミリーカーとしても便利な1台です。
ラゲッジスペースの広さは中型車とは思えないほどの容量があり、シートアレンジも利便性が高いのでさまざまなシーンに対応できる車です。
現在では中古車としてしか手に入れられませんが、その代わりコストパフォーマンスに優れた車としておすすめできます。