ポルシェ マカンはスポーツカーを手がけるポルシェが販売するコンパクトクロスオーバーSUVで、日本にも正規輸入されている車です。
今回はこのマカンの後部座席についてご紹介していきます。
マカンの後部座席の2列目・セカンドシート
ポルシェ マカンはポルシェのSUVラインナップの中で最も小型の車種となっており、新世代のポルシェを代表する車の一つとなっています。
ポルシェというとパワフルなスポーツカーが思い出されますが、マカンは比較的標準的なクロスオーバーSUVになっており、価格もポルシェの中では控えめなので実用性の高いエントリーモデルという位置づけです。
ではまずマカンの大まかなサイズ感をご紹介しましょう。
スペック | マカン | |
乗車定員 | 5名 | |
全長 | 4,696mm | |
全幅 | 1,923mm | |
全高 | 1,624mm | |
室内長 | 約1,900mm | |
室内幅 | 約1,400mm | |
室内高 | 約1,100mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 約900mm |
幅 | 約1,000mm | |
奥行き | 約400mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約1,300mm | |
奥行き | 約900mm |
マカンはポルシェの中でかなり小型の車となっており、その全長は国産の中型SUVとほぼ同サイズとなっています。
一方で全幅は多少ワイドになっており大柄なボディに見えますが、他の輸入車からしたら小型の部類に入る車となっており日本の道にもマッチしている扱いやすい輸入車になっています。
一方で全高はそこまで高いものではないので全体的に低く構えたスポーティなフォルムとなっており、ポルシェらしいかっこいい車に仕上がっています。
車内スペースについてはコンパクトカークラスのそこまで広いサイズ感ではなく、全体的にデザイン優先の車となっています。
ではこのマカンの後部座席を詳しく見ていきましょう。
マカンの広さ・居住性
マカンは車のレイアウトとしては乗用車の標準的な5人乗りで、後部座席には3名が乗車できます。
マカンの後部座席は全体的な車のサイズの印象からすると意外と広い座席になっており、大型車のような圧倒的な広さはないものの実用上快適に座れる座席です。
後部座席に座ったときの前席シートとの間のニースペースはおおよそ拳1個〜2個分ぐらいは確保できるサイズ感であり、圧迫感はあまり感じずに長時間座っていられる座席です。
後部座席の左右席はホールド性の高いデザインになっていて座面のサイズも広くて快適であり、SUVらしいスポーティなシート表皮になっています。
一方でセンター席については座面が少し前後に狭くなっていてフラットなデザインですが、座面や背もたれの面積自体は十分にあるので補助シートではなくしっかり実用的なシートとして利用できます。
またマカンの後部座席は3席が左右につながったベンチシート式で、左右の後部ドアから乗り込んだときにでも移乗がしやすいシートです。
シートの横幅は比較的広々としたサイズ感となっており、左右席およびセンター席がそれぞれほぼ同サイズの座席なので、フル乗車では少し横の人と肩が触れるくらいで十分実用的に座れるでしょう。
天井までの高さも意外と広めのサイズで後部座席に座ったときの頭上空間は拳1個分ぐらいは取れるのですが、ただマカンのルーフデザインが後部に行くに従って低くなっているので後部座席の頭上あたりが1番狭くなります。
そのため身長の高い人は圧迫感を感じやすいデザインであり、このあたりはクロスオーバーSUVらしいスポーティなデザインを優先した箇所といえるでしょう。
なおマカンの後部座席は座面が比較的前後にフラットになっているのでヒザを上げずにシンプルに座るシートポジションとなります。
どっしりと座る感じではありませんが窮屈さが少ないので良好なシートポジションといえるでしょう。
マカンの後部座席のチャイルドシート対応
マカンはその扱いやすいサイズでファミリーカーにも便利な車ですが、チャイルドシートへの対応はどうでしょうか。
チャイルドシートは子供専用の小型のシートのことで、車の通常のシートの上に乗せて使う製品となります。
車の通常のシートは子供の体には大きすぎて安全な保護が出来ないため、チャイルドシートをある程度の年齢までは利用する必要があります。
チャイルドシートには乳幼児や幼児用、学童用など様々な年齢や体の大きさにあわせた製品がありますが、その搭載場所としては事故の際に安全性の高い後部座席がメインとなります。
またチャイルドシートの固定には一般的にはシートベルトを利用することがメインなのですが、最近では「ISOFIX」と呼ばれるチャイルドシート専用の固定規格が制定されており、これに適応した車とチャイルドシートであればより確実な固定ができます。
マカンには後部座席の左右席にこのISOFIX式の固定器具が設定されており、マカンの後部座席には2つまでチャイルドシートを取り付けることができます。
またマカンの後部座席の背面には「トップテザーアンカー」というチャイルドシートの上側を固定するフックもあり、ISOFIXと併用することで確実で安全な固定が可能となっています。
マカンは後部座席のスペースが広々とまではしていませんので2つチャイルドシートを搭載するとそのセンターにはなかなか座れませんが、小さな子供さんならなんとか収まるぐらいのスペースは残ります。
マカンの後部座席は前後スペースはそこそこ広いので、チャイルドシートの搭載に対してはそこそこ大きなチャイルドシートでも搭載できます。
チャイルドシートメーカーは各車種に対する適応表などがあり、マカンは多くのメーカーがあらかじめ確認しているのでそちらも確認しておくと良いでしょう。
マカンの座り心地
マカンの後部座席の座り心地はそこそこ硬めの感触であり、標準的な中型車の座り心地となっています。
マカンの後部座席は基本的にレーシーで光沢のあるシート表皮となっており、柔らかい高級車のシートではなくしっかりしたスポーツカーのような感触があるシートです。
硬すぎることはなく背もたれや座面のクッション性もしっかり確保されており、近距離では不便に感じることはないでしょう。
長距離となると全体的なスペースが広くはないので少し疲れも溜まりやすいのですが、左右席のシート自体のデザインがホールド性をしっかり備えた凹凸のあるものなので、こちらは横に振られるような運転でも体が支えられて快適に座っていられます。
一方で後部座席のセンター席はフラットなデザインなので体は振られやすく、背もたれ部分にアームレストなどもある関係で左右席に比べると座り心地はいまいちです。
またマカンの後部座席では左右席およびセンター席にヘッドレストが装備されており、安全性の面ではしっかりしています。
ヘッドレストは普段は頭を預けておくクッションとなる部分ですが、万が一の事故のときにはヘッドレストが頭をしっかり支えてむち打ちを防いでくれる重要な装備となっています。
マカンでは左右席のヘッドレストには大型で保護性能が高いものが備わっており、安心感が高いとともに上下への調整が可能で頭の位置にしっかり調整できます。
一方でセンター席のヘッドレストは上下調整はできるもののサイズがかなり小さめであり、こちらは多少簡易的な装備といった印象です。
マカンの後部座席の装備
次にマカンの後部座席の装備について見ていきますが、全体的にシンプルな装備ながら便利な装備が揃っています。
まずマカンの後部座席のシートベルトについて見ていきますが、シートベルトは後部座席の3席全てに3点式シートベルトが装着されています。
3点式シートベルトは体と腰を支えてくれるので安全性が高いだけでなく、走行中にも体を支えてくれてホールド性が上がるメリットもあります。
マカンの後部座席の左右席には運転席や助手席と同じくシートの脇からシートベルトが出てきており、センター席についてもマカンでは座席のすぐ脇にシートベルトがあるので、3席すべてで操作性も標準的で戸惑うことはないでしょう。
マカンの後部座席周りの装備としてはまず空調が備わっており、前席シートの間のセンターコンソール後ろに後部座席用のエアコンダクトがあります。
エアコンダクトはシンプルなデザインで使い勝手が良く、メッキパーツなどで高級感のある加飾が備わっているので存在感も十分です。
一方でマカンでは運転席や助手席にはシートヒーターがありますが後部座席にはグレードによるオプションとなっており、冬期には少し残念な部分ではあります。
またその他後部座席周りには収納が揃っており、左右の後部ドアの下部には大型のドアポケットが備わっています。
前席シート裏のシートバックポケットについてはオプション装備扱いとなっており、追加費用を入れることで大型で使い勝手の良いシートバックポケットも利用できます。
さらに後部座席のセンター席の背もたれ部分には引き出し式のリアセンターアームレストが備わっており、2名乗車のときにはこちらを展開すれば快適に座れます。
リアセンターアームレストにはドリンクホルダーも2箇所備わっており、左右のドアポケットに収めるよりはこちらに収めるほうが手元で使いやすいでしょう。
マカンの後部座席では豪華な装備こそ無いものの使い勝手の良い実用的な装備が揃っている印象です。
マカンのリクライニング・シートアレンジ
マカンの後部座席ではシートアレンジ機能をしっかりと利用することができ、ラゲッジスペースの拡大に利用できます。
マカンの後部座席はその前後位置や背もたれの角度は固定式となっており、足下スペースの拡大などはできません。
最近では中型SUV系でも後部座席のリクライニング機能が付き始めていますが、現行マカンは多少設計の古い車になってきているのでそこまでの機能はありません。
後部座席のスペースは中型車としてはそこそこの広さがあり不便なことはありませんが、どうしても足下空間が狭いときは前席シートを少し前にスライドさせることで多少は解消できるでしょう。
一方でマカンの後部座席は背もたれを前側に収納するシートアレンジ機能が備わっており、後部座席のスペースをラゲッジスペースとつなげることができます。
マカンの標準的なラゲッジスペースは狭すぎるわけではありませんが奥行きは大きな荷物を積み込むのには少し不便であり、そういったときにシートアレンジによってラゲッジスペースを広げてさまざまなシーンに対応できます。
またマカンの後部座席は3席それぞれが独立して可動する4:2:4式の後部座席となっており、荷物の大きさや乗車人数にあわせて後部座席の座席を必要な分だけ残したりすることもできます。
特にセンター席部分はいわゆるトランクスルー機能のような使い方も可能で、左右席をしっかり残した状態で長い荷物を積み込むときにセンターだけを収納すれば快適性と積載性を両立できます。
マカンの後部座席の評価・口コミ
マカンの後部座席についてはtwitterにもいろいろな投稿があり、その中からいくつかご紹介しましょう。
新マカンS試乗してきたで。
全くストレスないが、特にトキメキもせず…
ルックスのいいクルマ。もっと後席広かったら
一生、これでいいわ。— 超期投資家SATO (@zbk266N7EmJSgjt) December 5, 2021
こちらの方はマカンの試乗に行かれたようですが、デザインについては良かったものの心躍るような感じはなかったようです。
後部座席についても多少狭かったようで、ポルシェのSUVとしてみるとどうしても期待はずれなところはあるようです。
マカンで奥さんを後部座席で待機してるの図
やっぱりちょっと狭いよね〜笑 pic.twitter.com/GCIENjfsNw— 虎太郎🐯アイデンティティ (@e922599) September 29, 2022
こちらの方はマカンをファミリーカーとしてしっかり活用されており、後部座席にチャイルドシートを始め色々装着されています。
後部座席のスペースとしてはやはり少し狭いという評価であり、中型SUVとしてはもう少し広ければ魅力的だったということでしょう。
総評
ポルシェ マカンはポルシェブランドの中でも手を出しやすい価格帯のモデルとして人気があり、日本でも輸入車にしてはコンパクトなサイズから扱い易さもあって多くの人に魅力的な車です。
パワフルな走りやスポーツカーのようなフォルムなどポルシェらしいSUVに仕上がっていますが、後部座席については全体的にシンプルな仕様で広さも実用上十分なサイズが確保されているといった印象です。
それでも輸入車のSUVではスタイルも受け入れやすく、実用性のあるスポーティなSUVが欲しい方にはおすすめできる車です。