スズキ エスクードはコンパクトSUVの1車種で、その扱いやすいサイズ感は日本だけでなく欧州などでも人気です。
今回はそんなエスクードのデザインについてご説明しましょう。
エスクードのデザイン
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エスクードはスズキが1988年からラインナップしているSUVで、SUVの中ではコンパクトな車体と本格的な走行性能が特徴の車です。
エスクードはそのコンセプトとして本格的なクロスカントリー車と市街地走行の乗用車を融合した車として開発された車で、さらに国内の狭い道でも扱いやすいコンパクトなサイズにまとめた珍しいSUVです。
初代のエスクードには本格的な4WD車に使われる耐久性の高いラダーフレーム構造と4WDシステムを搭載することでオフロードも走行可能ですが、そこに欧州風のスタイリッシュな乗用車のボディを載せることで普段使いでもカッコよく大人気となりました。
またエスクードの4WDシステムはパートタイム式となっており、一般道路では2WD式にして燃費、乗り心地なども良くなるなど様々なシーンで扱える便利な車でした。
そんなエスクードは日本だけではなく欧州や中国、インドなどでも人気の車種となり、その扱いやすいサイズ感と走行性能で人気をキープしてきました。
2015年には現行モデルとなる4代目にフルモデルチェンジをしたのですが、4代目ではそれまでのエスクードから大きく方向転換をして近年人気のモノコックボディのクロスオーバーSUVになり、より乗用車としての乗り心地や燃費が有利になった車種となっています。
エスクードの特徴である4WDモデルの他に2WDモデルも設定されていて経済性も高くなったのですが、モノコックボディのために本格的なオフロード走行性能は多少下がっておりより一般道路向けの車になっています。
そんな4代目エスクードは国内では2021年9月に販売が終了となっており、欧州向けモデルのみが現在残っています。
今回はこの4代目エスクードのデザインについてご紹介していきます。
エスクードのエクステリアデザイン
エスクードはSUVの中で当初からスタイリッシュなデザインが特徴で、4代目エスクードにもこのコンセプトはつながっています。
まずエスクードのフロントマスクデザインは引き締まったシャープなデザインをしており、横長のヘッドランプとそこにつながるグリルはスポーティなデザインです。
フロントグリルやフロントバンパーには豪華なメッキパーツが配されて高級感もしっかりあり、さらにバンパー下部のバンパーガードがSUVらしいフォルムを形作っています。
またボンネットのデザインがエスクードは歴代モデルでも特徴的で、ボンネットは真っ直ぐではなく前方と左右にリブの形で盛り上がるようなデザインに仕上がっており、力強い塊感のあるデザインとなります。
一方でフロントのサイドを見るとSUVにありがちなタイヤハウスの張り出しは4代目エスクードにはなく、3代目エスクードまでとのコンセプトの違いがしっかり現れています。
エスクードはリアのデザインも力強いものに仕上がっており、大型のリアコンビランプが大きなボリュームを持っています。
またリアバンパーもSUVらしいデザインで、リアバンパー下部にバンパーガードがしっかりある形になっています。
また乗用車ということでリアのサイドウインドウには三角窓が設けられ後方視界がよいとともに、車内の快適性も向上しています。
なおリアのサイド側のボディについてはタイヤハウスの多少の張り出しはありますが、こちらも3代目エスクードでしっかりオーバーフェンダー風のデザインになっている部分が4代目では乗用車風のデザインに仕上がっています。
なお4代目エスクードはフロントやリアにバンパーガード部分があるのですが、最低地上高はそこまで高くなく悪路走破性もある程度なのであまり本格的なオフロードには入らないほうが無難です。
エスクードのインテリアデザイン
エスクードのインテリアのデザインについては近代的なデザインに仕上がっており、SUVよりはコンパクトカーらしさが強いものです。
エスクードのインパネは全体的に少し前のデザインでまとまっており、エアコンダクトが丸型のダクトでその回りにメッキパーツが装飾されています。
またセンター部分のカーナビ画面やエアコン、オーディオの回りにも力強さをあらわすリブが取り巻いており、インパネの中で特徴的なデザインに仕上がっています。
一方でシフトレバーの周囲やメーター、ダッシュボードのデザインなどはかなりシンプルなデザインでまとまっており、最近の車種にありがちな押し出し感の強いデザインにはなっていません。
ただエスクードのインパネで特徴的なのはセンターのエアコンダクトに挟まれた箇所に収められているアナログ時計で、まるで高級車のような装備です。
エスクードのインテリアについても全体的にシンプルな仕上がりで、フロントシートはある程度ホールド感のあるデザインですが、リアシートは全体的に平面的なベンチシートのようなものとなっています。
また車内のスペースとしても前席と後席の間はそこまで大きくはなく、コンパクトな車体にSUVらしいデザインを盛り込んだことでこういった点にしわ寄せがきています。
インテリアのメッキパーツも控えめな仕上げになっているのですが、コンパクトカーでもインテリアが豪華になってきている最近の車にしてはかなり控えめなデザインといえるでしょう。
エスクードのインテリアデザインは最近の日本車と比べるとあまりにもシンプルなのですが、これは欧州車ではこのぐらいが標準的であり欧州メインとなったエスクードでは仕方ない面でしょう。
またリアシートは感触としては硬めのものとなっており、これも長距離走行がメインである欧州風といえるでしょう。
エスクードのボディカラー
エスクードのボディカラーは比較的明るいボディカラーが多く、SUVらしい構成になっています。
エスクード | クールホワイトパール |
コスミックブラックパールメタリック | |
アトランティスターコイズパールメタリック | |
ギャラクティックグレーメタリック | |
ブライトレッド5 | |
ブライトレッド5 +ブラック2トーンルーフ | |
サバンナアイボリーメタリック+ ブラック2トーンルーフ | |
アイスグレーイッシュブルーメタリック +ブラック2トーンルーフ |
車のボディカラーには定番カラーとしてホワイト、ブラック、シルバーなどがありますが、エスクードではこれらに対応したボディカラーは揃っており、シルバーの代わりにSUVらしいギャラクティックグレーメタリックがあります。
またその他にはエスクードのイメージカラーとなっている明るい水色であるアトランティスターコイズパールメタリックがあり、アウトドアにマッチするデザインとなります。
その他にもこちらも明るいレッド系であるブライトレッド5も用意されており、遊び心のあるボディカラーとなっています。
さらにエスクードには特徴的なツートーンカラーが用意されており、車体上側のキャビンおよびルーフと下側のボディ部分が違うカラーで塗装されます。
エスクードのツートーンカラーではキャビン、ルーフがブラックカラーになり、ボディ部分にはブライトレッド5のほかにツートーンカラー専用の2色も用意されています。
どちらのカラーも多少シックなカラーながらツートーンカラーは存在感があり、都会的なスタイリッシュさがあります。
エスクードは人気か?
エスクードは以前はSUV系として日本国内でもかなり人気の車種ではあったのですが、最新モデルの4代目エスクードとなるとほとんど売れていないほど人気は低迷しています。
現在世界的にSUV系の車種は高い人気を誇っているカテゴリーで、その中でも都会的なクロスオーバーSUVはほぼすべての自動車メーカーが競って開発するほど競争の激しいカテゴリーになりました。
クロスオーバーSUVはクロカンSUVのような悪路走破性をメインにするのではなく、一般道路の走行がメインでSUV風のデザインを持つ乗用車となっており、デザインの力強さと使い勝手の良さ、乗り心地の良さなどが人気のもとです。
その中でも近年はボディが小型のコンパクトSUVが特に人気で、国内でも何車種も登場しています。
エスクードはデザイン的にも仕様も間違いなくこのクロスオーバーSUVの人気どまんなかではあるのですが、それにかかわらず販売台数は月150台程度とかなり低迷した車種です。
その結果2021年9月に日本市場からは撤退した形なのですが、エスクードと同クラスのSUVは人気車種もたくさんあるのでエスクードだけが売れていないような形です。
4代目エスクードは2015年から2021年までの6年間国内で販売されましたが、その間の総販売台数は10,000万台に満たないでしょう。
もともと4代目エスクードは年間販売台数の計画でも1,200台であり、欧州生産、欧州販売がメインの車種になってしまっているので国内では後述する理由などもあって人気が出ること無く販売終了となっています。
エスクードの評判
エスクードのデザインについての評判はTwitterに次のようなものがありご紹介します。
エスクード
フロント、リア共にクロカン系らしく力強いデザインだが
個人的にリアが一瞬日本車ではないように見えるところが好き。
特にテールランプ形状。 pic.twitter.com/SvzzvHb0iv— はーさん (@F_j_H7) September 20, 2020
こちらの方はエスクードのデザインを気に入っていらっしゃるようですが、フロントもリアもSUVらしい力強いデザインでテールランプが特に評価されていますね。
またリアのデザインが日本車に見えないという点は歴代のエスクードから受け継がれてきた特徴で、エスクードの素敵なデザインを形作っています。
実際マジャールスズキからの逆輸入車なんでヨーロッパ的なエッセンスはあると思う
エスクードもそうで「日本車だけど、日本車じゃない」って感じのデザインしててわりと好きなんだけど、普通に売れない 原因は多分スズキの普通車だから pic.twitter.com/IlTiI4Cb7C— ジオの浦 (@geo_no_ura) December 7, 2021
4代目エスクードはハンガリーでの生産、一部はインドからの輸入で国内に入ってきた車になっており、日本車よりは欧州車のテイストが強い車となっています。
日本車ではあまり見られないデザインというのがエスクードの特徴なのですが、その結果日本での人気はあまり振るわなくなっています。
インテリアの高級感の無さ、エンブレムとリヤスタイルのチープさに目をつむればエスクードも良いな。ターボ付きフルタイム四駆なのにお値打ち価格。ハリアーターボは高い上にそこら中走ってるし、走破性低い。されとてレンジは高過ぎなうえディーラー遠過ぎ。
— 大漁 (@washere612) May 3, 2018
エスクードはエクステリアはスタイリッシュなのですがインテリアについてはシンプルすぎる点が弱点で、この点を指摘している方も少なくありません。
またこの方はエンブレムやリアのスタイルもチープとおっしゃっており、日本向けのデザインではないということでしょう。
エスクードの欠点
エスクードはこれまで欧州、日本で結構な人気を持っていた車なのですが、4代目エスクードに国内人気があまりないのは次のような点が欠点としてあげられます。
値段に見合わないデザイン
エスクードは車のサイズ的にはコンパクトカー〜中型車クラスの車なのですが、その車格やデザインに対して車の価格があまりにも高いことが大きな欠点です。
エスクードはクロスオーバーSUVとして存在感のあるスタイリッシュなデザインを持ち、それでいて国内でも扱いやすい大きすぎないサイズを持っています。
クロスオーバーSUVは世界中で人気の車ですが、そのデザインからどうしても大きい車が増えている傾向にある中で、エスクードのサイズはなかなか悪くないものです。
ですがエスクードは価格帯が2,000,000円台前半から3,000,000円弱という価格設定になっており、エスクードのサイズの車としてはかなり高いです。
この価格帯では国内では中型のクロスオーバーSUVやミニバン、セダンなどが視野に入る価格帯で、それらの車種はそこそこの質感と高級感を持つようになってきています。
ですがエスクードではデザイン的な質感や高級感は多少劣る点があり、欧州風のシンプルなデザインがシンプルすぎて残念という声もあります。
特にリアのデザインがあまり抑揚がなく存在感にかけるデザインなので、欧州ではともかくとしても日本では目立たない車になってしまっているのは残念です。
チープなインテリア
エスクードでクオリティが価格に見合ってない点はインテリアにもあり、全体的にプラスチック感のあるチープな印象はとても2,500,000円前後の車とは思えません。
エスクードのインテリアは前述したように非常にシンプルなデザインでまとまっているのですが、これは実用性重視の欧州車ではよくあるクオリティではあります。
しかし近年の国内車ではもっと安価な車でもインテリアのクオリティはエスクードよりかなり高く、デザインも抑揚のある質感の高いものとなってきています。
エスクードは欧州生産の輸入車ということでどうしても海外のトレンドに合わせたクオリティになっていますが、国内の他のクロスオーバーSUVと比較すると残念な部分が多く見えるでしょう。
特にエスクードのインテリアで気になる点はエアコンダクトの形状にあり、円形のプラスチックのダクトというのは国内では10年以上前のトレンドです。
以前は丸型のダクトが珍しくスタイリッシュな時代もありましたが、現在ではもはや時代遅れで非常に古い印象しかあたえません。
またメッキパーツやパネル部分の感触や装飾なども全体的にプラスチッキーで、シンプルなのはともかく質感は高いとは言えないでしょう。
こういったインテリアはもっと価格帯が下でコストパフォーマンスを重視するような車種なら我慢できるのですが、エスクードの価格帯ではちょっと微妙です。
エスクードの値段
次にエスクードの販売時の新車価格と中古車価格をご紹介していきます。なお中古車価格は大手中古車情報サイトであるカーセンサーとgoo-netで見ていきます。
エスクード | 新車価格 | 中古車本体価格相場 | |
エスクード(4代目) | 2,127,600円〜2,774,200円 | カーセンサー | 1,099,000円〜3,030,000円 |
goo-net | 1,238,000円〜2,800,000円 |
エスクードの販売時の新車価格は前述でご紹介したように2,500,000円前後の価格帯になっており、国内でいうと中型車のセダンやSUV、ハッチバックカーなどが位置しています。
また燃費性能が良いハイブリッドカーもこの価格帯にあり、非常に競争の激しい価格帯となっています。
この価格帯にコンパクトSUVに近いサイズ感のエスクードで勝負するというのはかなり難しいもので、多少エクステリアがカッコいいだけでは別の車にする方が圧倒的に多いでしょう。
ただ中古車価格についてはあまり人気車種でなかったということで最低価格は1,000,000円前半まで落ちており、このぐらいの価格なら十分手に入れてもコストパフォーマンスは悪くないでしょう。
4代目エスクードは初期型でもまだ年式が5年〜6年ぐらいの車なのでクオリティはまだ大丈夫なので、何年もしっかり乗ることはできるでしょう。
ただしインテリアの質感に関してはこの中古車の価格帯のコンパクトカーなどにも劣る部分があるので、インテリアが気になる方は別の車種も比較検討したほうが良いでしょう。