ジープ レネゲードは2015年に登場した米国発のコンパクトSUVで、日本にも正規輸入されている車種です。
今回はそんなレネゲードの故障に関してご説明します。
レネゲードの故障率
ジープという名前は国内でも有名で、オフロードに特化したクロカンSUVが特徴のメーカーです。
そんなジープがライト層に向けて送り出したコンパクトSUVがレネゲードで、イタリアのフィアットとの共同開発で比較的最近生まれた車種になります。
レネゲードは本国で2015年に初登場した車ですが日本にも数カ月後には導入されており、ジープの世界戦略車の一つとして重要な車です。
ジープのSUVの多くはオフロード走行向けに耐久性の高いラダーフレームを採用している車種が多いのですが、レネゲードは一般的な乗用車と同じモノコック構造のSUVとなっており、分類としてはクロスオーバーSUVになります。
無骨なデザインの多いジープにしてはスタイリッシュなデザインを持ち、国内でも結構人気が高くなっています。
そんなレネゲードの故障は次のような点から見ることが出来ます。
レネゲードの故障率
レネゲードに限らず自動車の故障率は各自動車メーカーが独自に調査しているものですが、そのデータは一般には後悔されない機密データなので私達では見ることが出来ません。
そのため故障がどの程度かを判断するためにはメーカー以外が調査しているデータを見る必要があり、その中で比較的信頼度が高いのがJ.D.パワー社が調査、公開している「自動車耐久品質調査」です。
この調査では新車を購入したオーナーから購入から3年〜5年経過時の不具合件数を調査し、それをメーカーごとに集計したデータをランキング形式で公表しています。
ジープは国内では販売台数が少ないためにランキングに乗らないのですが、本国である米国市場のデータが参考になります。
ランキング | メーカー | スコア |
1 | レクサス | 99 |
2 | ポルシェ | 100 |
3 | ビュイック | 116 |
4 | インフィニティ | 120 |
5 | キア | 122 |
6 | シボレー | 124 |
6 | ヒュンダイ | 124 |
8 | BMW | 127 |
8 | トヨタ | 127 |
10 | リンカーン | 133 |
10 | 日産 | 133 |
業界平均 | 142 | |
28 | ジープ | 188 |
29 | フィアット | 192 |
このデータは最新の2018年の結果ですが、上位には日本メーカーやドイツメーカー、米国メーカーなどがひしめき合っており、その中でもトップはレクサスが獲得しています。
そんな中でジープは28位とかなり低い位置に入っており、この順位はワースト4となるものです。
不具合件数を見てもトップ勢が100ポイント前後で推移しているにもかかわらず、ジープは188ポイントと約2倍近い開きがあります。
つまりそれだけ故障は多いということがいえ、2015年発売のレネゲードも対象に入っているため信頼性はあまり高くないことがいえます。
なおレネゲードを共同開発してエンジンなどを供給しているフィアットもランキングに入っていますが、その順位はジープより1つ低い29位であり、開発元はどちらも故障に関しては弱いメーカーといえます。
レネゲードの信頼性評価
J.D.パワー社では上記の調査の他にも、米国市場の車種に対しては市ゃ酒単体の様々なスコアを公開しています。
その中の一つに信頼性評価もあり、レネゲードも2019年として以下の評価を受けています。
参考 2019 Jeep Renegade Reliability & RecallsU.S. News & World Reportレネゲードは今年の評価で星2.5点が付いていますが、この評価は星3点で平均との評価のため、レネゲードの信頼性は平均点以下となっています。
この調査はレネゲードの発売から現在まで毎年行われていますが、初年から星2.5点、その次の年には星2点まで低下しており、一度も平均点に達したことがありません。
なお同じカテゴリーで米国でも販売されているトヨタ C-HRなどは信頼性評価で星4点を獲得しており、その差は歴然です。
この調査では故障件数や故障率などの具体的な数字までは公表されませんが、日本車に対してレネゲードは信頼性が低いことがわかりますので、故障も必然的に多いのです。
中古のレネゲードの故障しやすさ
レネゲードは日本への導入から4年程度が経過し、中古車市場にも一定数が供給されています。
中古車となると新車よりも年式が古くなり、また走行距離も増えていることからどうしても故障に関しては気になるところです。
一般的な国産車では年式10年もしくは走行距離100,000kmがその寿命の判断基準とされていますが、輸入車の場合はもっと早めのところで故障が増加する場合が多く、年式5年以上、走行距離50,000km以上で故障はかなり増加傾向になります。
レネゲードの場合は日本導入からまだ4年ということで、年式に関してはもっとも古い中古車でもこのレベルには達していません。
走行距離に関しては車によってまちまちですが、中古車市場を見た感じでは30,000km以下の車がほとんどなのでまだまだ新しい中古車が多いといえます。
とはいえレネゲードの場合は新車の状態でも信頼性に関して評価が高くありませんので、中古車でも同程度の国産車に比べると故障は多くなるでしょう。
レネゲードオーナーの評判
レネゲードは国内の輸入車市場でも結構な人気を誇る車ですが、購入する人からはやはり故障に関する不安がTwitter上でも聞かれます。
jeep レネゲード 購入約1年。突然色々なエラーが出て動かない😭
修理お願いしたら、コンピュータが壊れていると!載せ替えて貰って戻って来ました(*゚∀゚*)
しかし、あたりが悪かったのか、外国産がこんな感じなのか、少し遠出が怖いですこわい。— まーこやん@123love (@nandetomoka) August 6, 2017
こちらの方はレネゲードを購入後わずか1年で故障に見舞われたそうですが、その部位はなんとコンピュータということで国産車ではあまり見られない故障部位です。
修理はコンピュータの交換で済むので難しいものではありませんが、重要な部品がこんなすぐに壊れるというのは信頼性があまり高くない証拠でもあるでしょう。
JEEP レネゲード トレイルホーク 本日800キロでエンジンオイル交換 ギヤボックスからオイルのにじみ。ディラー保障だが 抜本的修理は見込めないので、対策できる車屋さんに入院#JEEP#故障#レネゲード#トレイルホーク#ドレスアップ#オフィス極#国土第一警備保障 pic.twitter.com/iwaWIPyK1G
— オフィス-極- 国土第一警備保障 (@akijan01) March 14, 2017
こちらの方のレネゲードはオイル漏れの1つであるオイル滲みがトランスミッションから起こっているそうですが、それ自体は国産車でも走行距離が多ければ起こりやすいものです。
しかし注目すべきはわずか800km走行しただけで起こったということで、国産車では当然ほとんど起こらない不具合でもレネゲードでは発生するということです。
レネゲード欲しいけど故障が心配。あと口コミ見てるとディーラーの対応も日本とはレベルが、、、って感じっぽい。
— やしん@コジ活中 (@rusao36) April 22, 2019
こちらの方はレネゲードの購入を検討されているようですが、やはり故障が心配なのとその対応をするディーラーの対応が心配だ相です。
ジープのディーラーは一応日本全国にありますが、その店舗数は国産メーカーよりかなり少なく、一度故障が起こるとディーラーでの修理を行なうにも非常に大変なのです。
レネゲードの故障事例
レネゲードの故障事例はいくつも見られるのですが、その中からレネゲードの独特な不具合や故障の代表的なものをご紹介します。
ブレーキ鳴きが多発する
レネゲードの不具合の中でかなりよく言われているのがブレーキ鳴きが多いという点で、新車の状態からこの減少が多発しています。
ブレーキ鳴きとはフットブレーキを踏み込んだ際にブレーキからキーキーという異音がする減少で、自転車などに乗っているとよく聞こえるものかと思います。
ですが自動車の場合はブレーキ鳴きは基本的に鳴らないようになっており、現在の国産車は新車はもちろん中古車でもほとんどこういった現象は見られません。
ブレーキパッドなどの交換を契機に発生することはありますが、その場合でもメンテナンスで解消することが多いです。
ですがレネゲードの場合は新車の状態でこの現象が発生しており、その原因はブレーキパッドの形状が不適切なことがほとんどです。
この現象が多発したためジープはこの不具合に対してはほとんど無償修理で対応するようになっており、保証期間内であればコストをかけずに修理が出来る場合が多いです。
基本的にブレーキパッドのような消耗品は保証の対象外となるのですが、それが無償修理になっていることが問題の深さを伺わせます。
対策品のブレーキパッドはその角部分に加工がされているそうで、もともと設計上や製造上の問題点があったようです。
純正ナビの不具合
レネゲードには最新のカーナビシステムとして「Uconnect®」という最新システムを搭載しており、スマートフォンなどと連携してインターネットを活用する高度なナビシステムです。
ですがこのカーナビは当初から故障が多く、操作ができなくなったりタッチパネルの不良が相次いでいます。
Uconnect®のカーナビシステムは日本のカーナビに比べるとシンプルな見た目をしていますが、その操作の多くはタッチパネルを介して行われており、タッチパネルが操作できないというのは大きな問題です。
ほかにもエンジンを始動してもカーナビが起動しなかったり、オーディオが音飛びするなど様々な不具合が報告されています。
この症状は経験劣化が進んだ場合のことではなく新しくても発生しますので、ナビ自体の不具合となります。
修理には基本的にUconnect®本体の交換が必要であり、修理費用に関しては100,000円異常かかる場合がほとんどです。
しかし保証期間内であれば当然無償修理の範囲内なので、中古車を購入するときなどは保証があるかないかが大きな分かれ目となるでしょう。
補機の故障
補機とはエンジンの動力を使って動作する様々な機器のことを指しますが、レネゲードではこの部分の故障も多いです。
補機の代表的なものとしてはエアコンコンプレッサーや発電機であるオルタネーターがありますが、これらはエンジンからベルトで動力を伝達して回転しています。
これらが故障するとエアコンが効かなくなったり、発電不良から電装品が作動不良に陥るなど、その影響は大きいです。
補機の不具合の原因はいくつもあり、回転部分のベアリングの摩耗から来る異音や異常振動であったり、電装品の故障など多岐にわたります。
ですが修理に関しては基本的に補機の交換が必要で、その修理費用は一基あたり100,000円以上必要です。
また交換部品は本国である米国から輸送する必要がある場合があり、その場合は修理期間も相応に長くなります。
保証期間内であれば無償修理となる場合が多いですが、修理が完了するまで車が動かせないので部品の在庫があるかないかで大きく期間が変わります。
レネゲードは買っても大丈夫か?
レネゲードはそのデザインの特徴的な面が非常に好評な車種であり、国産車にはない力強さやレトロフィーチャーなスタイルは非常に魅力的なものです。またSUVとしてのパフォーマンスも高いのでその性能面は非常に優秀といえるでしょう。
しかし前述でもご説明した通り故障に関しては不安が数多く残る車であることは間違いなく、輸入車ということでディーラー網などの対応面でも不安があります。
そのためレネゲードと付き合っていくならある程度故障が発生することは覚悟しておかなければならず、即日対応できるディーラーをいくつも見つけておく必要がありますね。