スズキの新しいコンパクトSUVイグニス。
歴代のスズキの車を連想させるヘリテイジデザインを随所に盛り込んだポップなボディと、走破性の高いSUVのようなスタイリングで、不思議な魅力のある車です。
車重1tを切るボディに1.2Lプラスモーターのパワフルなパワートレインは、ストレスのない走行性能で取り回しもよく、普段遣いにちょうどよいでしょう。
そんな一風変わった雰囲気をもつイグニスですが、値引きは厳しいのでしょうか。
できるだけうまく交渉して安く購入するために、ここではイグニスの平均値引きや最大値引き額、そして価格交渉のポイントまで解説していきます。
イグニスの値引き額の平均相場
イグニスはコンパクトカーのなかでも車体の小さい、Aセグメントに入る車です。近年Aセグメントは軽自動車との競合により販売自体が厳しく、さらに一般的な車と比べると価格も高くは設定できないことからか、非常に少なくなっています。
そんな厳しい環境に立たされているイグニスですが、その値引き額は一体どのくらいが平均となっているのでしょうか。まずはイグニスの平均値引き額を見ていきます。
本体値引きは15万円
イグニスは発売から3年目ということもあり、購入の際の交渉次第で値引きが大きくなっています。軽自動車全盛の日本車市場ではイグニスの存在理由が薄れているのも、値引きが緩む要因の一つといえるでしょう。
イグニス値引き額は、平均的に15万円前後となっています。車両価格の割合から言うと約10%程度の金額です。つまり車両価格の1割以上の金額が値引きされていれば、十分な値引き額であると言えます。
オプション値引きは1割引きから2割引き
イグニスを買おうとディーラーで商談をしていると、なんとか15万円の値引きが提示されました。営業マンも”精一杯頑張った金額ですので、ぜひ決めてください”といっています。
値引率からみると十分な額ですし決めちゃってもいいかもしれません。しかし大幅値引きがほしいのであればここで決めてはいけません。
イグニスを見積もりしたときに車両本体以外にもフロアマットやナビなどと言ったディーラーオプションがはいっていると思います。値引きはここからもいただけますので、この市販品に比べて高額なディーラーオプションからも、値引きをしてもらいましょう。
このディーラーオプションからの値引きは、金額の1割から2割ほどが値引き額の相場です。ここで値引率に幅があるのは車両値引きと同じく、販売している地域やディーラーの販売力によって値引率が違ってくるからです。
ディーラーオプションからの値引きはネットでは2割引きだったのにと言われても、ディーラーからすると関係のない話ですので、そこは頑張って交渉しましょう。
オプション値引きで注意してほしいのは、先程の例のように営業マンは値引き額を大きく見せるために、オプションからの値引きを本体値引きと総額で提示してくることです。
これだと値引き交渉をあまりしたことない人には値引き額が大きく見えるので、営業マンも頑張ってくれたと思ってしまいます。しかしそれではなんだか物足りないですね。
交渉の際には冷静に値引き額を計算して、後々値引きが思ったより少なかったなどと後悔することのないように注意しましょう。
値引きの平均金額
車両本体、オプションそれぞれの平均相場が出ました。では見積書からどれくらい値引きがでていれば平均的なのでしょうか。グレードやオプションを使って一例を上げて紹介します。
価格 | 値引き額 | |
イグニス MX | 150万円 | 15万円 |
オプション | 30万円 | 3~6万円 |
値引き計 | 18~21万円 |
この条件であれば、合計18万円から21万円ほどの値引きが出れば平均的な値引きと言えるでしょう。
値引き額の月変動
ここでイグニスの値引き額の変動を見ていきます。2016年2月に登場したイグニスは、その後どのような値引き額になっていくのでしょうか。
販売時期 | 値引き額 |
2016年2月から | 7~18万円 |
イグニスの値引き額の変動はこの様になっています。とくにマイナーチェンジ等もないことからか、当初最大で5万円程度だった値引きも2年ほどで15万円まで広がり、そのままの状態を保っています。
途中で全方位モニターが採用されるなど仕様向上がありましたが、特に値引きの引き締めはなかったようです。
現在ではその流れのまま来ており、車両値引きは15万円前後となっています。
値引き額が18万円から21万円になる理由
現在イグニスの平均値引き額は18万円から21万円だというふうにお話をしました。
車両価格からすると1割の値引きと大きい数字ですが、これほどの額が平均値引き額になるのはどういった要因があるのでしょうか。値引き額の要因を解説していきます。
マイナーチェンジがない
イグニスは発売から3年が経過していますが、未だに外装の変更などと言ったマイナーチェンジのテコ入れがありません。
通常であれば車は2、3年に一度は仕様向上やマイナーチェンジなどで商品力を上げて、値引きを引き締めるのが通例です。
そのためイグニスは最近登場した同社の新型ジムニーやクロスビーと言った車の影に隠れてしまっています。
大掛かりなテコ入れなどが行われず、値引きを引き締められることなくここまで来たことが、平均値引きを広げている要因の一つです。
車の立ち位置が微妙
国内の道路に合わせた扱いやすいボディサイズでライバルが少ないイグニスは、一見値引き額が広まる理由がないように見えます。しかしイグニスのサイズ感は、日本の車事情を考えると微妙な立ち位置です。
普通車で一番小さいAセグメントサイズの車を乗るのであれば、それより若干小さくなったとしても維持費が圧倒的に安くなる軽自動車があります。
そして使い勝手の良いコンパクトカーをと考えると、イグニスの車内は普通車にしては狭くて使い勝手はよくありません。しかし当然維持費は普通車と同様にかかってきます。
普通車らしいサイズ感がほしいならワンランク上の車を、維持費を優先させるなら軽自動車を購入してしまうような、この中途半端な立ち位置というのがイグニスの販売の苦しさを助長しています。
Aセグメントのサイズ感
イグニスの苦しい競合の話をしましたが、実は同じAセグメント同士であれば、直接比較される車は意外にいないのです。
同社には同じAセグメントにはソリオやクロスビーなどがいますが、同じメーカーのこれらとは競合させることはあまり意味がありません。
非常に扱いやすいサイズ感と走破性の高いパッケージを採用しているので、コンパクトカーがほしいけど軽自動車は嫌というユーザーには人気があります。
イグニスは徐々に値引き額が緩んできているのがグラフなどからもわかります。しかしイグニスはその独自のキャラクター性人気のある車です。
Aセグメントという狭い市場のなかでキャラクター性が売りのイグニスは他社競合がやりにくく、生半可な交渉では営業マンに言いくるめられて大した値引きもなく購入してしまう場合もあります。
ですのでしっかり知識を入れて交渉しなければ、営業マンのもっている値引きだけでうまくまとめられてしまいます。平均額以上を引き出すためにもしっかりと交渉材料をそろえて交渉する必要があるのです。
イグニスの値引き額の最大・限界額
イグニスの現状の値引き額の平均やその理由を先程は説明したので、イグニスの販売状況の苦しさがおわかりいただけたと思います。
次はそんなイグニスからユーザーが手にした、最大値引きの金額をご紹介していきます。一体どのような数値が出てくるのでしょうか。
イグニスの最大値引きは30万円
現在のイグニスの最大値引きは30万円という額でした。オプションの装着内容などもありますので一概には言えませんが、車両価格の実に2割と平均値引き額からしてもかなり大きな値引きです。
最大値引きが出た理由
イグニスから30万円近い値引き額を得るからには、やはりそれなりの要因があります。その要因をここでは解説していきます。
マイナーチェンジが近い
発売から3年経過し、ほとんどテコ入れのなかったイグニスですが、2019年の夏にマイナーチェンジが施されると言われています。
マイナーチェンジが近い車は買い控えから在庫処分まで、様々な要因から値引きが大きくなります。その直前である現在は値引きがかなり大きくなってきています。
マイナーチェンジが近いタイミングというのが、最大値引きの一つの要因です。
ライバル車としっかり競合させた
イグニスから値引きを獲得するのに重要な要素がこの競合です。イグニスは直接のライバルが少ない車なので、使い方やサイズをポイントに競合させる車両をしっかり選び、値引きを獲得します。
イグニスのサイズであれば軽自動車からコンパクトカーまで実用性の高い車と競合させて、イグニスの弱点をうまく突きながら交渉することが一番のポイントです。
しっかり狙いを定めて値引きをとったかどうかが値引き額を大きくした要因です。
イグニス同士で競合させた
他社競合で十分値引きを引き出して、それでも目標値引きに到達しない場合はイグニス同士で競合させることも値引きを大きくした要因です。
スズキディーラーはサブディーラーを除けばスズキ自販〇〇というのが正規ディーラーです。同じ県内には一つしかない場合が多いですが、県外へ遠征すれば経営の違うスズキがありますので、それらと競合させる方法もあります。
もちろん経営方針の違いもありますので、一台一台の利益を考えて大事に車を売る販売店から達成ノルマ達成のために値引きを大きくしてでも販売する販売店までさまざまです。
こうしてイグニス同士で競合させたというのも最大値引きを獲得した要因です。
最大の値引きが出やすいタイミング
ディーラーが一番値引きしやすいタイミングで購入したというのも重要なお要素です。
ディーラーが車の値引きを多くしてでも車を売りたいのは、9月の半期決算及び3月の決算月になります。この時期になるとディーラーはメーカーからの販売施策や、契約台数達成に対する報奨金などもありますので、値引きがしやすい環境が整います。
営業マン自身もその年一年の目標台数のもありますので、どうしても売りたい一台となれば、通常の条件より甘くなります。そういったことから決算期には通常では出ないような大幅値引きが出ることもあるのです。
まとめますと、イグニスの値引き額が最大となった要因は、他メーカー車やイグニス同士での競合で値引きを広げたこと、さらに決算期のタイミングが上手くハマったことが、最大の値引きとなった理由だといえます。
イグニスの値引きのレポート・体験・口コミ
イグニスはマイナーチェンジ直前で値引き幅が大きくなっていますので、ディーラーのタイミングが合えばいつでもベストな状態です。
では実際にイグニスを購入したユーザーはどうやって交渉して、いくら値引きを獲得したのでしょうか。ツイッター上からその実態を見ていきましょう。
遂に車買ってしまった。CM見た時から惹かれてたスズキのイグニス😍
色はオレンジ。
色々値引きでほぼ本体価格で購入。
母に無金利ローンでお金を借りたので、がんばって返済します。— oniki (@NooooooooKi) 2016年2月20日
こちらの方は憧れだったイグニスをしっかり値引きして購入されたそうです。
オプションなども含めて最終的に本体価格で購入できたとのことなので、値引きの内容もかなり良かったのでしょう。値引きではありませんが、無金利親ローンの活用も結構重要なポイントですね。
見た目にこだわるなら微妙ですけどスズキのイグニスって車は後ろ姿以外は評判いいいですよ全方位カメラありますし。人気出なかったので値引きしやすいです。あと中古買う場合は初期のハーマンってナビがついてるのを避ければOKです。
— ナリ (@narinari002) 2019年1月18日
イグニスは市場がそれほど大きくないことからか、それほど売れている印象がありません。
そういったこともあり値引きは意外と出しやすい印象があるようです。他社競合でガンガン値段を比較していくことで、大幅値引きは獲得できそうですね。
そういやー友達がスーパーオートバックスでけっこう値引きして買ったんだって
イグニスってやつ ディラーより10万値引き— こぼがみさま@黒い砂漠 (@kobosamakawaii) 2017年6月12日
スズキの正規ディーラーで購入するのも良いですが、オートバックスのようなサブディーラーから購入するのもありですね。
車両で利益を上げると言うよりは整備や用品で利益を上げているので、新車価格はディーラーより条件が良い状態で出してくれる場合が多いようです。
イグニスの値引き目標金額
意外にも値引きに対しては緩めな印象が強いイグニス。しかし自分のときに限って都合よく行くとは限りません。
交渉の仕方で値引き額は違ってきますので、しっかり値引きを頂いて購入するために絶対重要なのが目標値引き額です。
目標がなければ営業マンが値引きを提示してきても、それが好条件なのかどうか判断できませんね。イグニスはいくらを目標に値引き金額に設定すればよいのでしょうか。
値引き目標額は本体で18万円、オプションで2割
イグニスの目標値引きは、現在の相場では本体価格から18万円です。そしてナビなどといったディーラーオプションからの値引きは1割引きは当然のこと、2割引きまで引き出せれば十分です。
イグニスは競合も少なく機能的にも優れているため、強気な販売が見られます。しかし普通車としては中途半端なところから販売の規模は小さく、軽自動車にもお客を取られやすいところを攻めると値引きは大きくなるところがあります。
目標値引きをたてましたが、実際には値引き額は地域差やディーラーの販売力によって差が出ます。そのため必ずとは言えませんが、この金額を目標としておけば購入時の値引きが多いか少ないかは判断できるでしょう。
交渉の際にはしっかり目標値引きを把握して、営業マンの説得をうまく覆して最大の値引きを引き出しましょう。あとは購入の時期をしっかり配慮することで、プラスαの値引きを追加したいところです。
イグニスの目標値引き額まとめ
今までの情報をまとめると、イグニスの値引き目標金額はこのようになります。
本体値引き | 18万円 |
オプション値引き | オプションから2割 |
時期的なもの | 最大5万円 |
合計額 | 24~29万円 |
イグニス購入の際には、この条件を引き出すことを目標として行きましょう。この条件が現状の値引き額としては限界値と言えます。
時期的なものは、決算などに販売台数を増やすためにメーカーが出してくる施策で、内容はその都度変わります。なのでこの程度の場合もあればもう少し低い場合もあります。
イグニスの値引き交渉のポイント
イグニスの値引きのポイントや目標金額を設定できました。あとは目標の値引きを手にするだけです。
しかし頭ごなしに値引きばかりを要求していては値引きは広がりませんし、こちらの印象が悪くなってしまえば”こんな人に売っては後々のフォローが大変だ”思われて、値引きを抑えられてしまうこともあります。
ではどのように交渉すればよいのでしょうか。イグニスの値引き目標金額を獲得する方法を考察していきます。
車が安くなる時期を狙う
イグニスをせっかく購入するのであれば、大幅値引きを獲得するためにも車が値引きしやすい時期を狙うのは絶対条件です。不慮の事故などで突然車が必要になったという状況ではなければ、できるだけ考慮したいポイントです。
まず注目するのはモデルチェンジがあるかないかです。モデルチェンジを控えた車は値引きが大きくなりやすいです。
イグニスは現在発売から3年で、今年の後半にはマイナーチェンジが行われると言われています。値引きが最大になっている今がチャンスと言えるでしょう。
次に重要なのがディーラーのタイミングです。値引きが大きくなりやすいのは1から3月の決算時期や8から9月の半期決算、そして7月のボーナス商戦の時期も外せません。
ディーラーは決算期である3月や半期決算の9月に売上の上がるナンバー登録を間に合わせたいという事情があります。
なのでそれに合わせるためにも、イグニスの納期からすると遅くとも登録タイミングの1月から2月前までに、ディーラーに出向いて契約をするのがよいでしょう。
イグニスにはこの車で競合をしよう
イグニスから値引きを獲得するには絶対必要なのが他社競合です。大衆車的存在のイグニスは他社競合となれば、販売台数を伸ばすためにも必ず乗ってくるでしょう。
イグニスは価格帯もサイズもちょうど比較しやすいのがダイハツのブーンです。取り回しのしやすさやデザイン性、価格対など丁度比較しやすい部分が多いです。
そのほかには利便性の高いハイトワゴン系の軽自動車も比較の対象としてぶつけるにはちょうどよいでしょう。軽自動車は維持費が安かったりなど、それぞれ魅力があるため競合はしやすいです。
そして自分はイグニスが良いんだけど、奥さんがデザインでブーンを気に入っている、もしくは維持費の安い軽自動車よいと言ってて決めかねている、というような前提で競合の交渉をします。
このような状況であれば、スズキの営業マンもここが頑張りどころと考え、こっちに振り向くように値引きをしっかりしてくれるはずです。
競合で真剣に悩んでいることや営業マンが勝負を仕掛けやすい状況を作ってあげることで、値引きを引き出せるでしょう。
スズキディーラー同士で競合させる
スズキはメーカー直接の正規ディーラーからサブディーラーまで多くの業者が扱っています。
そこで他社競合で値引きが思ったよりも渋く、平均値引きにも程遠い結果にしかならなかったという場合は、スズキディーラー同士で競合させることもできます。
もしかするとたまたま最初に行ったところが値引きに対して消極的なディーラーだっただけで、別のディーラーへ行くと値引きが急に大きく出てきたということもあります。ですのでこちらもしっかり比較していきたいところです。
次にサブディーラーですが、こちらは整備代金などで稼ぐことが前提なので意外にも正規ディーラーより値引きが出る場合があります。しかしメーカーから直接仕入れをする正規ディーラーの方が値段を落とせるのは当然です。
そこでディーラーでしっかり値引き交渉をし終わったあとに、どうしても値引きが合わない、予算に入らないという場合はサブディーラーをぶつけてみましょう。
注意が必要なのは、正規ディーラーで交渉中にサブディーラーの名前を出すことです。正規ディーラーにとってはサブディーラーは非常に大事なお客さんです。もしサブディーラーとも競合するとなれば正規ディーラーはまっさきに手を引きます。
そういったことからもサブディーラーと正規ディーラーでの競合は、彼らの関係を悪くする場合もあります。のちのち正規ディーラーで整備なども頼みたい場合は、サブディーラー競合はやめたほうが良いでしょう。
3月契約で大幅値引きを狙う
値引きの交渉方法を解説してきましたが特に大幅値引きを獲得しようとするのであれば、3月の契約という手もあります。
3月は1年を締めくくる決算最終月で、メーカー契約などいろいろ数字に追われます。メーカー契約が達成できない場合は未使用車を作ってでも達成しようとしますが、それは会社にとって大きな負担です。
さらにここから登録台数を伸ばそうにも、売れ筋の車種は新規発注しても間に合わないので登録がほとんど間に合いません。
そんな状況ときにご自身の欲しい車が在庫などでたまたま3月登録ができる車ということであれば、営業マンも会社も一丸となって値引きを頑張ってくれます。このときは買うか買わないかの即決勝負なので、奇跡の値引きを引き出すことができるでしょう。