「カローラフィールダーを買おうと思ってるんだけど、ちょっと迷ってるんだよね」
「カローラフィールダーの長所と短所について、評価がどうなってるかくわしく知りたい!」
車を購入するとき、長所と短所をよく調べてから購入したいですよね。
購入後に致命的な欠点に気づくと、ショックはかなり大きいです。
トヨタ・カローラフィールダーにはどんな長所があって、どんな短所があるんでしょうか?
実際に試乗してきた経験から、カローラフィールダーの魅力と欠点について、写真つきで辛口評価・レビューします。
カローラフィールダーの魅力・長所
それでは魅力・長所から解説していきます。
誰が乗ってもおかしくない外装デザイン
カローラフィールダーは、外装がかっこいいです。いろんな角度から見てみましょう。
フロントにはトヨタのエンブレムではなく、独特の形をしたエンブレムがついています。
個人的な感想をいえば、ここはあんまりかっこよくないですね。ふつうにトヨタのエンブレムをつけたほうがかっこいいです。
外装を見ていちばんに受ける印象は、「長い」。実際の全長は4,410mmなのでそこまで長いわけではないんですが、なぜか長く見えますね。
見た目からは3列シートをイメージさせるものの、実際は2列シートです。そのぶん荷室が広くなっています。
ボディーカラーは9色から選択可能で、写真に写っているのはブラックマイカです。
トヨタの公式サイトの写真で見たときは、正直それほど興味が出ない車だったんですが、こうして実車を見てみると、意外とかっこいい。個人的にはこのカラーがいちばんカローラフィールダーに似合っていると思います。
後方のデザインは大人しすぎず厳つすぎず、誰が乗ってもおかしくないですね。この辺りがカローラと名のつく、大衆車の代表格といったところでしょうか。
魅力的な内装
カローラフィールダーは、内装も魅力的。私が個人的にいいと思った部分を紹介していきましょう。
全体的に年寄りくささを感じない
この写真に写っている展示車では、内装色はブラックでシート表皮はホワイトになっています。黒を基調としたなかにシートやドアトリム、ダッシュボードの白が目立っていますね。
全体的に落ち着いた印象ですが、年寄りくささは感じません。若いひとが乗っても映える内装デザインです。
個人的には、ホワイトの合成皮革がこの車にすごく良く合っている気がしますね。高級感とはいわないまでも、乗り心地の良さそうな印象。
少なくともこの表皮からは安っぽさは感じません。実際に乗ってみると、優秀な走行性能と相まって、「カローラ=大人しくてつまらないイメージ」が間違いだったと気づかされました。
メーターがアナログなのが嬉しい
(※この写真は試乗中に同乗者が後部座席から撮影したものです。)
カローラフィールダーのメーターはアナログです。個人的にデジタルメーターはかっこいいと思えないので、ここは魅力・長所のひとつ。
スピードメーターの下のマルチインフォメーションディスプレイは、色がなんとなくレトロな感じですね。
シートヒーターがつけられる
HYBRID GとHYBRID G“W×B”グレードのみですが、カローラフィールダーにはメーカーオプションでシートヒーターがつけられます。
シートヒーターは、一度体験してみれば病みつきになる暖かさで、初めて使ったときは感動しました。これがつけられることは大きな魅力・長所のひとつでしょう。
車体が小さめで運転しやすい
カローラフィールダーは車体が小さめです。具体的には以下のサイズになっています。
- 全長4,400mm(グレードによっては4,410mm)
- 全幅1,695mm
- 全高1,465mm(グレードによっては1,475mm~1,535mm)
全長・全幅ともに小さめで、急カーブやS字クランクを走行してもこすりそうな場面は一度もありませんでした。見た目の「長い」印象に反して、運転はしやすいと思います。
全高はかなり低いほうなので、身長が高いひとは乗り降りする際に頭をぶつけないように注意が必要。乗ってしまえば天井の低さは感じません。
取り回しのしやすさが、カローラフィールダーの魅力・長所のひとつです。
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加速が「大人しいイメージ」を一瞬で壊すぐらい速い
1.8 Sグレードに試乗してみたところ、加速は速いです。「カローラ」と名のつく車種はカローラスポーツ以外なんとなく大人しいイメージでしたが、乗ってみたら全然そんなことありませんでした。
むしろ、カローラスポーツのノーマルモードより、フィールダーのほうが断然速いですね。ちょっとアクセル踏むとあっという間に40km/h超えます。
スポーツモードも試してみると、さらに速い。信号待ちからのスタートでは、飛び出さんばかりの勢いでした。カローラスポーツのスポーツモードとおなじぐらいの加速力です。
アイドリングストップ機能がついていない
試乗したのがガソリンエンジンモデルだったので、アイドリングストップ機能が当然ついているものだと思っていたら、ついていませんでした。
アイドリングストップ機能とは、ブレーキを踏んで停車した際にエンジンが自動的に停止し、ブレーキを離すと再始動する機能です。
運転していて違和感がすごいので、この機能がついていないことは大きな魅力・長所ですね。
シートアレンジで荷室が広く使える
カローラフィールダーは後部座席を前に倒すことで、荷室が広く使えます。大きな家具を買って持ち帰るときなんかに、非常に便利です。
シートアレンジするには荷室内のレバーを引っ張るだけで、力のない女性でもかんたんにできます。
車を購入するときは見た目や走行性能・乗り心地だけで車種をえらんでしまいがちですが、荷室も重要なポイント。このような利便性の良さもカローラフィールダーの魅力・長所のひとつです。
安全機能としてToyota Safety Senseがついている
カローラフィールダーには安全機能として、Toyota Safety Senseがついています。具体的には以下の機能です。
- プリクラッシュセーフティ
- レーンディパーチャーアラート
- オートマチックハイビーム
プリクラッシュセーフティとは、前方の車両や歩行者・自転車を検知して、衝突しそうになったときに自動的にブレーキが作動する機能です。ブレーキを自分で踏んだ場合は、強力なブレーキアシストが作動します。
レーンディパーチャーアラートとは、車線をはみ出してしまいそうなときに、ブザーやディスプレイ表示で警告してくれる機能です。
オートマチックハイビームとは、対向車のライトを検知して、ハイビームとロービームを自動的に切り替えてくれる機能です。ハイビームの切り忘れが防げます。
とくにプリクラッシュセーフティはあまり世話になりたくない機能ですが、ついていることで安心して運転できますね。
価格が車の質に見合っている
カローラフィールダーの価格は、車自体の質を考えればそれほど高くありません。下の表に各グレードの価格をまとめたので、見てください。
車名 | グレード | 価格 |
カローラフィールダー(ハイブリッド) | HYBRID G“W×B” | 2,536,920円 |
HYBRID G | 2,350,080円 | |
HYBRID | 2,229,120円 | |
カローラフィールダー(ガソリンエンジン) | 1.8S”W×B” | 2,341,440円 |
1.5G”W×B” | 2,170,800円 | |
1.8S | 2,220,480円 | |
1.5G | 1,813,320円 | |
1.5X | 1,656,720円 |
ハイブリッドモデルが3グレード、ガソリンエンジンモデルが5グレード用意されていて、私が試乗したのはガソリンエンジンモデルの1.8Sです。2,220,480円という価格ですが、妥当だと思います。
車内はそこそこ広く、走行性能は優秀で、見た目もかっこいい。欠点・短所についてはこのあと解説しますが、長所をかき消すほどの致命的なレベルではありません。
ちなみにカローラフィールダーは発売から7年近く経っていて、中古車市場では1,000,000円以下で購入できるものもたくさん出回っています。
手を出しやすい価格設定が、カローラフィールダーの魅力・長所のひとつです。
カローラフィールダーの欠点・短所
つづいて、カローラフィールダーの欠点・短所について解説していきましょう。
路面の悪さがしっかり伝わってくる
静粛性はあんまり良くないです。私が試乗したのはガソリンエンジンモデルなので、エンジン音は当然あるんですが、問題はそこではありません。
問題なのは、でこぼこ道を走行したときの振動。10km/h以下で低速走行しても、ちょっと上げて20km/hぐらいで走行しても、車体がガックンガックン揺れます。
静粛性が優秀な車は、悪路を走行しても足元がブルブルふるえる程度で、そこが悪路であることに気づきもしなかったりしますよね。
しかし、カローラフィールダーは路面の悪さがしっかり伝わってきます。やはり高級車ではないんだなぁということを改めて感じますね。
燃費が悪い
カローラフィールダーは、燃費が悪いです。私が試乗した1.8 Sグレードの燃費は、メーカー発表で16.6km/lで、15分程度の試乗をしたときの実燃費は5.0km/lでした。
決して低燃費とはいえない数値ですね。燃費重視で車をえらぶなら、カローラフィールダーの1.8 Sはやめておいたほうがいいでしょう。
エアコンを3番目に強い風量でつけていたので、春や秋でエアコンなしで走行すればもう少しよくなるかもしれません。
カローラフィールダーにはハイブリッドモデルも用意されていて、そちらはメーカー発表で34.4km/lと、かなりの低燃費。燃費重視ならハイブリッドモデルをえらびましょう。
内装がところどころ安っぽい
先ほど内装の良い部分について紹介しましたが、ところどころ安っぽい点もあるので、写真を紹介していきます。
シフトレバーが安っぽい
カローラフィールダーのシフトレバーは細く、重厚感がまったくありません。デザインはアクアについているものとおなじで、こちらはにぎり込んだときに手のひらに当たる部分が黒いのが特徴(アクアは青)。
個人的にはアクアのように青いほうがかっこいいと思います。黒だとふつう過ぎて、レバー自体の細さばかりが目立ってしまい、安っぽく感じますね。
パーキングブレーキが安っぽい
カローラフィールダーのパーキングブレーキは、レバー式。
私はレバー式のパーキングブレーキ自体はけっこう好きなんですが、デザインがシンプル過ぎて安っぽく感じますね。なんだか細くて頼りない印象。もっと太くするか、それができないならペダル式か、もしくは電動式にしてほしいところです。
3人で乗るにはせまい後部座席
カローラフィールダーの後部座席は、せまさは感じませんが、とくべつ広いわけでもありません。
運転席を身長177cmの私にちょうどいい位置にした状態で後部座席にすわってみると、ヒザが前のシートにぶつからず、前後からの圧迫感はないです。
頭から天井までのスペースにも余裕があり、上下からの圧迫感もなし。まんなかにアームレスト(ヒジ掛け)がついていることで、後部座席に2人乗る場合でも自分のスペースを確保できます。
カローラフィールダーは5人乗りなので、定員いっぱい乗る場合は後部座席に3人すわることになりますが、大人3人で乗るには幅的にせまそう。
車中泊する場合は、前部座席を倒して2人寝るのが限界ですね。後部座席にリクライニング機能はついているものの、後部座席にひとがすわった状態で前部座席を倒すと、ヒザがぶつかってしまいます。
広さ的には後部座席を前倒しして、荷室に寝ることもできそう。ただ、そうすると前部座席を倒せなくなるので、やはり車内で寝られるのは2人まででしょう。
子育てに使う場合は、子どもであればそこそこ余裕を持って後部座席に3人乗ることができます。子どもがある程度大きくなって友達を乗せることになっても、1人~2人なら連れて行くことは可能ですよ。
総評:致命的な欠点はないけど真新しさもない車
カローラフィールダーの長所・短所を見てきた総評をズバリいえば、「致命的な欠点はないけど真新しさもない車」。
加速が速くてアイドリングストップ機能はついておらず、内装デザインも悪くないです。シートヒーターがつけられるし、価格も手頃。
こうやってひとつひとつの特徴を評価していくと悪いところはないはずなんですが、乗ってみた印象としては、とくに感動する場面はありませんでした。
誰かが乗っていても否定しないけど、自分の車として乗るには物足りない。そんな感じですね。
結論として、カローラフィールダーをおすすめできるひととできないひとは、以下のようなひとです。
- 車にコストパフォーマンスの良さを求める
- アイドリングストップ機能のないガソリンエンジン車に乗りたい
- 加速の速い車が欲しい
- 取り回しのしやすい車がいい
- 3人以上で車中泊したい
- 大人5人で乗るつもり
- 静かで快適なドライブがしたい
- 内装に高級感を求める
4つずつ条件を挙げましたが、とくに重要なのは「おすすめできないひとの条件に1つも当てはまっていないこと」です。1つでも当てはまっていると、購入後に後悔することになってしまうので注意してください。
ここまで書いてきましたが、いい車か悪い車かでいうと間違いなくいい車なので、購入検討しているならぜひ試乗してみてくださいね。
この記事を読んだことで、カローラフィールダーを購入するかどうかの判断材料のひとつになれることを願っています。