車を購入する諸経費の中で税金は大きな割合ですが、最近はエコカー減税のおかげで税額は安くなっています。
新車の場合には多くの減税や免税が期待できますが、中古車でも適用されるのかどうかって、詳しくはわかりませんよね。
今回は中古車購入時のエコカー減税についてご説明します。
中古車に関するエコカー減税についてよくある疑問
Q1.中古車にエコカー減税は適用される?
A.中古車にも一部エコカー減税は適用されます。
中古車購入時に適用されるエコカー減税は、自動車取得税、自動車重量税の2つとなっており、自動車税については新車購入時のみのため適用されません。
エコカー減税での減税額は、それぞれ次のようになっています。
自動車取得税
自動車取得税は以下の基準を満たした車種に対して適用され、自動車取得税の計算値のひとつである「取得金額」からエコカー減税の控除額を差し引きます。
取得金額が1,450,000円の電気自動車の場合は控除額は450,000円ですが、その場合の取得金額が1,000,000円となり、この金額で自動車取得税が計算されます。
自動車重量税
自動車重量税にもエコカー減税が適用されますが、適用範囲は新車時と2回目の車検時までとなっており、3回目の車検からは満額のエコカー減税は適用されません。
中古車購入の場合では、次の2つの場合に適用されます。
- 新車時の車検が残っている状態で購入し、次の車検を受けるとき
- 初回車検が切れてから15日以内に車検を通したとき(15日以上経過した場合は適用されません)
Q2.エコカー減税はいつまで?
A.自動車取得税、自動車重量税とも2019年の予定です。
エコカー減税は2009年に開始されたあとにどんどん期間が延長されてきており、現行基準の2017年度のエコカー減税適用期間は次のようになっています。
- 自動車取得税:2017年4月1日~2019年3月31日
- 自動車重量税:2017年5月1日~2019年4月30日
Q3.エコカー補助金は中古車に適用される?
A.中古車は対象外です。
エコカー補助金は燃費の良い車や、ハイブリッドカー、電気自動車を購入した際に受けられる補助金でしたが、「エコカー補助金」という名前の制度は2015年に終了し、現在は同様の補助金である「自動車補助金」という制度にかわりました。
しかしこの制度はあくまで新車購入時にしか適用されず、エコカーの筆頭である電気自動車を中古で購入しても補助金はうけられません。
Q4.中古車でエコカー減税の対象車は?
A.自動車取得税、自動車重量税の対象車は次の通りです。
自動車取得税対象車
燃費基準 | エコカー減税控除額 |
・電気自動車 ・燃料電池自動車 ・天然ガス自動車 (平成21年排ガス規制NOx10% 以上低減) ・プラグインハイブリッド車 ・クリーンディーゼル乗用車 (平成21年排ガス規制適合の 乗用車) ・平成32年度燃費基準+20% 達成車 | 450,000円 |
平成32年度燃費基準+10%達成車 | 350,000円 |
平成32年度燃費基準達成車 | 250,000円 |
平成27年度燃費基準+10%達成車 | 150,000円 |
平成27年度燃費基準+5%達成車 | 50,000円 |
自動車重量税対象車
自動車重量税の場合の車種による減税率は次の表の通りとなっており、エコカー減税が切れた3回目以降の車検についてはすべてのエコカーで「本則税率」が適用されます。
減税率 | 車種 |
免税 | 平成26年4月1日から平成29年4月30日までの 間に新車購入時に「免税」を受けた乗用車・ 電気自動車 |
50%減税 | 平成24年5月1日から平成26年3月31日までの 間に新車購入時に「免税」を受けた乗用車 |
本則税率 | 新車購入時に上記以外のエコカー減税を 受けた乗用車 |
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Q5.どれくらい減税される?
A.それぞれの減税額を例をあげて説明します。
自動車取得税 課税額
自動車取得税の減税額は前項の表に記載しましたので省略しますが、「平成32年度燃費基準+20%達成車」を例にとって計算します。
自動車取得税の計算は次の通りです。なお残価率は経過年数2年とし、普通自動車の0.561を適用します。
たとえば普通車で課税標準基準額が2,000,000円の車だった場合、自動車取得税は以下となります。
課税標準基準額 の確認 | 例:2,000,000円 | |
取得金額 | 課税標準基準額 ×0.9×残価率 | 2,000,000×0.9×0.561=1,009,800円 →1,009,000円(1000円未満切り捨て) |
エコカー減税 での控除額 | 取得金額-控除額 | 559,000円 |
自動車取得税計算 (普通車) | 取得金額(控除後) ×3% | 559,000×0.03=16770円 |
また同様の計算をエコカーではない中古車で実施すると次のようになります。
課税標準基準額 の確認 | 例:2,000,000円 | |
取得金額 | 課税標準基準額 ×0.9×残価率 | 2,000,000×0.9×0.561=1,009,800円 →1,009,000円(1000円未満切り捨て) |
自動車取得税計算 (普通車) | 取得金額×3% | 559,000×0.03=30,270円 |
エコカー減税ありとなしでは取得金額に大きな差ができ、控除額450,000円の場合には自動車取得税に13,500円の差が生まれます。
参考:自動車取得税残価率
経過年数 | 軽自動車 | 普通自動車 |
1年 | 0.562 | 0.681 |
1.5年 | 0.422 | 0.561 |
2年 | 0.316 | 0.464 |
2.5年 | 0.237 | 0.382 |
3年 | 0.177 | 0.316 |
3.5年 | 0.133 | 0.261 |
4年 | 0.100 | 0.215 |
4.5年 | 0.177 | |
5年 | 0.146 | |
5.5年 | 0.121 | |
6年 | 0.100 |
自動車重量税 課税額
自動車重量税は次の表によって減税額が決まっており、エコカーの場合は免税、50%減税、本則減税のどれかに当てはまります。
車両重量 | 2年自家用 | ||||||
免 税 | 50% 減税 | 本則 税率 | エコカー以外 | ||||
右以外 | 13年経過 | 18年経過 | |||||
H28.3.31 まで | H28.4.1 以降 | ||||||
0.5t以下 | 免 税 | 2,500 | 5,000 | 8,200 | 10,800 | 11,400 | 12,600 |
~1.0t | 5,000 | 10,000 | 16,400 | 21,600 | 22,800 | 25,200 | |
~1.5t | 7,500 | 15,000 | 24,600 | 32,400 | 34,200 | 37,800 | |
~2.0t | 10,000 | 20,000 | 32,800 | 43,200 | 45,600 | 50,400 | |
~2.5t | 12,500 | 25,000 | 41,000 | 54,000 | 57,000 | 63,000 | |
~3t | 15,000 | 30,000 | 49,200 | 64,800 | 68,400 | 75,600 |
※引用:国土交通省HP 自動車重量税の税額表
例えば50%減税を受けた、車両重量1.3tの中古車が2回目と3回目以降の車検を受ける場合には、自動車重量税額はそれぞれ次のようになります。
50%減税 | エコカー以外 (右以外) | 差額 | |
車検2回目 | 7,500円 | 24,600円 | 17,100円 |
車検3回目以降 | 15,000円 | 24,600円 | 9,600円 |
差額合計 | 26,700円 |
もし同じ車を長期間所持していると、エコカーとそうでない車では2回の車検時に26,700円の差額が発生します。
まとめ
中古車購入でのエコカー減税は、自動車の取得時と2回目の車検時のみにしか適用されません。
しかしエコカー減税を受けた車は3回目以降の車検時には本則税率が適用され、エコカーではない車よりも税額は安くなります。
中古車を買う際にはできるだけエコカー減税認定車を選ぶようにしましょう。