トヨタ タウンエースは小型の商用ベースのバンで、ビジネスなどに便利に使える1台です。
今回はこのタウンエースバンの後部座席についてご紹介します。
タウンエースバンの後部座席の2列目・セカンドシート
参考:toyota.jp
タウンエースはトヨタが昔からラインナップしているバンで、前のモデルは乗用車モデルがメインでしたが現行モデルでは商用車メインとなっています。
タウンエースにはトラックとバンがありますが後部座席があるのはタウンエースバンとなります。
タウンエースバンはキャブオーバーバンという車内スペースを最大限活用できる車ですが、そのスペースを活かして乗用車として乗っている人もいます。
そんなタウンエースバンですが、まずは大まかな車のサイズからご紹介しましょう。
スペック | タウンエースバン | |
乗車定員 | 2名 or 5名 | |
全長 | 4,045mm | |
全幅 | 1,665mm | |
全高 | 1,900mm | |
室内長 | – | |
室内幅 | – | |
室内高 | – | |
ラゲッジルーム | 高さ | 約1,300mm |
幅 | 約1,500mm | |
奥行き | 約1,250mm(後部座席使用)〜2,000mm(後部座席収納) | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約800mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約800mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約1,300mm | |
奥行き | 約800mm |
現行のタウンエースバンはコンパクトカークラスの全長や全幅を持つ小型の車ですが、エンジンがコンパクトに搭載されているので室内スペースがとても広々としており、車の全長の8割ぐらいが車室として利用できます。
中でもラゲッジスペースの広さが大きな割合を占めており、商用車なので何よりも荷物の積載性が重視されています。
タウンエースバンには荷室を優先した2人乗りモデルもありますが、5人乗りモデルでは後部座席があるので乗用としても使えます。
このようなサイズ感を持つタウンエースバンですが、後部座席は次のようなスペックとなっています。
タウンエースバンの広さ・居住性
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タウンエースバンは商用車がメインの車なので後部座席は補助的な役割となっており、全体的に簡素なシートとなっています。
タウンエースバンの5人乗りモデルでは運転席と助手席に1人ずつ乗車するので、後部座席には3人掛けをするタイプとなります。
タウンエースバンの後部座席は3人掛けのベンチシートとなっており、横並びで3人座るような形になります。
このベンチシートの左右の寸法は一般的なコンパクトカーや中型車と同じぐらいのサイズはありますので、2名乗車ならゆとりがあり、3人乗車なら横の人とちょうど体が触れるぐらいのサイズ感になっています。
タウンエースの用途としてあまりフル乗車をするシーンは多くはないのですが、たまにフル乗車する分には十分なサイズでしょう。
またタウンエースバンの後部座席への乗り込みは左右のスライドドア部分から乗り込めるので比較的乗降性は良く、荷物を載せる車なので足をかけるステップなどがあるのも嬉しい点です。
ですがタウンエースバンの後部座席は前後のスペースはそこまで広くなく、その後部に広がるラゲッジスペースが優先されているので後部座席は必要最小限の前後サイズとなっています。
全然座れないほどではないのですが後部座席に座ったときの前席との足下空間はせいぜい拳1個あるかないかぐらいとなっており、乗用車としてみると窮屈さを感じるものでしょう。
室内高は高いので後部座席に座ったときの頭上空間は十分にあるのですが、前後サイズが小さいので長時間座っていると体が動かせずに不便な部分はあります。
しかしタウンエースバンは元々から商用車がメインの車で後部座席は補助シート的な役割が強いので、最低限不便なく座れるだけのスペースが確保されていれば車としては十分なのです。
中にはタウンエースバンの積載性を目当てにファミリーカーとして活用している方もいらっしゃるのですが、そういう方は後部座席をカスタマイズしたりしてスペースを広げたりされているのを見かけますね。
タウンエースバンのチャイルドシート対応
タウンエースバンをファミリーカーとして運用されている方では子育て世代などではチャイルドシートへの対応も気になる点ですが、基本的にはタウンエースバンはチャイルドシートに適応した車ではありません。
チャイルドシートは子供専用の小型の車載専用シートですが、子供は体が小さいので車の普通のシートのサイズでは大きすぎて安定した乗車やシートベルトでの保護などに問題が出てきます。
そのため乳幼児や幼児、学童児などを車に乗せるときにはチャイルドシートを車のシートの上に搭載するのですが、チャイルドシートはそれぞれの年齢や体の大きさに合わせてさまざまなサイズがあります。
またチャイルドシートの固定にはシートに備え付けのシートベルトを利用するのが一般的なのですが、近年はチャイルドシート専用の固定規格である「ISOFIX」が普及してきているので、これに対応した車とチャイルドシートであれば安定して確実な固定が可能となります。
しかしタウンエースバンの場合ではチャイルドシートの固定などにも問題はあり、普通の車では後部座席にチャイルドシートを搭載するのが一般的なのですが問題は固定構造です。
一般的な乗用車ではチャイルドシートの固定には3点式シートベルトを使うのですが、タウンエースバンの後部座席には2点式シートベルトしか装備されていないのでチャイルドシートを安定して固定できません。
また商用車であるタウンエースバンにはISOFIX対応の金具などの設定もありませんので、後部座席にチャイルドシートを搭載するにしても別の固定構造を用意しなければならなくなるでしょう。
そのためタウンエースバンの場合は3点式シートベルトのある運転席のほうが固定は確実ですが、タウンエースバンのようなキャブオーバーバンは事故の際に運転席や助手席に衝撃が伝わる割合が多く、そういう安全性の面では不適切です。
全体的に見てタウンエースバンをチャイルドシートを乗せるような使い方をするのは不安な部分が多いので、あくまで積載性をメインにしてチャイルドシートなどは2台目の車にするなどのほうが懸命でしょう。
タウンンエースバンの座り心地
タウンンエースバンの後部座席は商用車としての簡易的なシートのため、座り心地としては一般的な乗用車と比べると厳しい部分はあります。
タウンンエースバンの後部座席は左右に繋がったベンチシートで、シート上面にはホールド性を高める凹凸などはなくまさにフラットな座面とフラットな背もたれがあるシンプルなものです。
その座面や背もたれの厚みは薄めのものとなっており、後述するシートアレンジのためにも薄いデザインが採用されているのでしょう。
その座り心地は固くて安定性などはあまり見られないものであり、近距離ならともかく長距離移動には厳しい座り心地となっています。
また後部座席の背もたれの角度もかなり直角に近いので、座った姿勢も真っ直ぐになりくつろげるようなシートではありません。
さらに後部座席には3席すべてにヘッドレストの装備がなく、近年の車の安全性としてみたときにはかなり残念な点です。
ヘッドレストは普段乗っているときは頭を置いておく装備ですが、万が一の事故の際には乗員の頭や首をしっかりささえてむち打ちを防ぐ重要な安全装備でもあります。
コスト重視の乗用車などでは3席あるうちのセンターに装備がない場合はよくありますが、タウンエースバンは商用車で後部座席に重点がおかれていませんので、全体的にヘッドレストはオミットされています。
タウンエースバンの後部座席を乗用車としてみたときには座り心地も安全性でも残念な点が多いのですが、一方で商用車としてはなによりコストパフォーマンスが重視されますので、後部座席は最低限座れるだけのものがあれば十分ではあります。
もしタウンエースバンを乗用車として運用するときには、せめてなんとかヘッドレストぐらいは装備したいところです。
タウンエースバンの後部座席の装備
タウンエースバンの車内の便利装備はほとんどが運転席周りに集中しており、後部座席の周りとなると普通の乗用車で見られるような装備はほとんどありません。
タウンエースバンは運転席や助手席に乗って商用車として使うことが多い車ですので、後部座席へ乗り込むニーズが少なく便利装備は極力廃した仕様となっています。
運転席周りにはエアコンダクト、各種収納、ドリンクホルダーなどが装備されているのですが、これらの装備は後部座席周りには一切なくただ座るだけのシートとなっています。
特に収納に関してはシートバックポケットやドアポケットなども装備されていませんので、後部座席に座ったときには小物はすべて手で持つ形になるでしょう。
さらにタウンエースバンはリアの左右のスライドドアがありますが、そのウインドウの開閉方式も昔ながらの手動式であり徹底的にコストを抑えた作りとなっています。
またシートベルトについては後席の3席すべてが2点式シートベルトになっており、腰だけを支えるタイプのシートベルトとなります。
最近ではコンパクトカーや軽自動車でも後部座席のシートベルトには3点式が装備されることが増えていますが、タウンエースバンではコストパフォーマンスから簡易的な2点式シートベルトです。
2点式シートベルトでも事故の際などに飛び出すことを防いでくれるのですが、普段の乗車時には体を支える力が弱く、また事故の際にも体が大きく揺さぶられるのでケガをする可能性が高くなり、3点式に比べると安全性の面では残念です。
タウンエースバンは後部座席はあくまで補助シート的な役割であり、乗用車として普段から乗るような使い方では不便さがどうしてもあります。
タウンエースバンのリクライニング・シートアレンジ
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タウンエースバンの後部座席はリクライニングなどの便利な機能は一切ありませんが、シートアレンジについては可能です。
タウンエースバンの後部座席はシート全体が1つにつながっているベンチシートで、その背もたれの角度は変更できず固定式となっています。
また前後へのスライド機能もありませんので、もし足下空間が狭かったりしても後部座席のそのままのポジションで座ることになります。
とはいえ乗用車でも後部座席にリクライニング機能やスライド機能がある車はタウンエースバンのサイズでは稀であり、この点に関してはそこまで問題でもないでしょう。
また後部座席のシートアレンジはベンチシートを前側に跳ね上げる形の変更ができ、後部座席のあった空間もラゲッジスペースとして利用できる機能です。
タウンエースバンには後部座席のない2人乗りモデルもありますが、5人乗りモデルでも後部座席を跳ね上げてしまえば2人モデルより少し前後の短い程度までラゲッジスペースを拡大することはできます。
跳ね上げにはシートに備え付けのレバーで行いますが、背もたれを前に畳んでからシート全体を跳ね上げる形で収納するので、かなりコンパクトに折り畳める機能です。
この跳ね上げ機能を活かすためにタウンエースバンの後部座席はフラットで薄い座面や背もたれを持つようになっており、なによりもタウンエースバンのメリットであるラゲッジスペースを優先した設計となっています。
タウンエースバンの後部座席の評価・口コミ
タウンエースバンの後部座席についてはtwitterなどでもあまり良い評判はなく、次のようなものが見られます。
タウンエースの後部座席は狭いです。
背もたれ倒されるともう身動きとれません(*_*)
デリカは広かったなぁ…— mayu (@maaaaayuw) July 23, 2013
この方はタウンエースバンの後部座席に実際に乗られたようなのですが、後部座席の狭さに辟易されていますね。
前席シートは前後にリクライニングできるのですが、後ろに倒すとすぐに後部座席にかかってくるので、フル乗車時などはかなりきついことになるでしょう。
現行タウンエースちゃんは前席も後席も狭い
シートバックの起きたまともなドラポジ以外取れないので寝そべった姿勢じゃないと死んじゃう子には辛いだろう— まるてにすとらいぷ (@ZLA151ARO) October 17, 2014
こちらの方もタウンエースバンに乗られたことがあるようですが、後部座席だけでなく前席も狭いので全体的に狭いということのようです。
最近の車は後部座席でも背もたれの角度が緩やかでゆったり座れる車が多いので、タウンエースバンに急に乗ったりするとその直角に近いシートポジションが辛いことになりそうです。
総評
タウンエースバンは小型の商用バンとしてはいろいろなメリットのある車で、コンパクトなボディに最大限広く確保されたラゲッジスペースで商用車としての使い勝手はかなり良い1台です。
また価格もこのクラスの商用バンとしては十分にリーズナブルであり、コストパフォーマンスが何より重視される商用車の中でメリットの多い車といえるでしょう。
しかし後部座席だけを見るとかなり簡易的で補助シート的な役割が強いものとなっており、タウンエースバンを乗用車として普段から後部座席を利用するようなスタイルには向きません。
後部座席は全体的に安全性の面でも近年重視される装備がありませんので、せいぜいたまに大人数で移動するときに利用するぐらいが良いでしょう。