中古車の購入は良い車を安く手に入れられる方法なのですが、残念ながら中には悪徳業者が行うぼったくりも横行しています。
しかしぼったくりの手段や対策を知らないままでは、いつのまにかひっかかってしまいますよね。
今回は中古車購入時のぼったくりの手口と、その対策についてご説明します。
中古車購入の時にありがちなぼったくり
中古車購入におけるぼったくりの手口はいくつもあり、手口を知らないままだと気づくのは容易ではありません。
まずは代表的な5つの手口をご紹介します。
手口①:見積もりに不要な経費が入っている
手口の一つ目は車の購入に慣れていない人を陥れる手口で、本来必要でない費用をかさましする方法です。
車の購入には車本体の金額のほかにいろいろな諸経費が必要になります。
その諸経費の中に初心者では分からない形で費用を入れて、細かな見積もり内容の説明をせずに総支払額として請求してきます。
本来、普通車を購入する際の諸経費は次のようなものですべてであり、これ以外の費用は中古車業者が独自に追加したものです。
特に税金関係は車によって金額がしっかりきまっており、それ以外の値段になることはあり得ません。
<税金関係> | 一般的な相場値段 | 備考 |
自動車税 | 29,500円~111,000円 | 排気量に応じて一定額 で決まっている |
自動車取得税 | 0~70,000円 | 値段と年式で 決まっている |
自動車重量税 | 0~75,600円 | 重量によって 決まっている |
自賠責保険料 | 35,950円(2年) | 期間によって一定額 が決まっている |
消費税(8%) | 車の値段で変動 |
<その他費用> | 変動の有無 |
車検費用 | 30,000円~50,000円 |
登録代行費用 (車庫証明、 登録費用等) | 5,000円~10,000円 |
納車費用 | 10,000円~15,000円 |
つまりこれ以外の費用が見積もり書に入っていたり、見積書の金額が異常に大きな場合はぼったくりである可能性があります。
そういう怪しいところを発見したときには相手にしっかり問いただしましょう。
中には「それは必要な費用なんですよ~」などと言って詳しいことを伝えないようにしてくるかもしれませんので、見積もり内容を説明しないような業者は悪徳業者で確定です。
手口②:走行距離が改ざんされて、高い値段で売られている
車には総走行距離を示すオドメーターというものが付いており、車の総走行距離は中古車の値段を決める重要な情報です。
一般的に走行距離の多い車は値段も低くなるので、悪徳業者はメーターの数字を改ざんして、あたかも走行距離が少ない車の様にみせかけてくることがあります。
走行距離が100,000kmを越えた車を30,000kmに改ざんして販売すれば、中古車価格は倍以上になるでしょう。
しかしそこは中古車業者も倍額では販売せず、多少相場以下の値段でお買い得車のように見せかけて売っているはずです。
この手口の巧妙なところは、素人が見ても走行距離の改ざんをなかなか見抜けないことです。
車のオドメーターは車内から見るだけでは改ざんされたかどうかはよくわからず、ほかの手段で判断するしかありません。
走行距離は車検証にも書いてあるのですが、これも改ざんした後で車検を通してしまえばわからなくなってしまいます。
中古車のプロでもなかなか判別が難しい手口ではありますが、のちほどすこしでも発見する方法をいくつかご紹介します。
手口③:走行距離不明で販売されている
手口②と似た手口ですが、こちらは走行距離を改ざんしたうえで、「この車は走行距離不明です」と言ってくる手口です。
走行距離の改ざんによる価格操作を行ったうえで、走行距離不明ということにしておけば不正が発覚しても店側には責任はない、と逃げられるのです。
こういった車の売り込み文句としては、以下のようなもっともらしいことを言いながら、結構高い値段をつけているものです。
[bubble speaker=”” imgurl=”/wp-content/uploads/2017/12/bad-man.png”]走行距離は不明だけど、車の状態を見ると〇〇km程度ですね[/bubble] [bubble speaker=”” imgurl=”/wp-content/uploads/2017/12/bad-man.png”]仕入れた時から不明だったので、少しはお安くしますよ[/bubble]中には本当に仕入れた段階で走行距離不明だった場合もあるかもしれませんが、そもそも走行距離不明の車は買わないのが一番でしょう。
手口④:事故車を問題ない車として販売する
事故などで車の主要部分に大きなダメージを受け、修復された車を「修復歴あり車」「事故車」などと呼びます。
しかし事故車は価格が大幅に下がってしまうため、事故車でないと偽って販売する手口があります。
そういう車は値段を思いっきり下げないと売れないのですが、外観だけをキレイに修復してしまうと素人目には事故車だとわかりません。
そこに付け込んで、事故車を高い値段で売りつけられてしまうのです。
車が主要部分にダメージ受けると、車体が歪んだり、部品が正常に機能しなくなったりと危険な状態になり、たとえ修理したとしてもダメージが残ってしまう場合があります。
知らずに購入してしまうと、後で大きなトラブルを抱え込むことになるでしょう。
手口⑤:手付金詐欺
この手口は中古車を購入しなくてもハマってしまう手口で、中古車の商談中に予約金として支払う手付金と、それのキャンセル料を請求してくる方法です。
気になる中古車が見つかって中古車店に見に行くと、その車が他のお客さんにとられないために「手付金」を支払うことがあります。
手付金は、優先的に商談をおこなうためのお金で、商談がまとまればそれを支払いの一部としたり、また商談がキャンセルされた場合には事前に定められた返金などの手続きが取られます。
しかしぼったくりの手口では、手付金を支払った後で購入をキャンセルすると次の様に言ってきます。
[bubble speaker=”” imgurl=”/wp-content/uploads/2017/12/bad-man.png”]手付金が払われたので購入の意思があると思って整備をすすめてしまった[/bubble] [bubble speaker=”” imgurl=”/wp-content/uploads/2017/12/bad-man.png”]キャンセルするなら整備費用などをキャンセル料として〇〇万円払え![/bubble]これに驚いて言われるままキャンセル料を払ってしまうと、相手は実際になにも作業をしていなくてもお金をだまし取れます。
本来手付金はあくまで商談を進めるための予約金なので、支払っても購入の意思ありとは認められません。
しかしそれを相手に伝えても、今度は手付金が帰ってこなかったり、弁護士を立てるなど脅しをかけてくるかもしれません。
また気を付けなければならないのは、手付金を支払う際に規約があり、キャンセル料を支払うことが正当化されてしまう場合です。
手付金とはいえ契約ですので、安易にサインしてしまうと取り返しのつかないことになりかねません。
そういった場合には、警察や弁護士などに頼るのも一つの手です。
「ぼったくり」にあわないために
ここまでで説明したぼったくりの手口はよく使われるもので、手口の内容をあらかじめ知っていれば対処できることもあります。
この手口①~⑤における対処法と、もっと一般的にぼったくりに合わないための方法をご説明します。
手口①の対処法:見積もりを詳しく精査すること
相手が余計な費用を追加してくるぼったくりには、やはり見積もり内容、支払い内容をしっかり精査することです。
最低限必要な費用は欲しい車が分かった段階である程度計算できますし、税金の金額はしっかり決まっています。
税金以外の費用も相場から大きく外れることはありませんし、それ以外の余分な費用を足されている場合には見積り書に必ず現れます。
中古車を買う際に見積もりは必ず取りますので、内容をよく確認して、不明な点は店側に聴くようにしましょう。
もし相手が説明をはぐらかしたりする場合には、そのお店で買うのはやめましょう。
もし車の購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方も合わせて覚えておくといいですよ。
このやり方を知っているだけで数十万円は違ってきます。詳しく知りたい方は下記のたった1分で車を60万円値引きできる裏技のページをご覧ください。
たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!
手口②の対処法:実際の車の劣化具合で判断する
走行距離を偽装された場合には、メーターの数字や書類だけではなかなか見つけられません。
しかし実際の車としては長い距離を走っているわけですから、あちこちに表れる経年劣化の具合を見て、古い車かどうかを判断することはできます。
経年劣化の具合を見るのには次のような方法がありますが、すべての車で現れるわけではありません。
しかし少しでも見るポイントを知っておけば、「アレ、おかしいな・・・」と気づくこともあるでしょう。
- シートや内装の汚れ、日焼け
- 外装の色あせ
- エンジンからのオイル漏れがひどい
- ホースやドアのゴムが劣化している
手口③の対処法:走行距離不明車は買わない
走行距離不明車の対処法は非常に簡単で、どんなに安い値段であろうと手を出さないことです。
走行距離が偽装されているかどうかは判断しづらいですが、そもそも走行距離がわからない車は買うべきではありません。
車としての信頼性にも欠けますし、もし次に中古車を売るときに走行距離不明だと、査定額が0円ということもありえます。
安物買いの銭失いになってしまわないよう、極力買うのは避けましょう。
手口④の対処法:信頼できる業者で買う
事故車を見分けるのは素人ではなかなか難しく、偽装した事故車を買わないためには信頼できる業者さんで買うのがよいでしょう。
ディーラーに併設されている中古者販売部門や、大手のチェーンの中古車屋など、店としての信頼性が特に必要なお店であれば、故意に事故車を隠して売ったりはしないでしょう。
個人の中古車屋さんが悪いわけではありませんが、できれば付き合いのある車屋さんにその車種を仕入れてもらうほうがよいでしょう。
また中古車には事故車かどうかを判別する手段として、日本自動車鑑定協会の発行する中古車鑑定書があります。
この鑑定書で事故歴の有り無しや故障個所の確認ができ、信頼性のある鑑定書です。
この鑑定書はすべての中古車についているわけではありませんが、鑑定書を導入している中古車屋さんであれば、多少なりとも信頼性があがるでしょう。
手口⑤の対処法:手付金の規約を必ず確認する
手付金でトラブルに合わないためには、手付金の支払に際して規約をしっかり確認することです。
規約でキャンセル料について書かれていたり、そもそも規約がなく口約束だけだと、トラブルの際に反論するのが難しくなります。
もし規約がなくても、必ず返金、キャンセルなどの条件を相手に聞いて、一筆書いてもらうなどなにかに記録しておけば証拠になるでしょう。
手付け金がたいした金額でなくても、後々キャンセル料などで大きなトラブルになりますので、決して相手の言うままに支払ってはいけません。
その他:ぼったくりに合わないために
ここまで代表的な手口と対処法をご説明しましたが、ぼったくりに会わないためにはとにかく「うまい話には裏がある」と思うことです。
中古車を探していて相場より安い車が見つかったとしたら、もしかしたら?と一度疑ってみるのが良いでしょう。
中古車屋も何も理由がなく安売りしたりはしませんので、なにか事情があるはずです。
購入を決めてしまう前に、まずは電話で問い合わせしたり実車をしっかり確認し、その車の事情を把握するようにしましょう。
そして見積書にもしっかり目を通し、決してその場で契約を結ばず、一度落ち着いて判断しましょう。