理想の中古車を見つけた時に、それがずいぶんな遠隔地に置いてあること珍しくありません。
しかしそれが「全国納車可能」となっているなら購入を考えられますが、全国納車のことについては詳しくご存知ありませんよね。
今回は「全国納車可能」となっている中古車についてご説明します。
「全国納車可能」とは?
「全国納車可能」とは、日本全国どこからの購入に対しても納車手続きが可能と言う意味で、
次の2つができなければ手続きはできません。(ただ単に遠隔地から運べるだけでは納車と呼びません。)
- どこの地域への納車でも名義変更手続き可能
- 日本全国に陸送可能
名義変更手続きについて
近隣の中古車屋さんで購入する場合には、中古車屋さんが名義変更手続きを完了させてから納車するのですが、全国納車可能な車の場合は中古車屋さんが遠隔地にあるために名義変更手続きが少々変わるので注意が必要です。
全国納車可能な車での名義変更手続きは次の3パターンがあり、パターン③の場合だと購入者自身で名義変更する必要があります。
①中古車屋が名義変更手続きをする
通常の中古車購入の場合と同じですが、必要書類のやり取りは郵送で行うことになります。
そのためやりとりに少々時間はかかりますが、購入者側の手間は通常と変わりません。
なお手続き自体は中古車屋から依頼された代行業者が行ったり、陸送業者が陸送と同時に手続きをしたりします。
②中古車屋さんが購入者の地域に出張して手続きする
一部の中古車屋さんでは、担当者が出張するところがあります。車の陸送のタイミングに合わせて出張し、購入者の管轄の陸運局に出向いて手続きします。
そのため、出張費用などが別途かかることがあります。なお現地に出向くにしても、書類などは事前に郵送でやり取りすることがほとんどです。
③購入者が名義変更手続きをする
車が陸送された段階で購入者自身で陸運局に出向き、名義変更手続きを行う方法です。名義変更自体は一度覚えてしまえば難しくはありませんが、初めての時はネットなどの情報を集めてからやりましょう。
また必要書類のほとんどは購入者側で揃えられるので、残りの書類は車と一緒に中古車屋から送られてきます。
陸運局は通常平日にしか運営していないので、仕事を休んでいくことになります。
しかし費用的には中古車店さんへの代行費用がかからないので、10,000円程度は安く抑えられるでしょう。
①~③のどの手順になるかは中古車屋さん次第ですので、事前に確認しておきましょう。
車の陸送費用
一般的な陸送費用の相場は次の通りとなっていますが、全国納車可能の場合には1割~2割程度安い陸送費用を設定しているお店もあります。
距離 | 区間の例 | 費用相場 | 日数の目安 |
近距離: 隣県 | 東京–神奈川間 | 20,000円~ 25,000円 | 1日~2日 |
中距離: 300㎞程度 | 東京-名古屋 | 30,000円~ 35,000円 | 4日~5日 |
中長距離: 600㎞程度 | 東京-大阪 | 40,000円~ 50,000円 | |
長距離: 1,000㎞以上 | 東京-鹿児島 | 55,000円~ 60,000円 |
陸送は自宅へでもよいですし、名義変更に必要であれば管轄の陸運局に運び込んでもらうこともできます。
もし車の購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方も合わせて覚えておくといいですよ。
このやり方を知っているだけで数十万円は違ってきます。詳しく知りたい方は下記のたった1分で車を60万円値引きできる裏技のページをご覧ください。
たった1分で車を60万円値引きできる裏技!安く購入する秘密のテクニックとは?!
全国納車可能の車を買う際の注意点
全国納車可能な車は中古車の選択肢が幅広くなるのでメリットは大きいのですが、いくつか注意しなければならないことがあります。
電話やネット、郵送で情報をやり取りしなければならないので、普通に中古車を購入する時以上に神経を払う必要があります。
当然、悪徳業者に狙われるリスクも増えますので、怪しいと思ったらどんなに条件の良い車でも、取引をキャンセルすることも考えましょう。
現車確認ができない
全国納車可能な車は大抵は行き来の難しい遠隔地にあるので、現車確認ができず車の問題点を把握できないまま購入してしまう危険性があります。
当然ネットに上がっている写真での確認や、不足であれば追加の情報を中古車屋さんから送ってもらうことはできますが、どこまでいっても写真でしか確認できない以上リスクは残ります。
全国納車可能な車を買うときにはできるだけ大手の中古車屋チェーンや、初期保証のしっかりしているお店で買うようにしましょう。
保証がなければ納車後に問題点が見つかっても契約完了してしまえば返金等の手続きはできませんし、悪徳業者がそれを狙ってボロボロの車を売ってくることもあるのです。
現車が確認できない以上、怪しいと思うところがあれば積極的に問い合わせを行い、ある程度のリスクは覚悟のうえで取引を進めましょう。
全国納車の場合、余計にかかる費用はどれくらいか
近隣の中古車屋さんで購入する場合と比較すると、一般的に余計にかかる費用は名義変更の代行費用と陸送費用となり、追加費用をトータルすると、5,000円~10,000円+陸送費になります。
名義変更の代行費用は、パターン①の場合だと5,000円~10,000円余計に発生します。
中古車屋さんから依頼された代行業者に払う費用が増えるので、通常の名義変更手数料は10,000円程度ですが、全国納車可能な場合は15,000円~20,000円ぐらいになるでしょう。
またパターン②の場合でも出張費用分が追加されるので、その場合でも5,000円~10,000円程度はかかるでしょう。
陸送費用の相場は前述しましたが、通常は全国納車だからと言って特別高い費用になることはなく、もし相場を大きく外れた陸送費がかかる業者は怪しいと考えた方がよいでしょう。
また時にはキャンペーンなどで全国陸送費用が無料というお店もあります。
この場合は陸送費が無料となることが多いので、どんな遠隔地でも気にせず購入することができます。
重要書類のやり取りは郵送で
全国納車可能な車では、印鑑証明や車庫証明などの重要な書類をやり取りする必要がありますが、やりとりは必ず郵送で行うようにしましょう。
ネットで送れる書類があったとしても、個人情報の記載された書類ですので安易に送るのは危険です。
もし中古車屋さんからそういった要求をされたとしても、拒否して郵送で送るように交渉しましょう。
見積もりやローンの書類にも注意
中古車を買うときには当然ですが、見積書やローンの書類にもしっかり目を通して、怪しいところは問い合わせするようにしてください。
通常の場合と違って相手の顔が見えない状態でのやり取りになりますので、見積もりやローン契約の書類に怪しい点があっても、すぐその場で聞けないわけです。
しかしこの場合では書類のやりとりに数日~数週間かかるのが普通ですので、見積もりやローンの書類の中身をしっかり確認する時間が取れていると考えましょう。
少々面倒でも内容をきちんと把握して、不明点やおかしな点は指摘、改善を求めましょう。
もし相手の反応が芳しくなかったり、契約を急いで勧めてきたりした場合には、怪しいと判断して無理に契約しないようにして、取引をキャンセルすることも必要です。