「リーフを買おうと思ってるんだけど、プロパイロットってどんな機能?」
「車庫入れを自動でやってくれる機能もついているんだよね? 一般道でも使えるの?」
日産・リーフについているプロパイロット。
リーフの購入を考えているなら、どんな機能なのか気になりますよね。
そこで、実際に使ってみた感想を解説します。
高速道路はもちろん、一般道での走行やパーキングもやってみたので、詳しくレビューします。
リーフのプロパイロットとは?
まず、プロパイロットとは、日産が開発した自動運転技術のことです。
道路の車線と先行車の位置をカメラで認識し、車線からはみ出ないようにステアリング操作を自動で行いながら、先行車との距離も一定に保ちつつ走行してくれます。
先行車が停車したのを認識すると、自動的にブレーキをかけて停車。また、走行中に先行車が減速した場合も、それに合わせて自動減速し、一定の車間距離をキープします。
基本的には高速道路で使うための機能ですね。
ちなみにリーフにプロパイロットが搭載されたのは2017年9月のフルモデルチェンジからで、それ以前の旧モデルの中古車を購入する場合はついていないので、注意してください。
リーフのプロパイロットをレビュー
それでは、実際にプロパイロットを使用した感想を解説していきましょう。
使い方はステアリングスイッチを2つ押すだけ
使い方はかんたん。「PILOT」と書いてある青いステアリングスイッチを押すと準備状態に入り、「SET」と書いてあるステアリングスイッチを押せば、自動走行開始です。
この動画ではふつうに高速道路を運転しているように見えますが、「SET」を押してからは私はアクセルもブレーキも踏んでおらず、ハンドル操作もしていません。
速度を80km/hに設定しているので、アクセルを踏まなくても勝手に80km/hをキープしてくれるんです。
動画の00:50あたりで、先行車が左に車線変更するために減速しているのがわかるでしょうか。このとき自車も自動減速して車間距離を保っています。
00:58に映っているメーターを見ると、80km/hより少し遅い76km/h程度になっていますよね。
プロパイロット中でも自分で操作した場合は自分の操作を優先してくれる
プロパイロットでの走行中に運転者が自分で操作しようとすると、車は運転者の操作を優先して動きます。たとえば、
- プロパイロット作動中に自分でアクセルを踏むと、それに従って車は加速する。
- ステアリングはプロパイロット中は自動操作してくれるけど、自分でハンドルを回すとそれに従って曲がる。
- ブレーキを踏んだ場合はプロパイロットが解除され、自分の踏み方に合わせて減速する。
自動運転機能だからといって機械の判断だけで動くことはなく、ちゃんと運転者の判断を優先するのは良い仕様だと思いますね。
とくにブレーキを踏んだときにプロパイロットが解除されるのは、精神的にすごく安心感がありました。
なお乗り心地については以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

速度は5km/h単位、車間距離は3段階で常時変更可能
プロパイロット中の速度は、5km/h単位で自分で調節できます。車間距離も3段階で常時変更可能。
となりの車線から車が急に車線変更してきても、しっかり減速して一定の車間距離を空けてくれました。
手放し運転や居眠り運転はできない
(※この写真は私が試乗しているときに同乗者が後部座席から撮影したものです。握りを甘くしただけであり、手はいつでもしっかりハンドルを握れるような状態です。)
プロパイロット中はハンドルの握りが甘くても、ステアリング操作は自動でやってくれるので車線をはみ出してしまうことはありません。
しかしハンドルの握りを甘くしてから5秒ぐらいすると、写真のように警告が表示され、さらに数秒経過するとより激しく警告されます。
当たり前ですが、やはり手放し運転や居眠り運転はやっちゃいけない作りになっていますね。
あと、たまに「ハンドル支援は一時的に作動できません」というメッセージが表示され、ハンドル操作を自分でやらなきゃいけないタイミングが不定期的にやってきます。
このメッセージが表示される条件は、
- 両側の車線を検出しなくなったとき
- 車速が約50km/h以下で、先行車を検出しなくなったとき
の2パターンです。高速道路を走っていると意外に頻繁にこの条件を満たしてしまうので、やはりプロパイロットを過信せず、あくまで運転支援機能として使いましょう。
一般道では実用的じゃないけど、スピード違反の防止には役立つ
一般道でも使ってみましたが、プロパイロットは赤信号は認識しないらしく、交差点で信号無視しようとしてしまうので、実用的ではありません(もちろん自分でブレーキを踏んで停車しました)。
また前にバイクがいる場合も認識せず、交差点で前に停止しているのにそのまま減速せずに突っ込もうとしていました。一般道ではとても使えないですね。
ただ速度をはっきり「○○km/h」と指定できるので、スピード違反を防ぐには便利です。
自分で運転しているとスピード違反をする意思がなくても、気づかないうちに速度超過していることってよくありますよね。
とくに30km/hや40km/hの道路では気を使いますが、プロパイロットなら設定するだけで勝手に守ってくれます。
こういう使い方をするなら、一般道では便利だと思いますね。
高速道路なら渋滞でも使える
試乗中に渋滞に巻き込まれることはなかったので、実際に試してはいませんが、プロパイロットは自動的に加減速してくれるので、渋滞でもふつうに使えると思います。
車間距離を3段階中もっとも近い設定にしておけば、再加速時に出遅れる心配もないでしょう。一般道ではやはり信号やバイクを認識しないので、渋滞でも空いていても危険です。
楽なようで足がぜんぜん楽じゃない
プロパイロットを使ってみた感想としては、楽なようで少しも楽じゃありませんでした。
高速道路で試したところ、確かにアクセルもブレーキも踏む必要はないですが、かといってすべてを任せっきりにできるほどの安心感はないので、足をつねにペダルが踏める位置に置き、構えてないといけません。
足をこの状態にできれば楽ですが…、
実際はこの状態で構えている必要があります。
つねに構えた体勢をキープするのは、アクセルを踏み続けるよりもはるかにキツく、足首がとても疲れました。
もしリーフを買おうと考えているなら、あわせて正しい値引き交渉のやり方も覚えておくといいですよ。
このやり方を知らないと最大60万円以上も損しますよ。詳しく知りたい方は、下記の『たった1分で車を60万円値引きできる裏技』のページをご覧ください。
リーフのプロパイロットパーキングをレビュー
つづいて、プロパイロットパーキングを使用した感想を解説していきましょう。
使い方はスイッチを押してナビ操作するだけ
こちらも使い方はかんたん。まず、センターコンソールにある「AUTO」と書かれたスイッチを押し、ナビ画面で駐車する位置を選択します。
選択したら「駐車開始」を押し、AUTOと書かれたスイッチを押し続ければ、プロパイロットパーキングが作動。
あとは勝手に駐車してくれるので、運転者はハンドル操作もアクセルもブレーキも踏む必要がありません。
触れてないのにハンドルがぐるんぐるん回る様は、なかなか見てて面白いですね。
プロパイロットパーキングはふつうの駐車のほか、前向き駐車と縦列駐車も可能。前向き駐車すると下の動画のようになります。
今回試したのはふつうの駐車と前向きのみで、縦列駐車を試す機会はありませんでした。
スピードはかなりゆっくりですね。操作し始めてから駐車完了までに1分以上かかります。
白線をまたいで停めてしまうことがあり、実用性は低い
プロパイロットパーキングは、地面の白線の認識が完璧ではないようで、最初のナビ画面で「P」と表示されたところ以外に停めようとすると、白線をまたいで駐車場2台ぶん使って停めてしまうことがあります。
パワーボム(著者)
自分が停めたい位置と車が停めようとしてる位置が一致せず、手動でカーナビ画面を操作して位置を指定することが多かったです。この様子を見ると、縦列駐車をやらせるのはかなり不安を感じますね。
今回試した場所はほかに車が1台もなかったので、もし車がいれば最優先で避けるように作られているとは思うんですが、私が実際に使用したかぎりは不安が残りました。実用性は低い機能だと思います。
リーフのプロパイロットの総評
リーフのプロパイロットを使用した感想をズバリいえば、「自分で運転したほうが楽」。
基本的にあくまで運転支援機能であって、文字通り手放しで任せられるほど万能ではありません。
事前の評判が良かっただけに期待していたんですが、私的にはこの機能はべつにいらないかな、と思います。自分で走って自分で停まったほうが、ずっと楽だし安心ですね。
つねに気を使っていなきゃいけない緊張感は、ふつうに運転するよりむしろプロパイロット使用中のほうが強いです。
パーキングも、かなりゆっくりな上に車線をまたいでしまう不安があり、自分で車庫入れしたほうが早くて楽でした。
ここまで書いてきましたが、なんとなく使ってみたくなる魅力はあるものの、決して楽ができるわけではないので、プロパイロット目当てでリーフを購入するのはやめたほうがいいでしょう。
この記事を読んだことで、プロパイロットに関する疑問が解消されることを願っています。
なおリーフについては以下の記事でも取り上げているので、興味のある方はこちらもあわせて参考にしてみてください。

