スズキ ジムニーは軽自動車のクロスオーバーSUVで、オフロード性が強い珍しい車種です。
今回はジムニーへのチャイルドシート設置についてご紹介します。
ジムニーのチャイルドシートの設置可能場所
スズキ ジムニーは軽自動車の中でもかなり特徴的なコンセプトの車で、小型の車ながら本格的な走破性を持つ車です。
ジムニーは現行モデルで4代目となる車なのですが、初代から現行モデルまでそのコンセプトは変わっていません。
軽自動車という小型でサイズに制限のある車ながらオフロード走行のできる本格的な走破性を持ち、日本だけでなく世界的にもこれだけ小さいオフロードカーは他に例がありません。
その特異さから4代目ジムニーは非常に高い人気を持つ車となり、オフロード走行をしない方でもジムニーが持つ質実剛健なデザインを気に入って購入される方も多いです。
今回はこのジムニーにチャイルドシートを搭載するとどうなるかをご紹介しましょう。
スペック | ジムニー | |
乗車定員 | 4名 | |
全長 | 3,395mm | |
全幅 | 1,475mm | |
全高 | 1,725mm | |
室内長 | 1,770mm | |
室内幅 | 1,300mm | |
室内高 | 1,200mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約900mm | |
奥行き | 約700mm |
まずはジムニーの大まかなサイズ感をご紹介しますが、軽自動車は全体サイズが規格で決められているため全長や全幅は他の軽自動車と同じく規格ギリギリのサイズになります。
全高はSUVらしく結構高いサイズ感であり、大径タイヤの装備によってオフロードの走破性を発揮する地上高を確保しています。
ジムニーは構造的に車体などのフレームと車室のあるキャビンが別になっていることで昔のジムニーは車内が狭いと言われ続けてきましたが、現行ジムニーでは車内スペースも改善が見られており快適性が上がっています。
またジムニーは最近の軽自動車にしては珍しく3ドアハッチバックタイプの車であり、左右のドアは前席の左右のみですのでセカンドシートへの乗り込みは前席シートを倒してから行います。
ではこのジムニーにチャイルドシートを積込む場合の設置場所をご紹介しましょう。
ジムニーのチャイルドシート設置場所
ジムニーではオフロード車ながらチャイルドシートは設置可能でありファミリーカーのような使い方は可能です。
チャイルドシートは乳幼児や幼児など身体の小さな子どもさんを安全に車に乗せるための器具であり、車の通常のシートが子供には大きすぎるためある程度の年齢までは必要となります。
チャイルドシートは車のシートの上に乗せて使う器具であり、安全に運用するためにはシートにしっかりと固定する必要があります。
チャイルドシートの固定には通常3点式シートベルトを活用するものとなっており、簡易的な2点式シートベルトでは安全性が不足するので必ず3点式シートベルトが必要となります。
ジムニーは車内のシート前席に3点式シートベルトが装備されており、運転席を除くと3席にチャイルドシートが設置可能な場所があります。
ただし助手席に関してはどの車でもチャイルドシートの設置は推奨されておらず、助手席が後部座席に比べると正面衝突時の影響が大きいため、最も保護の必要なチャイルドシートには向いていないのです。
そのためジムニーでチャイルドシートを設置可能なのはセカンドシートの2席となっており、どちらも3点式シートベルトがしっかりそなわっているのでチャイルドシートの固定は十分に可能です。
ただし一般的な車と比べると使い勝手に関してはジムニーならではの問題があります。
ジムニーの後部座席への搭載性
ジムニーではチャイルドシートは後部座席に設置できるのですが、チャイルドシート自体の搭載性はかなり独特です。
最近の一般的な車種でもチャイルドシートはセカンドシートなどの後部座席に設置するのが一般的なのですが、チャイルドシートをシートに搭載するときには後部座席の左右ドアから載せることが多いです。
最近の乗用車は多くが4ドアや5ドア、スライドドアなどで後部座席に直接アクセスできるので搭載性が良いのですが、ジムニーはフロント側にしかドアがないため同じようにチャイルドシートが搭載できません。
そのためチャイルドシートを搭載するとなると運転席や助手席側から行わないといけないのですが、通常の状態ではとても載せるのは大変です。
そこで現行ジムニーでは運転席や助手席がシートアレンジでフラットに出来ることを活かして、チャイルドシートの取り付けのときにはフロントシートを可能な限り折り畳んで行う手間がかかります。
もしくはセカンドシートを片側だけ折りたたむことができるためリアのテールゲート側からアクセスするなどの積み込み方もありますが、いずれにしても通常の乗用車よりは作業手順がかかるでしょう。
加えてチャイルドシートに子供さんを乗せる時にも同様の大変さがあり、運転席や助手席を前に倒したり、それでも狭ければ一時的に収納するなどしてアクセスできるスペースを確保しなければなりません。
もともとジムニーはファミリーカーよりも趣味寄りの車なので仕方ない部分はありますが、1台で子育て世代の車として使うのには不便さがどうしても出てくるでしょう。
ジムニーのチャイルドシートの可能台数
ジムニーへのチャイルドシート設置個数はチャイルドシートの固定構造で変わってくるものなのですが、固定構造にはシートベルト固定式とISOFIX式の2種類があります。
この2種類においてジムニーでの状況をご紹介します。
シートベルト固定式のチャイルドシート設置可能台数
シートベルト固定式はチャイルドシートの固定構造としては一番標準的なもので、汎用性もある構造となります。
シートベルト固定式のチャイルドシートは3点式シートベルトで固定する方式で、シートベルトによってチャイルドシートをシートに縛り付けるような形になります。
そのためシートベルトのある座席であれば固定できるので、ジムニーに限らず他の車種で使っていたチャイルドシートをジムニーに持ってきて使うような汎用性もあります。
シートベルト固定式のチャイルドシートは製品としても数多く販売されているので、選択肢も多い形式です。
ジムニーでもチャイルドシートの固定には3点式シートベルトをしっかり活用することができ、オフロードメインの車ながら乗用車としての安全性も十分です。
ジムニーは軽自動車なのでセカンドシートは2名乗車のベンチシートになっていますが、最大まで取り付けるのであれば2つまでチャイルドシートを固定できます。
またジムニーはセカンドシートを左右分割式でシートアレンジが出来るのですが、チャイルドシートを片側に載せた状態でもだいたいシートアレンジができるので色々な使い方もできるでしょう。
シートベルト固定式のチャイルドシートは一応助手席にも設置は可能ですが、前述した安全性の問題があるとともに助手席にチャイルドシートがあると前に折り畳めないため、セカンドシートへのアクセスを考えてもチャイルドシートはセカンドシートに設置しましょう。
ISOFIX式のチャイルドシート設置可能台数
ISOFIX式はチャイルドシート専用の固定規格となっており、シートベルト固定式よりさらに強固に固定できます。
ISOFIX式はチャイルドシートのための専用構造で、チャイルドシート側の金具と車側の金具を合わせることで固定します。
チャイルドシート側からは固定用の足が出ているため、これをシートの奥に設けられた受け口に差し込むことで、頑丈で安全性の高い固定が可能になります。
そのためISOFIX式のチャイルドシートを取り付けるシートには専用の固定構造が設ける必要があるため、車内のシートすべてが対応しているわけではありません。
ですがジムニーではセカンドシートの左右席がISOFIX式に対応したシートになっていますので、ISOFIX式のチャイルドシートも2つまで設置できます。
もちろんどちらか片方がシートベルト固定式のチャイルドシートであっても問題なく取り付けられますので、併用も可能です。
ISOFIX式のチャイルドシートは取り付けの際にシートベルト固定式よりは手間がかかるため、特にジムニーではフロントシートが邪魔にならないようにうまくスペースを確保してから取り付けると良いでしょう。
ジムニーでのチャイルドシートの使用感
ジムニーでのチャイルドシートの使用感などについてはX(twitter)にいろいろな投稿があり、その中からいくつかご紹介します。
JIMNY × AILEBEBE
ジムニーにチャイルドシート
なんとかいけた車買い替えた方がいいかな#ジムニーママ#育児#チャイルドシート pic.twitter.com/P4VG5tNdmV
— かおりん (@mamapage07) August 2, 2021
こちらの方はジムニーにチャイルドシートを積み込んで運用されていますが、結構積み込むのが大変だったようですね。
実際の運用も結構狭いスペースで行わなければならないため、冗談交じりに車を買い換えるとおっしゃってますね。
ジムニーにチャイルドシート載せるもんじゃない pic.twitter.com/PF7Ul4RJ5b
— 紺野おふろ (@shower_suki) January 16, 2023
こちらの方は助手席の後ろにチャイルドシートを積み込んでいらっしゃるのですが、やはり使い勝手は良くないようです。
特にチャイルドシートを積み込むために助手席シートを前にスライドされており、助手席の居住性についても影響が出ているようですね。
ジムニーのおすすめのチャイルドシート
では最後にジムニーに搭載できるチャイルドシートをいくつかご紹介していきます。
スズキ純正 i-Sizeチャイルドシート
スズキにはメーカー純正のチャイルドシートが販売されており、ジムニーにも使えるチャイルドシートとしてi-Sizeチャイルドシートがあります。
i-SizeチャイルドシートはISOFIX固定式のチャイルドシートであり、ジムニーのセカンドシートに取り付けが出来ます。
i-Sizeチャイルドシートは取り付けにベースキットを使うタイプであり、ベースキットの上にチャイルドシート本体の座面が乗って固定されます。
ベースキットにはISOFIX式の固定器具だけでなくセカンドシートの床面まで伸ばすサポートレッグもそなわっており、この併用によってより安定性の高い固定が可能となっています。
またi-Sizeチャイルドシートは0歳児から4歳児ぐらいまで活用できるチャイルドシートで、0歳児では頭部の保護のためにチャイルドシートを後ろ向きにして使います。
もう少し年齢が高くなると通常の前向きにすることで使い分けをすることができ、1台のチャイルドシートで長い期間使えるのも便利な点です。
i-Sizeチャイルドシートはディーラーオプション扱いなのでいつでもスズキのディーラーで購入することができ、チャイルドシート自体の搭載性もしっかり確認されていますので使い勝手の良いチャイルドシートとなります。
コンビ ウィゴーグランデ
チャイルドシートメーカー大手のコンビ製のチャイルドシートとして使い勝手の良いものがウィゴーグランデです。
ウィゴーグランデはシートベルト固定式のチャイルドシートで、ジムニーだけでなく多くの車種で使えます。
ウィゴーグランデは乳幼児から4歳ごろまで使えるチャイルドシートであり、乳幼児向けの後ろ向きの状態と通常の前向き状態を使い分けることができます。
チャイルドシート自体のサイズが全体的にコンパクトなので搭載性はよく、ジムニーの狭いスペースにも収めやすいでしょう。
またウィゴーグランデはチャイルドシートのクッション性がかなり高いチャイルドシートであり、少しゴツゴツした乗り心地のジムニーでも快適な座り心地があります。
年齢に合わせて背もたれの位置などを調整できますし、さまざまな点で利便性の高い機能がそなわっています。
さらにウィゴーグランデには日よけとなる展開式のフードまで取り付けてあるので、子供のためにありがたい装備が揃っています。