三菱 エクリプスクロスは三菱のコンパクトSUVで、スポーティなスタイルが特徴の車です。
今回はそんなエクリプスクロスでの車中泊についてご説明します。
エクリプスクロスの車中泊に向かない点
参考:www.mitsubishi-motors.co.jp
エクリプスクロスは2018年に初めて登場した最新車種の1つで、サイズの小さなコンパクトSUVに属する車種です。
エクリプスという車名は三菱が北米を中心に展開しているスポーツカーの名前で、エクリプスクロスはそのスポーティ性を受け継ぐと言った形で命名された車です。
エクリプスとの間に共通点はありませんが、三菱では以前はラインナップになかったスポーティなフォルムをもつコンパクトSUVとなっており、近年人気なクロスオーバーSUV市場に投入された重要な車種となります。
扱いやすいターボガソリンエンジンに加えて三菱が得意とするディーゼルエンジンも搭載され、力強い動力性能を持っています。
近年車の利用方法の一つとして車中泊という使いかたがあり、これは旅行時に車内で宿泊して一晩を過ごす方法です。
この車中泊では旅行の際にホテルや旅館を取らなくても良いので費用面で旅費を節約できるというメリットがあり、近年特に注目される宿泊方法の一つです。
また車中泊はキャンプ時に利用するとテント代わりに利用できますので、車中泊専用のオートキャンプ場も登場してきています。
そういったメリットのある車中泊ですが、快適な車中泊を過ごすためには車の車内のサイズや構造が重要となります。
エクリプスクロスでの車中泊への対応を見るために、まずは車のサイズを見ていきましょう。
スペック | エクリプスクロス | |
価格 | 2,586,100円〜3,521,100円 | |
乗車定員 | 5名 | |
全長 | 4,405mm | |
全幅 | 1,805mm | |
全高 | 1,685mm | |
室内長 | 1,870mm | |
室内幅 | 1,490mm | |
室内高 | 1,240mm(電動パノラマサンルーフ取り付け車は1,215mm) | |
ラゲッジルーム | 高さ | 760mm |
幅 | 820mm | |
奥行き | 780mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 490mm | |
奥行き | 約900mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 490mm | |
奥行き | 約900mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 1,280mm | |
奥行き | 約800mm | |
3列目寸法 | 高さ | 3列目シートなし |
幅 | ||
奥行き |
エクリプスクロスは車のサイズ的にはコンパクトカーと中型車の中間サイズの車で、カテゴリーとしてはコンパクトクロスオーバーSUVとなります。
車の全長はコンパクトカーサイズの比較的小型なサイズ感ですが、全幅は1,800mmとかなりワイドで安定感のある車です。
また全高は1,685mmと高いサイズとなっていますが、クロスオーバーSUVらしく大型のタイヤを装着したり最低地上高が高くなっていたりするので、意外とキャビンの大きさはコンパクトカーとして標準的なものです。
車内のサイズについてはコンパクトカーとして標準的なサイズ感で、室内長は広々としているわけではないですが必要十分な広さはあります。
また全幅が大きいのでコンパクトカーにしては室内幅は広いのですが、室内高に関してはそこそこゆとりのある室内高を確保できています。
またラゲッジスペースに関しては前後のサイズも高さも結構広めに確保されており、使い勝手は非常に良い車となっています。
このようなサイズを持つエクリプスクロスですが、車中泊に対しては少し微妙であり気になる点の多い車種となります。
そんなエクリプスクロスの車中泊に不向きな点をご紹介しましょう。
車内の寝台のサイズが小さい
参考:www.mitsubishi-motors.co.jp
まずエクリプスクロスの車内で車中泊が難しい点としてその寝台のサイズがあり、車中泊を快適に行うにはちょっと不便です。
車中泊を快適に行うためにはいくつか条件があり、其の中の1つとしてしっかり足を伸ばして寝られるかどうかということがあります。
車の車内というのは車体構造やシート配置、デザインなどで必ずしも自宅の寝台ほどのスペースを確保できるわけではないのですが、近年の車はシートアレンジによってフラットな空間を作り出せるようになっており、エクリプスクロスもシートアレンジはそこそこ優秀です。
しかしフラットになっただけでは快適に寝ることはできず、その上で足を曲げること無くまっすぐ寝られるだけのサイズ感が重要なのです。
寝台として必要な前後サイズはそこに寝る方の身長によって変わってくるのですが、身長170cmぐらいの方を想定すると最低でも1,700mm、窮屈さを感じないためには1,800mm〜1,900mmぐらいはほしいところです。
これに対してエクリプスクロスでは後部座席を収納することでラゲッジスペースとつなげることができるのですが、その寝台の前後サイズは1,400mm〜1,500mm程度となっていてそこまで寝台が広くありません。
このスペースでも車中泊が不可能ではないのですが、背の高い人は足を曲げたりしなくてはならず快適性は下がってしまいます。
またエクリプスクロスの前席を前にスライドすればもう少し広くはなるものの、基本的に寝台にするには前後サイズが不足しているのです。
寝台がフルフラットにならず前側が斜めになる
エクリプスクロスの車中泊の寝台は主に後部座席とラゲッジスペースで形作るのですが、そのサイズも小さめですが形状にも気になる点があります。
車中泊では寝台のサイズは非常に重要ですが、そのほかにも寝台の形状が重要で、自宅の寝台と同じようなフラットな寝台がほしいところです。
ですが車の車内はいろいろな制約で凹凸や段差、シート収納構造の問題で必ずしもフラットになるわけではなく、小さな車ほどこういう傾向は強まります。
ですがシートアレンジでフルフラット化が可能な構造も増えてきており、車中泊に向いている形状の車がふえてきています。
エクリプスクロスでもシートアレンジによってそこそこフラットな空間を後部座席とラゲッジスペースの間で作れるのですが、その形状は車の前側が多少高くなっていて寝台全体が斜めになっています。
これはエクリプスクロスの後部座席を収納する際に背もたれが座面に乗り上げる形であったためで、どうしてもサイズに制限のある中でシートを収納したためこういった形状になっています。
そのままでも車内で寝られないわけではないのですが、快適に寝るためには斜めな形状は結構気になるものです。
室内高が低く窮屈さがある
参考:www.mitsubishi-motors.co.jp
エクリプスクロスは車高が高めのクロスオーバーSUVですが、室内高自体はそこそこのサイズ感でちょっと窮屈さがあります。
エクリプスクロスはSUVらしく全高が高くて力強いフォルムの車なのですが、SUVは大径タイヤであったり悪路走破性確保のために最低地上高を広く取っている関係で、車室であるキャビンの前後サイズはそこまで高く取れません。
全高自体は中型ミニバンなどと同クラスなのですが、室内高に関しては中型セダンやハッチバックカーと同じぐらいです。
それでも車内に座ったときには結構開放感のある頭上空間が確保されているのですが、 車中泊となると少し窮屈感があります。
エクリプスクロスでの車中泊は後部座席とラゲッジスペースをつなげて寝台にするのですが、その際に寝る場所は後部座席の上とラゲッジスペースのなります。
そのため寝台から天井までの距離はスペックよりもせまくなっており、寝られないほどではありませんが不便です。
仰向けで寝るだけなら良いのですが、寝返りをうったり横向きに寝るときなどに問題となります。これを解消するために斜めになっているところをカバーするような段差吸収ボードが必要で、準備が大変にはなるでしょう。
車中泊時の荷室が少ない
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エクリプスクロスは車内のスペースはあまり広いサイズではないのですが、寝台のスペースを確保すると荷室が少なくなってしまうのも問題です。
車中泊ではまずはしっかり寝るための寝台が必要であり、車内のスペース的にも寝台スペース確保が重要視されます。
もちろん寝台のサイズは重要なのですが、見落としがちなのは車中泊のときの荷物の積み込み場所であり、車中泊ではラゲッジスペースも寝台として活用することが多いので代わりのスペースが必要となります。
車中泊は旅行の宿泊手段として使うことが多いので荷物はたくさん積み込んでいることが多いのですが、普通の宿泊手段なら荷物は車に積みっぱなしにできるかわりに車中泊ではそういったことは出来ません。
エクリプスクロスでも寝台を作るのは後部座席とラゲッジスペースとなるので、もともとのラゲッジスペースに積み込んである荷物は別の場所に置かなければなりません。
エクリプスクロスの車内のスペースで他に使えるところは前席シートの部分なのですが、そのスペースはそんなに広くはないのであまり沢山の荷物は積み込めません。
そのためエクリプスクロスでの車中泊では荷物の大きさや量には気をつけなくてはならず、あらかじめどのぐらいの荷物が乗るかを確認しておきましょう。
エクリプスクロスで車中泊をする方法
エクリプスクロスの車中泊では多少気になる部分もありますが、次のような方法で車中泊を行うことはできます。
車内のフルフラット化
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まず最初に行うのは車内に寝台となるフルフラットな寝台をつくることで、シートアレンジの操作から始まります。
エクリプスクロスの寝台は後部座席とラゲッジスペースで形作るのですが、その操作は後部座席のみでできます。
後部座席は座面を前側に倒して収納するのですが、背もたれはシートについている専用のレバーを動かすことで簡単に収納できます。
ほぼワンタッチで収納状態になるので簡単な操作であり、ラゲッジスペースとの間は自動的にボードで埋まるのでこれで寝台は作成できます。
ただこの状態では前述でご説明した通り寝台の前方が斜めになっているので、そのままで不便な時には段差をある程度なくす準備も必要です。
それには寝台の足元側であるラゲッジスペースの部分に段差吸収ボードを敷き詰めたり、自宅にあるクッションや布団を敷いても良いでしょう。
さらに寝台の前後スペースが不足しているときには前席シートを前にスライドするとよいのですが、そのときには前席と後席の間にスペースが開いてしまうので、そこをなにかで埋めなくてはならないでしょう。
とにかくエクリプスクロスの車内はコンパクトSUVなのであまりゆとりがなく、快適に寝るための準備は多いのです。
車中泊アイテムの準備
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次に車中泊を快適に過ごすためにいくつか準備するアイテムがあるのですが、最低限必要なものは2つあります。
まず1つ目は車中泊用のマットで、これは寝台の上に敷き詰めて布団やクッション代わりとするものです。
車中泊で車内に作り出す寝台はシートを折りたたんだりラゲッジスペースを使ったりするのですが、このときにその上面は樹脂製となっていることが多く感触が硬めです。
そのため寝るには少し快適性が下がってしまいますので、しっかり寝るためには柔らかい感触で弾力のある車中泊マットは必要です。
車中泊マットは社外品として様々なものが販売されており、その中からエクリプスクロスの寝台スペースにフィットするものを探しましょう。
もう1つ必要なのは車内の遮光アイテムで、これは車のウインドウを塞いで車内を暗く保つためのものです。
もしウインドウが開いたままだと外から街灯の光や他の車のヘッドライトの光が入ってきてしまい、安眠を妨げてしまいます。
そのためこれを防ぐためにウインドウを遮光カーテンや遮光ボードを装着する必要があり、これも社外品で様々なものがあるのでその中からエクリプスクロスのサイズに合うものを探すと良いでしょう。
こういった車中泊用のアイテムは人気の高さとともにたくさん販売されており、それを組み合わせることで快適な車中泊が過ごせるでしょう。
車中泊の注意点
車中泊ではエクリプスクロスの場合寝台のサイズなどが気になるのですが、その他にも注意点があります。
それは車内の換気をしっかり行うことなのですが、初めて車中泊をするときには防犯などを考えて窓を閉め切った状態で車中泊をしたいと思います。
この状態で一晩を過ごしたりすると朝起きたときに息苦しさを感じたり汗をかいたりしているのですが、これは車の車内の空気を呼吸で消費して二酸化炭素が増えているためです。
密閉度の高い車の車内というスペースで寝ること特有の問題ですが、快適に寝るためには換気を行って空気の入れ替えをしなければなりません。
これに一番簡単な方法は車の窓を少しだけでも空けておくことなのですが、その状態では外から虫が入ってきたり外の音が聞こえやすくなって快適ではありません。
そのため車の装備を活かしてエアコンを活用するのが便利で、エアコンの外気循環モードで空気を入れ替えながら温度管理も出来るのがとても楽なところです。
エアコンの稼働時にはエンジンはアイドリング状態にしておく必要があり、そのときには燃料の残量も気をつけましょう。
なおアイドリング時に急な積雪で排気管が詰まったりすると排気ガスの逆流の問題がありますので、そういったシーンが想定される時には安全のために窓を空けておくことをおすすめします。
エクリプスクロスの車中泊に向いている点
エクリプスクロスは車内スペース的に少し車中泊には不向きなのですが、次のような点は車中泊に便利に使える点となっています。
車内でUSBポートが使用できる
参考:www.mitsubishi-motors.co.jp
エクリプスクロスでは車内でシガーソケットのかわりとしてUSBポートが使用でき、車内である程度の電気製品を使うことができます。
最近の車には車内での電源ポートが豊富に設置できる車種が増えてきており、 従来シガーソケットに機器をつけて給電していたところを一般的なコンセントポートやUSBポートに置き換えられるものがあります。
この電源ポートは車のバッテリーを利用したものなので普通の車ではそんなに能力は大きくはありませんが、一般的な電化製品をそのまま使えるというのは大きなメリットです。またUSBポートがあれば最近増加しているUSB給電式の機器が使え、とても便利なのです。
エクリプスクロスにもこのUSBポートをアクセサリーとして設定でき、車内である程度電気製品を活用できます。
これはもちろん普段でも便利な装備ですが、車中泊の際にはUSB式の照明であったり扇風機であったり、または娯楽製品であったりを使えるので、キャンプよりも楽しみの幅が広がります。またUSB式ならそのまま携帯電話の充電なども出来、装着しておいて損はないでしょう。
なお長時間電源を使用する際にはバッテリーが上がるのを防ぐためにエンジンはアイドリング状態にしておきましょう。
多少の悪路なら立ち入れることができる
エクリプスクロスは乗用車風に使うことが多いSUVなのですが、ある程度の悪路走破性はあるので渓流などに立ち入ってその場で車中泊をするなども出来る車です。
エクリプスクロスはクロスオーバーSUVというタイプの車種で、 悪路走破性が高いクロスカントリーSUVをより都会的なデザインとスペックにした車です。
そのため一般的な道路での走行がメインなのですが、エクリプスクロスのスペックであればそこそこの悪路走破性はあります。
本格的なオフロード走行は厳しいものの、キャンプ場に立ち入るときであったりちょっとした渓流ぐらいであれば立ち入ることはできるでしょう。
この特徴は車の使いかた的に便利なのですが、車中泊としてもSUVらしい使いかたができます。普通のキャンプであっても山奥などには多少入り込めますし、渓流釣りで山道を進んだ先で車中泊で一晩を過ごすことも出来ます。
エクリプスクロスは車内のスペースが微妙な点はあるのでものすごく快適なわけではないものの、宿泊するためにどこかに移動しなくても良いというのはかなり便利な使いかたでしょう。
サンルーフは開放感があっておすすめ
エクリプスクロスにはオプション装備として屋根にウインドウをつけられるサンルーフがあるのですが、車中泊での開放感を上げるためにも使えます。
サンルーフはSUVにはピッタリの装備であり、天井にウインドウを設けることで外の光を取り込んで車内を明るくしてくれます。
また開放感も増やすことができるのでプレミアムなイメージもあり、キャンプやアウトドア用の車にもよく設定されます。このサンルーフを設定しておけば普段だけでなく車中泊のときにも結構便利です。
車中泊の際にサンルーフが設けられていると、ちょうど寝台に寝たときにサンルーフから空を見上げることができます。
車中泊はもちろん夜に寝ることがほとんどなので星空を見上げるのにはサンルーフはぴったりで、なかなかロマンチックな車中泊を過ごすことができるでしょう。
前述のように山の中に車で立ち入ってその場で車中泊をしたりすれば、サンルーフを装着しておくとかなり素敵な空を眺めることができるでしょう。
なおサンルーフにはしっかり遮光するための開閉式ボードも装着されているので、寝るときにはこれを閉めれば車内に光が入ってこないようになります。
エクリプスクロスの車中泊の口コミ・評判
エクリプスクロスでの車中泊についてはtwitterにもいろいろな評判が投稿されていますが、その中から2つご紹介します。
初売り回りついでに、エクリプスクロスみてきたけどちょっと車中泊には使いづらいかな pic.twitter.com/NNr5PcTc5r
— ✯✾_ℴℴ❦❦ (@karimasu_momo) January 2, 2021
こちらの方はエクリプスクロスのお試しにディーラーにいかれたようなのですが、車内のシートアレンジを見られて車中泊は微妙と思われていますね。
シートアレンジを行ってみると後部座席が斜めになってしまってフラットではないので、ちょっと寝づらいように見えるのでしょうね。
全然寝転べないって思ってたけど、案外エクリプスクロスも車中泊はできそう。
でも、安眠はキツいかなw— コペ林@TDFモノノフコペン/BRZ (@masa80_L880K) January 12, 2020
こちらの方はエクリプスクロスを所有されているようで車内で寝て見られたようですが、なんとか寝ることはできたようです。
しかし窮屈さもあるのでやはり安眠には少し厳し目だそうですね。
総評
エクリプスクロスは三菱のコンパクトSUVとしてはスポーティなデザインと実用性を持ち、バランスの取れた扱いやすい車として便利です。
しかし車中泊となると車内スペースが小さめなことから寝台があまり確保できず、コンパクトSUVなので仕方ない点ではありますがそこまで車中泊に向いている車というわけではありません。