スズキ アルトワークスはスズキの軽自動車のスポーツモデルで、昔から熱狂的なファンのいる車でもあります。
今回はこのアルトワークスの後部座席についてご紹介します。
アルトワークスの後部座席の2列目・セカンドシート
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アルトワークスはスズキの軽ハッチバックカーであるアルトをベースとしたスポーツモデルで、軽自動車の中でも特に走りが良いという評価の高い車になります。
ベースとなるアルトは現行車が9代目となるのですが、アルトワークスは現在9代目アルトをベースとしたモデルは存在しておらず、最後のアルトワークスは8代目アルトをベースとしたモデルで現在は中古車のみとなっています。
今回はこの8代目アルトベースのアルトワークスについて後部座席をご紹介しますが、まずは車の大まかなサイズ感からご紹介しましょう。
スペック | アルトワークス | |
乗車定員 | 4名 | |
全長 | 3,395mm | |
全幅 | 1,475mm | |
全高 | 1,500mm | |
室内長 | 1,985mm〜2,040mm | |
室内幅 | 1,255mm | |
室内高 | 1,215mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 760mm |
幅 | 900mm | |
奥行き | 380mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約1,100mm | |
奥行き | 約900mm |
アルトワークスはアルトをベースに車体の強化やエンジンの性能向上、スポーティなエクステリア、インテリアアイテムの追加などを行なったモデルで、基本的な構造はアルトとほぼ同一です。
そのためアルトワークスの全長や全幅、全高などはベースのアルトと同寸法となっており、車内スペースに関してもサイズ的な部分では変化はありません。
そのため車内の居住性に関してはスポーティなアルトワークスで狭くなることはなく、基本的に通常の軽自動車と同じ使い勝手を持っています。
また昔のアルトワークスではベースのアルトが5ドアハッチバックで後部ドアがあるのに対して3ドアになる場合もありましたが、最終モデルのアルトワークスではベースのアルトに合わせた5ドアレイアウトになっています。
ではこのアルトワークスの後部座席について詳しくご紹介しましょう。
アルトワークスの広さ・居住性
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アルトワークスの後部座席は車全体で4名乗車のうち2名が座れるようになっており、スポーツカーといっても普段使いにも十分耐えうる車です。
アルトワークスの後部座席は2名が座れるベンチシート式の座席になっており、シートのデザインも凹凸がないほぼ完全なフラットな座面と背もたれをしています。
このシート自体がベースのアルトからそのまま流用されたものではありますが、近年の軽自動車の後部座席としてみてもかなりシンプルでホールド性の少ない形状です。
一方でベンチシートの左右幅は2名乗車にしては結構広々としたサイズが確保されており、室内幅も大きく取られているので横方向の居住性については意外とゆとりがあります。
昔の2ドア式のアルトワークスと違って後部ドアもありますので後部座席への乗降性も良好で、スポーツモデルだからといって普段使いで後部座席が不便ということはありません。
また軽自動車の後部座席、特にスポーツモデルとなると前後のスペースが狭いというイメージがあると思いますが、最終型のアルトワークスではそういった不便な点もありません。
アルトワークスではベースのアルトが後部座席の前後スペースを広めに確保しているため、後部座席に座ったときの前席シートとの間のニースペースが拳1個〜2個分ぐらいは確保できており、多少大柄の人でも窮屈に感じることなく足を収めることができるでしょう。
一方で後部座席に座ったときの頭上空間については背の高い人は少し窮屈な場合があり、おおよそ拳1個弱ぐらいのスペースは取れるのですが決して広々とはしていません。
なおこのアルトワークス頭上空間のサイズもベースのアルトと同じ状況で先代アルトのときに結構気になっていた方は多く、それが現行モデルのアルトでは全高を高めることで窮屈さを解消しています。
現行アルトから派生したアルトワークスは現在は登場予定はありませんが、もし登場したら後部座席の車内スペースで気になる部分はなくなるでしょう。
アルトワークスの後部座席のチャイルドシート対応
アルトワークスはスポーツモデルではありますが基本的な装備がベースのアルトと一緒ということで、チャイルドシートへの対応もしっかり可能です。
チャイルドシートは子供専用の小型のシートのことで車のシートの上に乗せて利用するのですが、通常のシートは子供の体には大きすぎて安全な保護が出来ないためある程度の年齢まではチャイルドシートの利用が義務付けられています。
チャイルドシートには乳幼児用、幼児用、学童用など年齢や体の大きさにあわせたいろいろな製品がありますが、どのタイプでも搭載場所は事故の際に不安の少ない後部座席になることがほとんどです。
またチャイルドシートの固定にはシートに備え付けのシートベルトを利用して固定するのが標準ですが、近年では「ISOFIX」というチャイルドシート用の固定規格が普及しており、これに対応した車であればシートベルトで固定するよりも確実で安全性の高いことでが可能となります。
アルトワークスはスポーツモデルではありますが後部座席自体がベースのアルトと同じ仕様であり、そのため後部座席の左右席にそれぞれ1つずつISOFIX式の固定構造が用意されています。
また後部座席の背面に「トップテザーアンカー」というチャイルドシート用のストラップ固定先も用意されており、しっかりチャイルドシートを支えることが可能です。
さらに最終型のアルトワークスが5ドアハッチバックになっていることで後部座席へのアクセスが容易になっており、後部座席へのチャイルドシートの積み込みや子供をチャイルドシートに座らせるなどの実用的な作業も楽に可能です。
チャイルドシートの搭載には十分な後部座席のスペースも必要とはなりますが、アルトワークスの後部座席は多くのチャイルドシートを搭載できるだけのスペースはあります。
最終的には各チャイルドシートメーカーが公表している車との対応表を確認する必要がありますが、あまりに大型のものでなければ十分搭載可能となっていることがほとんどです。
また対応表にはスポーツモデルであるアルトワークスが無いことも考えられますが、その際にはそのベースとなったアルトの状況を確認すれば問題ないでしょう。
アルトワークスの座り心地
アルトワークスの後部座席の座り心地は軽自動車としてみても固い感触ですが、スポーツカーとして見ても少し不便です。
アルトワークスの後部座席はベースとなったアルトと同じ仕様ですが、ベース車から後部座席の背もたれや座面の厚みが薄めであり、クッション性が弱いので普段使いであればまだ我慢できるものの長時間の乗車ではかなり疲れやすい座席になっています。
近年の価格の高めな軽自動車では後部座席であっても座り心地の良いものが出てきていますが、ベースであるアルトはコストパフォーマンスを重視した車のため後部座席が簡便な仕様となっています。
それでも後部座席周辺のスペースが広めに確保されているので窮屈さはそこまでありませんが、長時間座るのはできれば避けたいところです。
またアルトワークスとしてスポーツ走行をしたときにもこのフラットな後部座席は問題で、体をほとんどホールドしてくれないので左右に大きく振られてしまって安定して乗っていることができません。
もともとのアルトはスポーツ走行をするような車ではないので問題はなかったのですが、しっかりホールド性のあるセミバケットシートの運転席や助手席と違って後部座席では乗員がしっかり踏ん張って耐えるしか無いでしょう。
そんなアルトワークスの後部座席ですが、安全装備としてヘッドレストはしっかり装備されているのはうれしい点です。
ヘッドレストは普段の走行時には頭を預けるクッション的な役割をするのですが、万が一の事故の際に頭を前後にしっかり支えることでむち打ちを防ぐ効果があり、後部座席であってもヘッドレストの有り無しで大きく安全性が変わってきます。
アルトワークスの後部座席のヘッドレストは小型であまり大きくはありませんが、それでも十分な保護性能はあります。
また上下への調整機能も備わっているので、しっかり位置を調整すると良いでしょう。
アルトワークスの後部座席の装備
アルトワークスの後部座席では全体的にシンプルな周辺装備でまとまっており、基本的には座るだけの座席となっています。
まずアルトワークスの後部座席のシートベルトについて詳しく見ていきますが、シートベルトに関しては後部座席でも3点式シートベルトが装備されています。
3点式シートベルトは腰だけでなく体も支えてくれるので安全性の高いシートベルトになっており、コストパフォーマンスを重視したアルトであっても安全性能はしっかりしています。
シートベルトは座席の左右のピラー部分から出てきているので使い勝手も良好であり、装着性も良好です。
またアルトワークスは後部座席のホールド性が弱いのですが、3点式シートベルトによってある程度体も支えられるので走行時の助けになります。
その他後部座席周辺の装備についてはまず収納が非常に少なく、ベースのアルト同様左右の後部ドアポケットや前席シートバックポケットなどの収納機能がないので小物を入れておく場所はほぼありません。
ドアのハンドル部分にわずかに小さな小物入れがあるものの実用的ではなく、どちらかというと手をかける部分として設けられています。
それでも前席シートの間にあるセンターコンソールの後ろには後部座席用のドリンクホルダーが2箇所備わっており、ここが唯一小物入れとしても実用的に使える場所です。
ドリンクホルダーにしては少しかがんで手を伸ばさないといけないので使い勝手はあまり良くありませんが、装備されているだけありがたいところです。
またアルトワークスの後部座席にはリアセンターアームレストなどもありませんので、近年の軽自動車に装備が増えてきている快適な装備は一切ないと考えて良いでしょう。
アルトワークスのリクライニング・シートアレンジ
アルトワークスの後部座席ではスポーツモデルであってもシートアレンジは利用でき、ラゲッジスペースの使い勝手は悪くありません。
アルトワークスの後部座席ではシート自体の前後スライド機能や背もたれのリクライニング機能などは設けられておらず、後部座席は基本的に固定式となっています。
運転席や助手席はスライド機能やリクライニング機能はあるのですが、後部座席自体のスペースは意外と広いのでそちらを調整しなくても十分座れるスペースになっています。
アルトワークスの後部座席は標準でも背もたれの角度はそこそこ倒してあるので不便はなく、簡易的な座席ながら座りづらいことはありません。
またアルトワークスの後部座席の後ろにはラゲッジスペースがあるのですが、車のサイズに制限のある軽自動車なので標準のラゲッジスペースはそこまで大きくはありません。
ですが後部座席の背もたれを前に倒すシートアレンジを利用することで後部座席とラゲッジスペースをつなげることができ、これによってラゲッジスペースを大きく拡大することが可能です。
アルトワークスは荷物を運ぶのがメインの車ではありませんが、普段使いとしてラゲッジスペースが広く出来るのは実用性が大きく高まります。
なお後部座席の背もたれは左右席が一体で繋がっていますので、シートアレンジの際には後部座席全体を倒して座席としては使えません。
軽自動車でも左右分割式の後部座席でシートアレンジを使える車も増えていますが、アルトワークスではコスト重視からかシンプルな後部座席であり便利な使い分けはできないようになっています。
アルトワークスの後部座席の評価・口コミ
アルトワークスの後部座席についてはtwitterでもいろいろな投稿があるのですが、その中からいくつかご紹介します。
アルトワークスの後部座席、
ちゃんと後部座席してました(語彙力の限界 pic.twitter.com/CV7uj69I1Q— Osushi@( HA36 ・ω・ S )ノ (@osushi5150) September 9, 2018
こちらの方はアルトワークスの後部座席に乗り込んでその状態を確かめていらっしゃいますが、満足に座れるサイズのものであったようで安心していらっしゃいますね。
アルトワークスのような小型のスポーツカーでは後部座席が座れないほど狭いことも珍しくないので、この方のように試しに乗ってみるとその広さに驚くことも多いでしょう。
アルトワークスの後部座席、サスが硬いのも手伝っておおよそ人間扱いされてるとは思えない乗り心地だったので…
— ずが (@zuga_liner) April 1, 2022
こちらの方はアルトワークスの後部座席の乗って実際に走行されたようなのですが、スポーツモデルということでサスペンションなどは固いものとなっておりその影響が後部座席にも出ているようです。
後部座席は特にクッション性が薄いので地面からの突き上げが強く表れており、あまり長時間座っていたくはないものとなっています。
総評
スズキ アルトワークスは軽自動車のスポーツモデルでキビキビとした走りが魅力なのですが、ベースになったアルトの実用性が高いのでスポーツモデルとはいっても普段使いにも十分に耐えうる車です。
後部座席についても広さなどは申し分ないものの、ベース車からコスト重視の設計になっていることで全体的にシンプルな後部座席にはなっており、近年の車と比べてみて座り心地が良いということはありません。
それでもスポーツモデルにしては価格は控えめですし車の素性も良いので、普段使いもある程度出来るスポーツカーとしてはなかなか魅力的な1台になっています。