「レンタカー上がりの中古車が安いって聞いたけど、普通の中古車とどう違うの?」
「安いってことはなんか危なくない?」
中古車購入は大きな買い物。普通と違うんじゃないかと思うと、不安になりますよね。
レンタカー上がりの中古車とはどんな車なのか。ぶっちゃけ普通の中古車と比べて得なのか?損なのか?
例を挙げながら詳しく説明していきます。
新しくて綺麗で安い?レンタカー上がりの中古車とは
まず、そもそもレンタカー上がりの中古車とは、もともとレンタカーとして数年使用されたあと、中古車として売りに出された車のことをいいます。
ただ、これだけではよくわかりませんよね。さらに詳しくレンタカー上がりの中古車の特徴を紹介しましょう。
特にレンタカー上がりの中古車の良いところについて見ていきましょう。
綺麗に保たれている
レンタカーを借りに来る客はみんな、古い車より最新式の綺麗な車を借りたがります。
そのため、1台の車がレンタカーとして使用される期間はとても短く、レンタカー上がりの車は綺麗なことが多いです。
借りたレンタカーの車内にゴミが落ちていた、なんてことがないように、誰かがレンタルした後は従業員が毎回、車内を整理整頓して掃除します。
当然見栄えを良くするために、洗車も頻繁にされるので、汚れはつきにくく、外装は常に綺麗な状態を保っています。
レンタカー上がりは値段が安い
1台の車がレンタカーとして使用される期間が短い、ということは、毎日次から次へといろんなレンタカー店からレンタカーとしての役目を終えた車が、買取業者へと流れていくことになります。
その流通ルートがしっかり確立されていることで、レンタカー上がりの中古車は安く取引され、一般の購入者に売られるときも、安く売られることが多いんです。
つまり、レンタカー上がりの中古車は、経過年数が新しく、まめに洗車され、掃除が行き届いていて、しかも値段が安いということになります。
もちろん安い理由はそれだけではありません。それについてはこの後説明していきます。
普通の中古車とここが違う、大きな4つの違い
今挙げた特徴だけ見ると、中古車を買うならレンタカー上がりが最高な気がしてきますが、実際はどうなんでしょう。
レンタカー上がりと普通の中古車の違いを解説します。
経過年数1年でも、走った距離は3年分
レンタカーを借りる客は大抵、遠出したいときに借ります。10km圏内の近所に行くのにわざわざレンタカーを借りる人はあまりいません。
レンタカーは毎日旅行に出かけているのと同じで、一日で数百キロ走ることもザラです。ということは、同じ経過年数1年でも、普通の車とは走行距離が全然違います。
国土交通省が発表した年間走行距離の一般的な平均は10,575km。ですが、レンタカーの年間走行距離は30,000kmを超えることもあります。1年で一般車の3年分の走行距離です。
※(自動車の使用実態 図表2参照 http://www.mlit.go.jp/jidosha/iinkai/seibi/5th/5-2.pdf)
普通の中古車で経過年数1年で30,000km走っている車は、そうそうあるものではありません。
走行距離が多い中古車は値段が安くなるので、レンタカー上がりが経過年数の割りに安く売られている原因の1つは、この走行距離です。
これから車の購入を考えているなら、値引き交渉の正しいやり方を覚えておくといいですよ。
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自分の車じゃないから汚れても気にしない
普通の中古車の多くは、ワンオーナーといって、過去に所有していた人が1人しかいないものが多いです。
ただ、レンタカー上がりの中古車は、その人数が100人を超えます。100人も200人も乗れば、いろんな可能性が出てきます。
こんな人が車を使っていたかもしれません。
- 車内で飲食してボロボロこぼした人
- ダッシュボードに土足のまま足を乗せた人
- 酔って吐いた人
- 犬や猫を乗せて毛をいっぱい落とした人
- トイレに間に合わなかった人
しかし、大事な自分の車ならあわてて掃除したり片付けたりする人でも、「どうせ今日中に返して一生乗らないし」と思うと、そのまま見なかったことにすることもあります。
毎回返却されるごとに店の人が掃除しているとはいっても、店の人も人間なので、小さな汚れを見逃すこともあり、そのまま気づかずに放置されて、二度と落ちないシミやにおいの原因になってしまうこともあります。
このようにレンタカーの場合、自分の車じゃないから汚れても気にしない人は多いんです。
無茶な運転で痛んでいる可能性がある
レンタカーを借りる人の中には、こすって傷がついても自分の車ほどは気にせず、無茶な運転を試しにやってみる人も多くいます。
さすがに傷やへこみがあったら返すときに店の人が気づきますが、汚れと違って拭けば簡単に落ちるようなものではなく、修理が必要です。
こすった傷程度では修理しても修復歴には残らないので、中古車市場に出回るときは、何回こすったかはわかりません。
中古車を買う側としては、何回もこすったりぶつけたりしたことのある車は選びたくないですよね。
これも車内の汚れと同じく、ワンオーナーの中古車でもありうることですが、1人しか運転していない車より100人以上が運転した車の方が、そういう人間が乗った可能性がグンと上がります。
やってほしくない乗り方をした人がいる可能性が、数百倍。これも、レンタカー上がりの中古車が普通の中古車より安い理由の1つです。
普通の中古車の2倍のメンテナンス頻度
普通、車は12ヶ月に1度の定期点検が義務付けられていて、車検は2年に1回と決まっています。
しかし、レンタカーとして使用している車の定期点検は、6ヶ月に1度。そして、車検は1年に1度です。
つまり、レンタカー上がりの中古車は、普通の中古車の2倍の頻度でメンテナンスされてきた車、ということになります。
普段酷使されているぶん、なるべく多く整備、点検することで、安全な状態を保っているんですね。
6ヶ月 | 1年 | 1年6ヶ月 | 2年 | |
普通の中古車 | (任意点検) | 定期点検 | (任意点検) | 車検 |
レンタカー | 定期点検 | 車検 | 定期点検 | 車検 |
世の中の一般的な車所有者の中には、定期点検は受けずに、2年に1度の車検だけ通す、という人も多くいます。
定期的な点検を受けて、早期発見で部品の一部を交換していれば大事にならずに済んだのに、長期間放っておいたことであちこちにガタが来て、部品を全て交換しなければいけなくなる、ということが起こります。
ある意味、レンタカーとはまた違った酷使の仕方です。そんな乗り方をしたあとで売りに出された車も、中古車市場に出回っています。
その点、レンタカーは6ヶ月に1度は点検されているので、どこか悪いところがあってもすぐに対処されて、きちんと走れる状態を常にキープしています。
総合的に見て、あまりおすすめできない
ここからは私の個人的な意見です。ズバリ、レンタカー上がりの中古車はあまりおすすめできません。
まず、レンタカー上がりの中古車は、「乗れればいい」という考え方で、義務付けられている最低限の整備で済ませているレンタカー屋もあり、100%信用はできません。
普通の中古車でも、6ヶ月に1度の任意点検に出して、レンタカーと同じ頻度でメンテナンスして大事に乗っていたオーナーもいますから、そういう中古車に出会えればそちらの方が安心です。
で、一番ネックなのは、100人以上の人が運転したという点ですね。「自分の車じゃないからどうでもいいや」という考え方の人が何をしたかわからない、という車を買うのは正直怖いです。
すぐに買い換える予定で買うならいいですが、せっかく車を買うなら長く乗りたいわけで、少しでも不安材料のある車を買うのは気持ちが悪いものです。
ですので、個人的には、多少安くてもレンタカー上がりの中古車はあまり買いたくはないかな、と思います。
ただ「絶対買うな!」というわけではなく、この記事で挙げたデメリットが気にならなければ、購入はもちろんありですよ。この記事を参考にして、検討してみてくださいね。