ポルシェ パナメーラはポルシェの高級大型セダンで、スポーツカーを得意とするポルシェが本格的に取り組んだラグジュアリーカーです。
今回はこのパナメーラの後部座席について見ていきます。
パナメーラの後部座席の2列目・セカンドシート
ポルシェ パナメーラはポルシェが手がけたラグジュアリーカーということでいわゆる高級セダンではなく、走りも磨かれたスポーティなファストバックスタイルのセダンになっています。
現行パナメーラは2代目となっており、日本にも正規輸入されているモデルです。なおパナメーラには派生モデルとしてステーションワゴンタイプの「スポーツツーリスモ」も追加されており、今回はこちらも一緒にご紹介します.
では今回はこのパナメーラの後部座席について詳しく見ていきますが、パナメーラおよびパナメーラ スポーツツーリスモの大まかなサイズ感をご紹介します。
スペック | パナメーラ | パナメーラ スポーツツーリスモ | |
乗車定員 | 4名 | 4名 or 5名 | |
全長 | 5,049mm | 5,049mm | |
全幅 | 1,937mm | 1,937mm | |
全高 | 1,423mm | 1,432mm | |
室内長 | 約2,100mm | 約2,100mm | |
室内幅 | 約1,400mm | 約1,400mm | |
室内高 | 約1,000mm | 約1,000mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 約400mm | 約800mm |
幅 | 約900mm | 約900mm | |
奥行き | 約1,000mm | 約1,000mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,000mm | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | 約900mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,000mm | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm | 約1,000mm |
幅 | 約500mm×2 | 約500mm×2 | |
奥行き | 約1,100mm | 約1,100mm |
パナメーラは非常に大きなボディを持つ車で、全長は5,000mm以上、全幅も2,000mm弱と国産車の最大級の車と同クラスとなります。
一方で全高がかなり低めに設定されており、ポルシェらしいスポーツカーのフォルムと実際の空力性能の良さを持っており、ラグジュアリーカーながらスポーツカーとしての性能もしっかり盛り込まれています。
またステーションワゴンであるパナメーラ スポーツツーリスモはボディデザインがセダンからハッチバックに変わっているのですが、全長や全幅は同一サイズで全高のみわずかに高くなっている程度のサイズの違いとなっています。
車内スペースについても基本的にはパナメーラとパナメーラ スポーツツーリスモは同一であり、広々とした車内スペースを持ちながらその後部のトランクルームおよびラゲッジスペースも大きなサイズであり、長い全長をしっかり活かしたゆとりのある車内スペースが魅力となっています。
なおステーションワゴンになったパナメーラ スポーツツーリスモはセダンのようにトランクルームではなくなったので、後部座席のすぐ後ろがリアウインドウではなくラゲッジスペースの空間があるので、同一サイズの車ではありますが車内の見た目の広さはスポーツツーリスモのほうが解放感があります。
ではパナメーラおよびパナメーラ スポーツツーリスモの後部座席を詳しく見ていきましょう。
パナメーラの広さ・居住性
パナメーラはその大きなボディで得られた車内スペースを非常に贅沢に使用しており、乗車人数は4名で後部座席には2名のみ乗車となります。
一方でステーションワゴンタイプのパナメーラ スポーツツーリスモは標準仕様で5人乗り、後部座席に3人掛けとなりますが、オプション装備でパナメーラ同様の2名乗車仕様にもなります。
パナメーラは正真正銘のラグジュアリーカーであり、スポーツカーのようなフォルムながら後部座席の居住性は高級車の快適さがしっかり備わっています。
まずパナメーラの後部座席は左右独立式の座席となっており、それぞれの座席が高級ソファーのような体を包み込む質感の高いシートになっています。
1席あたりの横幅もしっかりと確保されていますしそもそも室内幅が広々としていることもあって、後部座席に2人で乗り込んだとしても全く窮屈感を感じず座ることができます。
車高が低く室内高も低い車なので多少座面の腰の部分が低い沈み込むようなシートポジションにはなりますが、シート自体のクッション性が高いので快適性も十分です。
また後部座席に座ったときの足下空間も結構広く、ミニバンのような圧倒的な広さではないものの前席シートとの間にニースペースが拳2個分ぐらいは取れますので、どっしり座って多少足を伸ばしたような体勢でくつろげます。
パナメーラの後部座席は左右席の間にもセンターコンソールがあって分割されているので、どのような体勢になっても隣の人に迷惑をかけることもありません。
一方でパナメーラは室内高が標準的なセダンクラスのサイズなので後部座席に座ったときの頭上空間は拳1個分ぐらいとはなりますが、室内の前後スペースが広いので視界が開けておりそこまで窮屈感はないでしょう。
なおパナメーラ スポーツツーリスモは多少全高は上がっていますが室内サイズは変わっておらず、頭上空間もほぼ同一です。
しかしハッチバックタイプとなったことで後部座席の頭上周りの空間が広がっているので、サイズ感以上に解放感を感じられる座席になっています。
唯一後部座席で違いがあるのがパナメーラにはないパナメーラ スポーツツーリスモの後部座席のセンター席ですが、左右席に比べると座面や背もたれの面積は狭めで補助座席的な役割が強いシートとなります。
加えてドライブシャフトなどが床下にあることからセンタートンネル自体は残っているので、足をそこにまたぐようにして乗らなければならないのもちょっと不便です。
それでも十分な座り心地の良さはありますし、足下空間の広さなどは十分なので普段使いであればそこまで疲れやすいこともないでしょう。
なおパナメーラは後部ドアのあるファストバックセダンもしくは5ドアステーションワゴンなので、後部座席の乗り込みには左右の後部ドアを活用します。
ただパナメーラの後部座席は左右席がセンターで分割されていて左右の移乗ができませんので、お客さんなどを乗せるときにはそのあたりも考慮すると良いでしょう。
後部ドア自体は開口部も広いですしパナメーラの低い床面の位置から乗り込みも楽なので、乗降性は優秀です。
パナメーラの後部座席のチャイルドシート対応
パナメーラはその利便性の高さや積載性の高さでスポーツカーのポルシェの中でもファミリーカーに結構適している車種です。
そんなパナメーラを子育て世代で利用するときにはチャイルドシートが必須となりますが、チャイルドシートへの適応性はどうなのかをご紹介します。
チャイルドシートは子供専用の小型のシートとなっており、ある程度の年齢までは利用が義務付けられています。
車の通常のシートは子供の小さな体には大きすぎて安全に保護できないため、チャイルドシートを車に載せないと万が一の際に非常にリスキーとなります。
チャイルドシートには乳幼児用や幼児用、学童用などがありますが、その取り付け場所は後部座席が多く事故の際により安全性の高い場所としています。
またチャイルドシートの固定にはシートベルトを利用するのが一般的ですが、最近では「ISOFIX」と呼ばれるチャイルドシート専用の固定規格が制定されており、これに対応した車とチャイルドシートであれば確実で安全性の高い固定が可能となります。
パナメーラは一見するとシートにそういった設備が無いようにも見えるのですが、後部座席の左右席にそれぞれ1組ずつISOFIX式の固定機構がしっかり備わっています。
また後部座席の背面にも「トップテザーアンカー」と呼ばれるチャイルドシートの上側を支えるフックがあり、ISOFIXと併用することでより確実な固定が可能です。
なおパナメーラはセダン系の車種ではありますがファストバックスタイルなので後部座席とラゲッジスペースは繋がっており、後部座席背面にあるトップテザーアンカーは自然に利用できます。またこの点はパナメーラ スポーツツーリスモでも使い勝手は同一です。
またチャイルドシートの搭載にはある程度の後部座席のスペースが必要なのですが、パナメーラであれば後部座席が広々としているので大きなチャイルドシートでも取り付けできる場合が多いです。
ですが国内のチャイルドシートメーカーはさまざまな車種に適応できるかどうかを確認した適応表を公表しているのですが、パナメーラはあまり一般的な車種ではないのでメーカーによっては適応表に含まれていないこともあります。
その場合には出来るだけ事前に搭載性を実物で確認したほうがよく、高級車で車内をより大事にしたい車なので余計な問題がないようにしたほうが懸命です。
パナメーラの座り心地
パナメーラの後部座席の座り心地は高級車らしい質感の高いシートになっており、非常に快適な後部座席です。
パナメーラの後部座席のシートはまさに高級ソファーのような質感の高さを有しており、柔らかいながらも体をしっかり支えてくれるクッション性やシート表皮の豪華さなど満足感は十分すぎるほどです。
パナメーラはスポーツカーライクなデザインを持っていますがその乗り心地や静粛性はまさにラグジュアリーカーであり、ゆったりと体を包み込んでくれる後部座席は長時間座っていても快適です。
パナメーラはスポーティな走りも魅力なのでドライブする車としても素晴らしい車ですが、後部座席の快適さを味わうと後部座席に乗りたくなります。
なお後部座席の仕様についてはパナメーラとパナメーラ スポーツツーリスモは左右席は同様ですが、スポーツツーリスモはセンター席がある仕様が標準で、こちらはシート自体がフラットなので多少身体が横に振られやすく、また背もたれ部分にアームレストが収納されている関係で硬めであり左右席と比べると少し疲れやすいシートになっています。
またパナメーラの後部座席には非常に大型のヘッドレストが装着されており、事故の際の保護性能が非常に高いです。
ヘッドレストは走行中には頭を預けるクッション部分となっていますが、万が一の事故の際にはヘッドレストで頭をしっかり支えることで首を保護し、むち打ちを防いでくれる重要な安全装備となっています。
一般的な車種ではヘッドレストは長方形の頭のみを支えるような形状ですが、パナメーラの後部座席の左右席には頭から肩にかけて広範囲を保護できる大型ヘッドレストが装備されており、保護性能もかなり安全なものとなっています。
左右席のヘッドレストは上下への調整機能はないものの、調整しなくても天井付近までヘッドレストがあるのでどんな身長の方でもしっかり保護されています。
ただしパナメーラ スポーツツーリスモのセンター席にもヘッドレストはあるものの、こちらは小型で上下に調整して使うタイプのものなので、左右席に比べるとやはり補助座席的な役割となっています。
パナメーラの後部座席の装備
パナメーラは後部座席周りに様々な装備が充実しており、後部座席で快適にくつろげるインテリアも魅力です。
まずパナメーラの後部座席のシートベルトについて見ていきますが、シートベルトは後部座席全てに3点式シートベルトが装備されているので安全です。
3点式シートベルトは身体と腰を支えるタイプでホールド性も高く、事故の際の安全性の高さや走行中の安定性があります。
左右席のシートベルトは後部座席の少し後ろから出ているので少し手を伸ばさないと引き出せない位置にありますが、使い勝手が悪いわけではないので不便なことはないでしょう。
またパナメーラ スポーツツーリスモのセンター席も3点式シートベルトですが、こちらは座席のすぐ脇にシートベルトがかかっているので操作性は良好です。
パナメーラの後部座席の装備としてはまず一番目を引くのがセンターコンソールで、後部座席の左右席を隔てるように車の前から後ろに大型のコンソールが装着されます。
このセンターコンソールには後部座席用のエアコンダクトやエアコンコントロールパネルがありますが、グレードによってはカーナビなどのタッチパネル式のコンソール、シートヒーターなど各種スイッチがまとまっていて、このセンターコンソールで必要な操作は全て可能です。
またセンターコンソールの後ろには展開式のリアセンターアームレストや展開式のドリンクホルダーなどが設けられており、またエアコンダクトは後部座席脇のピラー部分にもありますので、後部座席をしっかり快適な温度に調整してくれます。
さらに左右のドアにはドアポケットも備わっていますし、目立たないながらも容量の大きな前席シートバックポケットもありますので、小物入れも十分な数が備わっています。
左右の後部ドアには大型の高音質スピーカーも装備されていて、後部座席に必要な装備は一通り揃っています。
なおパナメーラ スポーツツーリスモでは5人乗りモデルでセンターコンソールの仕様が変わり、左右を隔てていた部分が無くなって座席となります。
そして足の前辺りに専用のエアコンダクトやコントロールパネルが並んでおり、5人乗りモデルでもパナメーラ同様の快適さは保たれています。
パナメーラのリクライニング・シートアレンジ
パナメーラの後部座席には高級車では珍しくしっかりしたシートアレンジ機能が備わっており、ラゲッジスペースの使い勝手が一層向上します。
パナメーラでは後部座席において座席の前後スライド機能やリクライニング機能は備わっておらず、高級ラグジュアリーカーとしては少し残念な部分ではあります。
同クラス、同価格帯のラグジュアリーカーではセダン系の車種であってもスライドやリクライニング機能があって快適な位置や角度に調製できる車種が増えてきているのですが、パナメーラはスポーツカーということもあって固定式のようです。
それでも後部座席の左右席は腰を落として安心して座れるポジションとなっていますし、背もたれの角度も体をしっかり支えてくれる安定感のある角度なので、ひとまず不便なことはないでしょう。
一方でこの後部座席はシートの背もたれを前側に倒すことでシートアレンジを利用することができ、後部座席の後ろにあるラゲッジスペースを拡大することができます。
パナメーラおよびパナメーラ スポーツツーリスモのラゲッジスペースは標準サイズでもかなりの容量があるのですが、より長い荷物を積み込むときなどにはシートアレンジが活用できるようになっており、ラグジュアリーカーではありますが高い実用性も兼ね備えています。
後部座席は左右とセンターそれぞれで独立して倒せる4:2:4分割方式なので、例えばセンター部分のみ倒して長い荷物を載せながら、左右席にしっかり座るといった使い方もできます。
またシートアレンジで倒したときには上面がほぼ完全なフルフラットになりますので積載の際に便利であり、自転車などの大きな荷物も積み込みやすいです。
またパナメーラ スポーツツーリスモではセンター席が座席にもなるため、荷物の大きさに応じて左右席どちらかを倒して残りの2席に座るなどのフレキシブルな活用法も可能です。
パナメーラクラスのラグジュアリーカーではシートの質感を優先してシートアレンジはない車種が多いのですが、パナメーラではこの2つをしっかり両立させてあるのは実用面で魅力的です。
パナメーラの後部座席の評価・口コミ
パナメーラの後部座席についてはtwitterでもいろいろな投稿があり、その中からいくつかご紹介します。
パナメーラの後部座席なかなか広くて好印象。でも快適すぎてSクラスみたいだったw pic.twitter.com/nZtgAjXh1Z
— Ikko Nishimura (@ashcr) February 29, 2020
この方はどなたかが運転するパナメーラの後部座席に座ってドライブされていますが、その広さは気に入られたようです。
しかもかなり快適だったようで、メルセデス・ベンツ Sクラスのような快適さということです。
そういえばパナメーラの後部座席のタッチパネルはオプションなのかな?YouTubeとか見てても付いてない車両が多いみたい。 pic.twitter.com/yW1EEllJl3
— ℝ (@992GT3LHDMT) February 12, 2022
こちらの方はパナメーラの試乗か何かをされているようですが、後部座席のセンターコンソールに注目されています。
センターコンソールに関してはグレードや仕様でいくつか仕様がありタッチパネルは上級仕様となりますが、その操作性を見てみると欲しくなる装備ですね。
総評
ポルシェ パナメーラはポルシェらしいスポーツカーとラグジュアリーカーが融合した車で、その走りはまさにスポーツカーの速さを持っています。
一方で車内の豪華さや質感の高さはまさに高級車というクオリティも備わっており、後部座席は高級インテリアのような快適さです。
それに加えてファストバックセダンやステーションワゴンタイプの実用性も備えており、ファミリーカーとしても十分活用できる車です。
もちろん価格は最上級の高級車ということでかなり高額ですが、手に入れられたときの満足感は非常に高いものとなるでしょう。