スズキ アルトはスズキの軽自動車で、もっともベーシックなコストパフォーマンスを重視した車です。
今回はこのアルトの後部座席について見ていきます。
アルトの後部座席の2列目・セカンドシート
スズキ アルトは軽自動車の5ドアハッチバックカーで、スズキのラインナップの中で最も廉価なベーシックモデルとなっています。
アルトは2021年に9代目にフルモデルチェンジを行なっており、今回はこの現行アルトの後部座席を見ていきます。
ではまずはあるとの大まかなサイズからご紹介します。
スペック | アルト | |
乗車定員 | 4名 | |
全長 | 3,395mm | |
全幅 | 1,475mm | |
全高 | 1,525mm | |
室内長 | 1,960mm〜2,015mm(アップグレードパッケージ装着車) | |
室内幅 | 1,280mm | |
室内高 | 1,260mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 710mm |
幅 | 905mm | |
奥行き | 425mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約1,100mm | |
奥行き | 約900mm |
アルトは軽自動車の中でも最も小型でコストパフォーマンスを重視した車として設計されており、近年の軽自動車は車高の高い車が多い中で1,500mm前後に抑えられています。
ですが先代アルトと比べると多少車高は高くなっており、そのおかげで車内スペースの上下スペースが広くなっています。
全長や全幅は軽自動車全般と同じの規格ギリギリのサイズですが、車内の室内長や室内幅も先代よりわずかに大きくなっていて、車の全体のデザインがよりスクエアデザインとなったことで居住性は高まっています。
ではこのアルトの後部座席をご紹介します。
アルトの広さ・居住性
アルトは軽自動車としてベーシックな車で、乗車人数も軽自動車規格で決まった4名となっています。
アルトの後部座席には4名のうち2名が座れるようになっており、後部座席はフラットなデザインのベンチシートとなっています。
アルトは5ドアハッチバックカーなので後部座席への乗り込みは後部ドアから行えるのですが、現行アルトはドアの開閉角度がほぼ90°ぐらいまで大きく開くので軽自動車と言っても乗降性はかなり良くなっています。
またベンチシートはまさにベンチのような背もたれも座面もフラットなデザインですが、1,100mmぐらいの横幅に2名乗車なので意外とフル乗車でも横方向のゆとりはあり、方がぶつからないぐらいで座れるので窮屈ということはありません。
また後部座席に座ったときの前席シートとの間のスペースもおおよそニースペースで拳2個分ぐらいは確保でき、ベーシックな軽自動車として見ても昔の車からは考えられないほど広々とゆとりを感じられる後部座席に仕上がっています。
現行アルトで車高が高くなったことで室内高も広くなっており、後部座席に座ったときの頭上空間も拳1個分ぐらいは確保できていてかなり楽に座れる後部座席になっています。
以前のアルトというと全体的に狭めの車内スペースでトールワゴン系の車種に比べると窮屈さがあったのですが、現行アルトではもはやそういった不満はほとんど感じなくて済むでしょう。
なおアルトの室内長は1,960mmもしくは2,015mmとなっており、その差は「アップグレードパッケージ」装着の有無となっています。
このパッケージにはさまざまなオプション装備が含まれるのですが、その中でベーシックモデルは後部座席のヘッドレストが装着されず1,960mmとなっており、アップグレードパッケージもしくはヘッドレスト標準装備の車種が2,015mmとなっています。
ヘッドレストのないモデルはアルトの中でも廉価版のグレードであり、以前のアルトに設定されていた商用車グレードに近い扱いのグレードとなっています。
アルトの後部座席のチャイルドシート対応
アルトはその経済性から子育て世代の車としても活用される車ですが、子育て世代に対してはチャイルドシートの装着性が気になるところです。
チャイルドシートは子供専用の小型のシートで車の座席の上に乗せて使うもので、通常のシートでは子供の小さな体を安全に保護出来ないためチャイルドシートはある程度の年齢まで必要となります。
チャイルドシートには乳幼児用や幼児用、学童用などさまざまな年齢にあわせた製品があり、搭載場所としては事故の際により安全性の高い後部座席となることがほとんどです。
またチャイルドシートの固定にはシートベルトを利用するのが一般的なのですが、最近では「ISOFIX」というチャイルドシートの固定規格が制定されており、これに対応した車とチャイルドシートであればより確実な固定ができます。
アルトにも後部座席にこのISOFIX式の固定器具が設定されており、ベンチシートの左右にそれぞれ1組ずつ装備されているので後部座席をすべてチャイルドシート用のスペースとして使うことも出来ます。
また後部座席の背面にもチャイルドシートの上側を固定する「トップテザーアンカー」が設定されており、ISOFIXと併用することでかなり安全性の高い固定が可能となっています。
ISOFIXなどの固定器具は廉価版グレードから上級グレードまで全てに標準装備されており、ヘッドレストの有無にかかわらずチャイルドシート固定は可能です。
なおチャイルドシートの搭載にはある程度の後部座席のスペースが必要ですが、現行アルトのゆとりのある後部座席スペースであれば多くのチャイルドシートを搭載することができるでしょう。
またスズキにはメーカー純正のチャイルドシートというものも販売されており、あらかじめ搭載性が確認されている製品もあるので安心です。
アルトの座り心地
アルトの後部座席は座り心地としては固い感触のものになっており、長時間の乗車はさすがに辛いシートになっています。
アルトの後部座席は現行モデルでは全体的なスペースこそ広々としているものの、後部座席のシート自体はフラットなでザインのベンチシートであり、走行中などにはほとんど体をホールドする機能がありません。
また後部座席の背もたれや座面の厚みも全体的に薄めなため、感触が固くて短時間の乗車ならともかく長距離走行時に長時間座っているとかなり疲れやすい座席になっています。
近年の軽自動車は後部座席のクオリティも高くなってきているのですが、アルトはあくまでスズキの最廉価モデルとして全仕様がこのベンチシートになっているのでコストパフォーマンス重視の点がこの後部座席に現れています。
そのためアルトの後部座席はあくまで普段の買物や送り迎えに使うのがメインであり、旅行などをするときにはもう少しゆとりのある車のほうが良いでしょう。
またアルトにはグレードによってヘッドレストの有り無しがあるのですが、ヘッドレスト自体は重要な安全装備なのでできるだけ装着しておきたいものです。
ヘッドレストは普段の走行時には頭を預けるクッションですが、万が一の事故の際に頭をしっかり支えることで首を保護してむち打ちを防ぐための安全装備でもあり、近年の車ではかなり重要視される装備となります。
アルトも上級グレードやハイブリッドモデル、または「アップグレードパッケージ」を装着することでほとんどのグレードでヘッドレストは装着できるので、後部座席に人を乗せる可能性が少しでもある方はヘッドレストをしっかり装着しておくことをおすすめします。
なおヘッドレストレスにする用途としては、例えば商用車としてコストパフォーマンス重視で購入する場合などですが、それでも他の商用車のようにヘッドレストが絶対装着できないわけではないのでぜひ採用を考えても良いでしょう。
アルトの後部座席の装備
アルトの後部座席では装備が非常にシンプルなものに留まっており、最低限の装備はあるという感じです。
まずアルトの後部座席のシートベルトについて見ていきますが、シートベルトについては安全性の高い3点式シートベルトが後部座席にも設けられており、軽自動車の後部座席としては満点でしょう。
昔のアルトなどでは後部座席は腰だけを支える2点式シートベルトの仕様などもありましたが、現行アルトでは最廉価グレードから全車で3点式シートベルトの装備となっているので、事故の際の安全性だけでなく走行中の体のホールド性を高める点でもメリットの多い装備となっています。
後部座席のシートベルトは座席のすぐ脇のピラー部分から伸びていますので、装着性も標準的で誰でも操作できて便利です。
一方でその他の後部座席周りの装備は非常に簡素であり、特に収納関係がほとんどありません。
最近の軽自動車では限られた車内スペースの中でも使いやすい収納としてドアポケットやシートバックポケット、アームレスト内収納などを設ける車もあるのですが、アルトにはこういった収納は一切装備されていません。
僅かにあるのは左右のドアのハンドル部分に設けられた小型のポケットで、本当にちょっとした物を収めるだけとはなりますが、その代わりにドアが薄く出来ているので後部座席の左右が広めになっているわけです。
またアルトの前席シートの間にはコンソールトレイがあるのですが、その後方に後部座席用のドリンクホルダーが2箇所は設けられており、後部座席から少し手を伸ばせばこれを活用できます。
またアルトの後部座席にはアームレストなどもないのでしっかり活用できる装備はドリンクホルダーのみであり、シートヒーターなども装備できる前席シートの充実さに比べると少し残念な部分はあります。
アルトのリクライニング・シートアレンジ
アルトの後部座席ではシートは固定式となっていますが、シートアレンジは利用できるようになっておりラゲッジスペースの拡大ができます。
アルトの後部座席は機能が非常に限定的なベンチシート式の座席になっており、後部座席全体の前後スライド機能や背もたれのリクライニング機能は備わっていません。
一応運転席や助手席にはこれらの機能があるので、後部座席が狭すぎるときには運転席や助手席を動かすことでバランスを取ることができます。
しかし現行アルトは標準的な後部座席のスペースが広めに確保されていますので、よほど体の大きな人が乗らない限りは固定式の後部座席でも不便なことはないでしょう。
アルトは後部座席の後ろにラゲッジスペースが広がっており、ラゲッジスペースの広さも先代アルトに比べると奥行きが広がって使いやすくはなっています。
しかしそれでも軽自動車なので大きな荷物や長い荷物を積み込むにはどうしてもスペースが不足するのですが、そういった際に後部座席の背もたれを前に倒すシートアレンジを使うことでラゲッジスペースを後部座席の部分まで伸ばすことができます。
そうすればかなり大きな荷物まで積み込むことも可能で、シートアレンジを行うとほぼフルフラットになって使い勝手が良好です。
ただアルトの後部座席は背もたれが左右分割式ではなく一体構造となっているため、シートアレンジを使うときには後部座席は使うことが出来ません。
最近の車は左右分割式でどちらかを座席として残すようなフレキシブルな使い方が出来る車がほとんどですが、アルトはコスト面からシンプルな構造の後部座席になっているのでこういった面では少し不便です。
アルトの後部座席の評価・口コミ
アルトの後部座席についてはtwitterにもいろいろな投稿があり、その中からいくつかご紹介します。
アルトの後部座席ひっっっろ!!! pic.twitter.com/9MMOCF10mr
— yossy (@yossyworker) March 16, 2022
こちらの方はあるとの後部座席に座っていらっしゃいますが、その広さにはびっくりされています。
アルトは世代を重ねるごとに後部座席の広さが広くなってきており、特に現行モデルは小さな軽自動車とは思えないほどゆとりを感じられるものになっています。
アルトの洗車してたら後部座席のヘッドレストが無くってどこ探しても無いし前回の履歴見てもなんも書かれてなかったから心配になって報告しに行ったら「アルトはもぅヘッドレストついてないよ」って教えてもらってびっくりこんな穴まであるのに…ヘッドレストが無いなんて…ほんとにびっくりした pic.twitter.com/WtpLKKnQDR
— ( ˘ω˘ ) (@Miyutaso_ya) August 21, 2022
こちらの方はあるとの後部座席にヘッドレストがないことに気づいていろいろ戸惑っていらっしゃいますが、価格を重視してグレードやオプションを選ぶとヘッドレストがないことに気づかない場合もあるのかもしれません。
後部座席にはヘッドレスト用の取り付け穴はどの仕様でもあるので、これだけ見ると確かにびっくりしますよね。
総評
スズキ アルトはスズキの最も価格の安価なエントリーモデルとしてラインナップされていますが、全体的なデザインの良好さや車内スペースの広さ、使い勝手の良さなどエントリーモデルとは思えないほど利便性の高い車に仕上がっています。
後部座席もシンプルなベンチシートで乗り心地の面では少し固めなことはありますが、後部座席のスペースの広さは歴代のアルトの中では最大クラスなのでこのクラスの軽自動車では十分な快適さがあります。
それでいて新車価格が1,000,000円前後というコストパフォーマンスに優れた部分があるので、一度は試乗などをして素性の良さを見ても良い車ですね。