ホンダ シャトルは中型のステーションワゴンで、扱いやすいサイズと実用性の高さが人気の車です。
今回はこのシャトルのデザインについてご説明します。
シャトルのデザイン
ホンダ シャトルは2015年から現在までラインナップされているステーションワゴンで、コンパクトカーのプラットフォームを使って開発された車です。
シャトルは以前は「フィット シャトル」と呼ばれていた車で、その名の通りホンダのコンパクトカーであるフィットの派生モデルという位置づけでした。
フィットのコンポーネントを使いながら車の全長を延長し、ステーションワゴンとしての広い荷室や車内スペースを確保した車種となりました。
またデザイン面でもフィットのデザインを色濃く残していましたが、2015年にフルモデルチェンジで「シャトル」となってからはコンポーネントはともかくデザインなどはシャトル専用のものとなっています。
シャトルは車のサイズ的にはコンパクトカーからワンサイズ大型化した車であり、全幅は5ナンバーサイズに収まっているものの全長が延長されて中型車サイズとなります。
ドアのラインや内部のコンポーネントの多くはフィットと共通化しているものの、フロントマスクやリアのデザインが違うので十分差別化ができています。
またエンジンなどにもガソリンエンジンの他にホンダが得意とするハイブリッドモデルもあり、実用性の面でもかなり扱いやすい車となっています。
そんなシャトルは2015年から既にモデル期間が7年近く経過していることで、2022年中には生産が終了することが決まっています。
ではそんなシャトルのデザインについて見ていきましょう。
シャトルのエクステリアデザイン
シャトルはエクステリアデザインがシャトル専用となったことでカッコイイデザインに仕上がっています。
まずフロントマスクのデザインですがシャトルはこの当時のホンダ車のデザインコンセプトを色濃く受け継いでいる車で、フロントマスクがシャープであるとともに車全体が丸みを帯びているフォルムとなっています。
フロントマスクは横に切れ長のシャープなフォルムであるとともに前方のメッキグリルとつながっており、フロントマスク全体がスポーティなフォルムに仕上がっています。
ボンネットのフォルムやサイドのラインもシャープであり、フロントマスクのみを見るとスポーツカーのようです。
またバンパーなどにもメッキパーツが配されているので高級感もあり、中型車として満足感のあるまとまりのあるデザインです。
一方でシャトルのリアのデザインは比較的おとなしめのデザインで、テールゲートが曲面を描いたデザインとなるのでワゴンらしいフォルムです。
シャトルは車内のスペースを確保するためにサイドは直線基調のデザインとなりますが、リアにはボリュームのあるリアコンビランプやメッキパーツを配したバンパーなどがあり、存在感のあるリアデザインになっています。
またルーフがリアに行くに従って多少低くなっているのでスポーティさとともに空力性能も高めてあり、実質的な性能にもつながっています。
さらにサイドウインドウからリアウインドウまでが一続きでつながるようなデザインに仕上がっているので、車のサイズ以上に解放感がありカッコよさもあります。
ステーションワゴンというと商用車っぽいイメージもあるのですが、シャトルはスタイリッシュな乗用車としてまとまっており満足感は十分です。
シャトルのインテリアデザイン
次にシャトルのインテリアのデザインをご紹介しましょう。
シャトルはインパネのデザインも元々のベースであったフィットとは差別化が図られており、大きな特徴となっているのが運転席周りにさまざまなデザインが集中していることでしょう。
ハンドルの奥には大型の丸形メーターを配置するとともにハンドルと並ぶようにメーターの上のデザインがまとめてあり、ドライバーから見て統一感があります。
またそのメーター部分からセンターのカーナビやエアコンパネルまでラインがつながっており、センターと右のエアコンダクトも一緒にデザインに織り込まれているのでまとまりがあるとともにコックピット感も増しています。
一方で助手席側は比較的シンプルなデザインでまとまっていますが、ダッシュボードのセンターにカラーパネルを埋め込むなどデザイン的に質感が高いものとなっています。
次にシャトルのインテリアをご紹介しますが、シャトルはステーションワゴンで2列シート 5人乗りの車になっており、3列目シートなどはありません。
その代わり後部には広々としたラゲッジスペースが確保されており、ステーションワゴンとして乗車定員と荷室のバランスがとられています。
シートの形状は比較的シンプルなのですが、フロントだけでなくリアの全席にヘッドレストが装着されるなど安心感もあります。
またシャトルのインテリアカラーにはブラックの他にブルー系もあり、ブルーではシートやサイドのドアパネルなどがブラックと濃いめのブルーのツートンカラーに仕上がっています。
シャトルはインテリアは全体的にシックでシンプルにまとまっており、このクラスの車としては標準的なデザインといえるでしょう。
シャトルのボディカラー
シャトルのボディカラーには現在次のようなボディカラーが設定されていますが、その他にモデル期間中に廃止されたボディカラーもあります。
シャトル ボディカラー | プラチナホワイトパール |
プレミアムベルベットパープルパール | |
ミッドナイトブルービームメタリック | |
プレミアムクリスタルレッドメタリック | |
ルナシルバーメタリック | |
シャイニンググレーメタリック | |
クリスタルブラックパール | |
ブリティッシュグリーンパール | |
ボディカラー 廃止済み | プレミアムホワイトパール |
ホワイトオーキッドパール | |
ルーセブラックメタリック | |
ミスティックガーネットパール |
シャトルには定番カラーと呼ばれるホワイトやブラック、シルバーなどのカラーがしっかり揃っているのですが、ホワイトもブラックもシルバーもメタリックカラーやパールカラーであり輝きがあり存在感のあるカラーです。
これらの定番カラーはマイナーチェンジの度に何度か入れ替えが行われており、以前にはホワイトやブラックが多少別のカラーとなっていたこともあります。
シャトルはファミリーカーなのでこういった定番カラーの需要が特に高く、選択されるボディカラーの中で多くの割合を占めます。
ですがその他にシャトルには特徴的なカラーも数多く用意されており、イメージカラーともなったプレミアムベルベットパープルパールなどは高級感のある紫色でステーションワゴンにはあまり見られない素敵なカラーです。
ブルーやレッドなどの原色系のカラーもありますが、その他に非常に珍しいのはブリティッシュグリーンパールという柔らかなアースカラーのグリーンがあることです。
グリーン系のボディカラーはアウトドアやキャンプに使うSUVにはあるのですが普通の乗用車ではあまり見られないカラー設定であり、その積載性でアウトドアやキャンプにも使えるシャトルのイメージとなっています。
シャトルは人気か?
シャトルの人気は中型のステーションワゴンということで現在のトレンドからは少し離れており、年間販売台数での推移は次のようになっています。
シャトル年間販売台数ランキング | 順位 |
2015 | 24位 |
2016 | 20位 |
2017 | 29位 |
2018 | 30位以下 |
2019 | 30位 |
2020 | 30位以下 |
シャトルは2015年に発売されたのですが、その当時は新車効果でおおよそ年間30,000台程度の販売台数でした。
人気が最もあったときで2016年の年間20位というところが最高ランクで年間販売台数では40,000台規模にもなっており、ステーションワゴン系の車種ではトップクラスの売上でした。
しかしこの頃は既に国内市場のトレンドはもっと大きなボディを持つトールワゴンタイプのミニバンに移っており、それに伴ってステーションワゴンの人気は下火となっています。
そのため2017年以降は販売が伸びておらず近年は30位前後となっているので、この結果がシャトルの販売終了につながっているのは確かでしょう。
シャトルという車自体の実力は悪くないのですが、大型ミニバンと比べると中途半端な部分も結構あるのが年間販売台数の結果になっています。
なおシャトルより価格が高く大型のミニバンでも販売台数ではシャトルの何倍かありますので、完全にトレンドが変わったことがわかります。
シャトルの評判
シャトルのデザインについてはtwitterにもさまざまな評価がありますが、その中からいくつかご紹介しましょう。
【人生5台目】HONDA シャトル
街中で見かけてデザインにめっちゃ惹かれて新車で購入しました。
青色が好きだから青色で買ったんだけど暗い感じの青色だったのでよく黒色と間違えられた記憶がw
この車から初めてハイブリッド車オーナーとなって燃費にめっちゃ感動しました✨
生涯燃費は25.3でした。 pic.twitter.com/4q2c4Gcq4F— こっペぱん (@negikoppe) August 13, 2021
こちらの方は新車でシャトルを購入されたそうなのですが、そのきっかけが街中で見かけたシャトルのデザインということでまさに一目惚れということでしょう。
デザインだけでなく燃費などの実用面の性能も満足されているようで、長く付き合える車になっていますね。
ホンダ好きとしては、シャトルのようにハッキリとしたエクステリアデザインが好みなのだけどなー。ホンダデザインはコロコロ変わるからなんともブランド感がないな。ホンダらしいが、そこは残念なところ。 pic.twitter.com/IGcqixE2eh
— よっぺま (@yoppema) April 28, 2021
こちらの方もシャトルのエクステリアデザインが好きとおっしゃっており、シャトルのわかりやすいシャープなデザインが好みのようです。
ですがこの方のおっしゃるように近年のホンダは車種を度々生産終了してしまうことが多く、シャトルも後継車がないままなくなるのは残念です。
HONDAはシャトル後継ださないのはかなり痛手。CR―V大きいから売れないのはちがう他のメーカで大型でも売れている。インサイトは価格が高すぎるしアコ―ドなども高すぎるしセダンは需要日本ではない。戦略を完全に間違えてしまった。要のフィットも出た時からフロントデザインが不評、残念である
— MIZUNAMIANDO (@MIZUNAMIANDO) December 28, 2021
シャトルはホンダ車のラインナップの中では意外と他にないタイプの車で、扱いやすいサイズや荷室の大きさ、燃費の良さとコストパフォーマンスなどのバランスの取れた車です。
シャトルが生産終了してしまうと実質的にシャトルのような車がホンダになくなってしまうのでホンダから離れる方も少なくないでしょう。
シャトルの欠点
シャトルはそのエクステリアデザインのカッコよさや中型車として扱いやすいサイズ、燃費の良さなどメリットは多いのですが、一方でファミリーカーとして中途半端な部分が大型ミニバンと比べて残念なこともあります。
大型ミニバンは車のサイズがかなり大きいのですが、トールワゴン系という名前の通り車の車高を大きくして車内のスペースを広く確保した車です。
そのスペースの広さから車内での居住性や解放感が高く、またシートアレンジを駆使すれば非常に広々としたラゲッジスペースを確保することもできます。
車のサイズが大きいので扱い易さは大変な部分もありますが、大型ミニバンにみんなが乗るようになってから多くのドライバーがなれてきている感じはあります。
これに対してシャトルはサイズ的な扱いやすさはあるものの、車内の居住性や窮屈さはミニバンと比べるとどうしてもあり、車を購入する際に比較するとミニバンが欲しくなるのもわかります。
ラゲッジスペースの大きさもシャトルでも決して狭くはないのですが、より広々としたミニバンのほうが有利なのは確かです。
車の価格は小型でコンパクトなシャトルのほうが安価でコストパフォーマンスはあるのですが、高級な大型ミニバンの売れ行きがかなり好調なことを見ると価格的なことよりも利便性が優先されるようになっているのでしょう。
シャトルの値段
では最後にシャトルの新車価格と現在の中古車価格をご紹介しましょう。中古車価格については大手中古車情報サイトであるカーセンサーとgoo-netから調べています。
シャトル価格 | 新車価格 | 中古車本体価格相場 | |
シャトル(初代) | 2,158,200円〜2,772,000円 | カーセンサー | 648,000円〜2,598,000円 |
goo-net | 550,000円〜2,600,000円 |
シャトルの新車価格はおおよそ2,000,000円台でまとめられており、2,500,000円前後の価格帯がシャトルの標準的な価格といえます。
この価格帯は近年の中型車としては結構お買い得で、コンパクトカーでも同じぐらいの価格帯になっている現在ではシャトルはコストパフォーマンスに優れる車となっています。
もともとのベース車であるフィットでも価格帯がほとんど変わらないことを考えると、積載性や快適性で優れるシャフトにはかなりメリットが感じられます。
また中古車価格も年式によってはかなり下がってきており、初期型は既に新車から7年近く経過していることで500,000円〜600,000円台と手に入れやすい車になっています。
まだぎりぎり現行車種ということで中古車価格の高い方はそこまで下がっていませんが、今後シャトルが生産終了となると次第に中古車価格は全体的に下がっていくでしょう。
そのため今後数年ぐらいは中古車としてのシャトルはかなりオススメの1台になり、積載性や乗車定員で不満がなければ長い間付き合える車になっているでしょう。