ホンダS2000は2シーターのスポーツカーで、ホンダの歴史に名を残す名車の一つです。
今回はそんなS2000のデザインについてご説明します。
S2000のデザイン
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ホンダ S2000は伝統的なスポーツカーの要素を盛り込んだホンダの意欲作で、販売終了した現在でも根強い人気が残る1台です。
S2000はホンダの創業50週年を記念して計画された車で、ピュアスポーツカーとしての要素で構成されています。
S2000は前型車などない完全な新規設計の車で、ホンダ車として29年ぶりのFR車ということで発表から非常に高い人気がありました。
S2000は1999年から2009年までの10年余りにわたって発売されましたが、スポーツカーなので圧倒的な販売台数などはないもののその特徴的なデザインや走行性能からホンダの歴史のなかでも印象深い車になっています。
S2000のコンセプトはライトウェイトスポーツカーで、コンパクトで低いフォルムのスポーツカーのボディに2シーターオープンという伝統的なスポーツカーの要素を持っています。
車体はレーシングカーにも使われる軽量で高い剛性を発揮しており、軽量化のためにボンネットはアルミパネルも使われています。
その走行性能はまさに走りのための1台といえ、FRレイアウトの良好な操縦性と安定性でドライバーに車の楽しさを伝えてくれる車となっています。
また販売終了後でもS2000を大事にしているユーザーは数多くいらっしゃり、貴重なホンダの2シータースポーツカーに乗り続けている方はいらっしゃいます。
ではそんなS2000のデザインをご紹介します。
S2000のエクステリアデザイン
S2000の特徴はなんといってもそのデザインにあり、コンセプトの通り珍しいフォルムです。
まずS2000のサイドのデザインですが、S2000はロングノーズショートデッキというスタイルでボンネットが前後に悠然と長く、それでいてドライバーが乗るキャビンは短いスタイルとなっています。
S2000は2人乗りなのでキャビン自体は小さくまとまっており、フォルムも全体的に低めでシャープで凹凸のないスタイルはスタイリッシュです。
また後部にはトランクがあるのですが、オープンカー状態のときにはトランクの内部に電動折りたたみ式のルーフが格納されており、荷物入れとしてのトランク容量はそんなに大きくありません。
S2000は基本的にソフトトップの車で布製のルーフが雨の日などには展開されますが、モデルによっては金属製のハードトップもあります。
S2000のフロントマスクはかなりカッコイイスタイルになっており、これは上級モデルのTYPE-Sのフロントマスクとなります。
ヘッドライトは小さめでシャープなデザインになっており、低いフォルムのS2000にはぴったりです。
グリルやフロントバンパーもしっかり低く構えたフォルムとなっておりスポーツカーらしいデザインです。
それでいてタイヤは大きいサイズのものが装着されているのでレーシングカーのようなフォルムにもなっています。
S2000のリアはフロントと変わって少しおとなしめなデザインですが、リアコンビランプが丸型の特徴的なものとなっており存在感は十分です。
TYPE-Sにはリアにウイングが装着されていてスポーツカーらしいフォルムと走行性能を高める装備が装着されていますが、通常モデルにはウイングはなくシンプルなフォルムです。
またリアには左右2本出しのマフラーがデザインされており、すぽーてぃなフォルムを際立たせています。
S2000は乗用車としてはかなり割り切った設計であり、何より車での走行性能やドライブの楽しさを教えてくれる車になっています。
S2000のインテリアデザイン
S2000のインテリアはまさに走りに特化したデザインとなっており、居住性よりもコクピット的な機能性に満ちています。
S2000のインパネ周りは非常に割り切ったデザインとなっており、助手席の前側は非常にシンプルにまとまっていて余計な装備が一切ありません。
ですが運転席は対象的で、ハンドルやメーターの周りにはエアコンや各種の操作パネルもすべて揃っています。
カーナビなどの装着場所もなく、まさにドライバーのために各種機能が集中したデザインに仕上がっています。
センターコンソールにも一切ジャマなものはなく、小さな小物入れとマニュアルシフトのシフトノブのみで構成されていて、走る以外の余計な装飾パーツなどはあえて廃されているスパルタンな車です。
またインテリアについても基本的にはシートしかなく余計な飾りけはありませんが、シートはスポーツカーとして必要なホールド性を確保したセミバケットシートになっています。
運転席も助手席も同様のセミバケットシートなのでスポーツ走行を行ってもしっかり体を支えてくれるので、安定した運転がノーマル仕様でも可能となっています。
又シートの後ろには半円形のバーがあるのですが、これはオープンカーが横転したときにドライバーの頭部を保護するための保安バーとなっています。
オープン状態では解放感のある気持ちいい走りができ、ソフトトップを閉めるとより密閉度の高いキャビンでのんびり走ることもできます。
S2000のインテリアデザインはほとんどすべてがドライバーの楽しい運転のためにデザインされたものとなっており、快適性や利便性はありませんがS2000という車のコンセプトをしっかり表しています。
S2000のボディカラー
S2000は10年間の販売期間の間に非常に様々なボディカラーを設定しており、22色ものボディカラーがあります。
S2000 ボディカラー | アペックスブルーパール |
インディイエローパール | |
グランプリホワイト | |
シルバーストーンメタリック | |
シンクロシルバーメタリック | |
セブリングシルバーメタリック | |
タークカーディナルレッドパール | |
ディープバーガンディメタリック | |
ニューイモラオレンジパール | |
ニューインディイエローパール | |
ニューフォーミュラレッド | |
ニュルブルクリンブルーメタリック | |
バミューダブルーパール | |
プラチナホワイトパール | |
プレミアムサンセットモーブパール | |
ベルリナブラック | |
ミッドナイトパール | |
ムーンロックメタリック | |
モンツァレッドパール | |
モンテカルロブルーパール | |
フレッシュライムメタリック | |
ロイヤルネイビーブルーパール |
S2000のボディカラーにはそれぞれのモデル期間においてこの中から10種類前後のボディカラーが設定されており、定番カラーであるホワイト、ブラック、シルバーなどは揃っています。
特にブラックやシルバーはS2000のスパルタンなイメージを表すカラーで人気があり、イメージカラーにもなっています。
しかしS2000にはそれ以外にもさまざまなカラフルなボディカラーが揃っており、イエローやブルー、レッドなどの明るいスポーツカーらしいボディカラーも揃っています。
またオレンジやライムグリーン、ブルーグレー、ブラウン系等の珍しいカラーもあり、存在感のあるスポーツカーらしいボディカラーにすることもできました。
一つのモデルでこれほどボディカラーのバリエーションがある車も珍しく、S2000という珍しいコンセプトの車らしいものとなっています。
S2000は人気か?
S2000は今でも語られるほど存在感のある車なのですが、一方で販売台数的な人気としてみるとかなり台数は少ない車となりました。
S2000は1999年から2009年の10年間に渡って販売されましたが、その間の総生産台数は結局20,000台程度の規模でした。
現在国内でトップクラスの人気を誇る車種などは年間でもその台数を大きく超えて1車種で50,000台〜100,000台規模となっておりいかにS2000が少ないかがわかります。
S2000は前述でご紹介したように2シーターのオープンスポーツカーという非常に珍しいコンセプトの車種であり、普通の車のような利便性や普段使いにはあまり適していないため、販売台数的には少ないのです。
ですがS2000の人気の元は何よりそのコンセプトであり、ドライブやレーシングカーの好きな方にはたまらない1台となっています。
販売台数こそ少なかったものの現在でも中古車市場ではS2000はまだまだ一部の方には支持されており、その価格もむしろレアな車種ということで高騰する傾向にあるほどです。
今後もS2000という車は大事に乗り継がれていくでしょう。
S2000の評判
S2000のデザインについてはTwitterにさまざまな評価があり、その中からいくつかご紹介しましょう。
車に興味がない友達でも、このホンダS2000を観たときには、かっこいい車と認めるほど、色褪せない魅力があります
映画だと、ワイルドスピードx2のスーキーが乗っていた、真っピンクのデザインの物が印象に残っています!この映画、影は薄いですけど、バディ物として面白いのでオススメの作品です pic.twitter.com/IvNBurBDYo— shineroad(シャイン) (@shineroad21) June 9, 2019
S2000のデザインはスポーツカーのカッコよさをまっすぐ突き詰めたものであり、車に興味のない方でも目を引かれるものがあるでしょう。
また映画映えするデザインなので日本だけでじゃなく海外の大きな映画にも使われるほどのデザインです。
ホンダアクセスの20周年S2000、今回気になってた車!今時デザインでかっこいいね!今年はS2000何台か置いてあって嬉しかった☺️やっぱり欲しいわ。笑 #TAS2020 pic.twitter.com/UdQH5HRlt4
— (@Kohei_106s) January 10, 2020
S2000は既に20年以上が経過した車ではあるのですが、現在でもこのようにカスタムカー試乗では人気です。
S2000自体の販売台数は少ないもののカスタムパーツなどはまだまだ豊富であり、新車と引けを取らないS2000も多数あります。
S2000の販売台数は2万1662台
先代フリードは42万9161台
比較対象がおかしすぎるけどやっぱデザインじゃなくて実用性が良い方が売れるんだなそれが— ism4os (@mqgtu) February 10, 2022
S2000の販売台数は同じホンダの他の車と比べてもかなり少なく、フリードなどのファミリーカーと比べるとその差が圧倒的です。
S2000の弱点はなんといっても実用性が微妙なことであり、カッコよくてもなかなか購入するところまでいかないのです。
S2000の欠点
S2000はデザイン的にスポーツカーとしての要素をふんだんに盛り込んでおり、車好きにはたまらない1台です。
ですが実際に手に入れて乗ろうとするかというと微妙であり、車の実用性という面でS2000は欠点が多い車でもあります。
S2000のスポーツカーとしての走行性能は折り紙付きで、軽量コンパクトなボディに高回転型のエンジンを搭載し、オープンカーの軽快で解放感のある走りは普通の車では到底味わえないものです。
しかし普段使いとして考えるとこれほど不便な車もなく、まず2人乗りということで家族を連れての買物や遠出などの際にかなり不便です。
また2シーターのシートはリクライニングなどもできず快適性も低いため、ドライバーはともかく同乗者には結構辛い車でもあります。
それでもちょっとしたドライブぐらいなら良いのですが、ファミリーカーとして運用するのは厳しいでしょう。
さらにS2000はオープンカーなのでソフトトップなどがトランクルームに収納されますが、この状態では当然ながら荷物もほとんど載せることができません。
後席もある車なら後席に買物に持つぐらいなら積んで置けますが、S2000ではそういった使い方も不可能です。
といってルーフを閉じたままではS2000の楽しさは発揮できず微妙なので、やはりファミリーカーとしての運用では厳しいものがあります。
若い頃の一人暮らしであればS2000の1台でもよいのですが、家庭を持ったりするとS2000だけでは厳しく2台体制にするなどしなくてはならないので、経済的に厳しい点もあります。
S2000の値段
では最後にS2000の販売時の新車価格と現在の中古車価格をご紹介しましょう。
S2000価格 | 新車価格 | 中古車本体価格相場 | |
S2000 | 3,601,500円〜3,990,000円 | カーセンサー | 1,760,000円〜11,000,000円 |
goo-net | 1,760,000円〜11,000,000円 |
S2000は新車発売時の新車価格ではかなり高めの車であり、最廉価モデルでも3,600,000円、最上級モデルでは4,000,000円に達する車です。
S2000は車のサイズ的には2,000,000円台の中型車の大きさなのですが、専用設計の軽量車体やアルミニウムボンネット、オープン2シーターという新規設計のデザイン、カスタマイズされたエンジンなど、コストがかかる要素が多数ありこの新車価格になっています。
もちろんライトウェイトスポーツカーのオープン2シーターとしてみたときにも価格はかなり高めであり、いくらカッコよくてもこれが販売台数が伸びなかった大きな要因でもあるでしょう。
そんなS2000は販売終了から既に10年以上が経過していて最終モデルでも年式がかなり古くなっているのですが、それに反比例して中古車価格は最低価格でも1,760,000円とかなり高止まりしています。
何年か前まではS2000といってももっと中古車価格は安かったのですが、国内や海外からの需要が年々高まるとともに中古車価格が上昇しており、プレミアのついた車という位置づけになりつつあります。
販売台数の少なさもそれに拍車をかけており、状態のよいS2000は高値で取引されます。
なお中古車の最高額はかなり高額になっているのですが、このS2000はフルカスタマイズや古い箇所のオーバーホールなどを行った1台であり、もとは古い車ですがこういったメンテを受けることで長年愛される車になっています。