ホンダ フリードはホンダのコンパクトカーで、多人数が乗車できる点が最大の特徴です。
今回はそんなフリードのデザインや人気についてご説明します。
フリードのデザイン
フリードはホンダのワゴンタイプのコンパクトカーで、最大の特徴としてコンパクトミニバンと呼ばれるほどの乗車性と積載性がある点です。
フリードは初代モデルが2008年に登場した車種なのですが、そのコンセプトは初代から大人数乗り可能なコンパクトカーというものです。
フリードは車の全長や全幅はコンパクトカーの範疇にありながら、初期モデルではなんと1台で3列シート8人乗りまで可能というミニバンに匹敵する乗車定員を持つ車です。
それまでコンパクトカーといえば5人乗りでギリギリというイメージが強かったのですが、このフリードの8人乗りは他社の同じようなコンセプトを持つ車もしのいで圧倒的なものです。
しかしコンパクトカーということで8人乗りだと窮屈さもあるため、それ以降のモデルや現行モデルである2代目フリードでは3列シート7人乗りまでのモデルとなっています。
2代目フリードは2016年に登場したモデルなのですが、初代モデルより更に快適で積載量なども高くなっています。
またフリードは初代からガソリンエンジンモデルに加えてハイブリッドモデルも設定されており、コンパクトカーながら燃費性能の高さや静粛性もある車です。
これらの性能からフリードはファミリーカーとして人気の車ですが、3列シートモデルは7人乗りの他に6人乗りなどもあり、2列目シートがより快適になった高級グレードがあります。
そんなフリードですが、今回は現行モデルのエクステリアやインテリアなどのデザインについて見ていきましょう。
フリードのエクステリアデザイン
フリードは初代モデルからそのスポーティなデザインが話題になった車ですが、2代目である現行フリードではよりミニバン的な趣向を持つデザインとなっています。
初代フリードではフロントマスクのデザインが流線型になっていたのに対し、現行フリードでは多少角ばった印象になっています。
まるで高級ミニバンのような大型のヘッドライトが装着されているとともに力強いフロントグリルデザインになっており、フロントマスクの各所にメッキパーツなどもおごられて高級感も感じられるデザインです。
またフリードはボンネットのオーバーハングが非常に小さくまとまったデザインであり、初代よりも短めのオーバーハングは車内の広さにも貢献しています。
またリア側のデザインについてはスクエアボディのデザインとなっており、車内の広さを優先させたボディ形状になっています。
フリードには大型のスライドドアが後席の左右に装備されており、リアコンビランプに食い込むほどのところまでスライドできるこのドアは高い乗降性と荷物の積載性が高いものとなっています。
更にフリードは後部のテールゲートがハッチバック式に開閉するのですが、テールゲートも非常に大型のデザインになっているのもフリードならではのものです。
リアバンパーをギリギリにするほど開口部を重視したデザインは高い荷物の積載性を持つのですが、それとともに地上からテールゲートの下面までの距離がとても短くできているので、重たい荷物でもそんなに持ち上げること無く載せることができるのも大きなメリットです。
このデザインはホンダが得意とする低床レイアウトを突き詰めた結果で、これほど低いテールゲートのデザインはフリードぐらいでしょう。
フリードのエクステリアデザインは全体的にシャープなかっこよさではなく、ファミリーカーとして馴染みの良いスクエアデザインと実用性の高さをもたせるものとなっています。
フリードのインテリアデザイン
次にフリードの インテリアデザインを見ていきますが、インテリアについてもエクステリアの上質感に合わせたものとなっています。
まずフリードの運転席や助手席まわりのインパネデザインをご紹介しますが、ひときわ目を引くのはインパネの前側に大きく装着された木目調パネルです。
コンパクトカーでも限定的に木目調パネルが装着された車種はありますが、フリードのデザインでは大々的に木目調パネルが際立つような位置やサイズとなっており、まるで自宅のリビングのような暖かさを持つものとなっています。
また木目調パネルの周囲も実に統一感にあふれたダッシュボードやエアコンの吹き出し口、カーナビなど、ひと目で見てもまとまり感があって完成度の高いデザインです。
更にフリードはドライバーが見るメーター類がより前側のセンターメーターレイアウトに近いものとなっており、インテリアの雰囲気を壊さないよう配慮されたものとなっています。
またフリードの車内で大きな特徴となるのはやはり3列シートのレイアウトで、7人乗りモデルでは前から2名、3名、2名のレイアウトです。
さらに6人乗りモデルでは2列目シートが左右分割式のキャプテンシートになっており、コンパクトカーとは思えないほどの解放感と快適性を持つ仕様となっています。
シート自体もクッション性の高い快適なソファーのようなものとなっており、フリードでは従来補助席的な感じのあった3列目シートに関しても足下空間や居住性を十分確保したものとなっています。
なおフリードのインテリアカラーには木目調パネルやシートカラーでいくつかの上質感のあるものが選択できますが、その他にもブラックも用意されておりシャープで引き締まったインテリアにすることも可能です。
フリードのボディカラー
次にフリードのボディカラーをご紹介していきますが、現時点で設定されているボディカラーは次のとおりです。
フリードボディカラー | プラチナホワイトパール |
スーパープラチナグレーメタリック | |
クリスタルブラックパール | |
シーグラスブルーパール | |
シルバーミストグリーンメタリック | |
ルナシルバーメタリック | |
ミッドナイトブルービームメタリック | |
プレミアムクリスタルレッドメタリック | |
プレミアムクリスタルオレンジメタリックⅡ |
フリードのボディカラーには定番カラーであるホワイト、ブラック、グレーなどが設定されていますが、これらのカラーはメタリックカラーがベースとなっており全体的に明るめで目だちやすい印象のボディカラーとなっています。
これら定番カラーは他の車種と同じく選ばれる割合の高いものですが、フリードにはその他にも特徴的なボディカラーがいくつか設定されています。
その一つが「シーグラスブルーパール」という薄い水色系のボディカラーで、このカラーはフリードのイメージカラーであるとともにハイブリッドカーのエコを表すものでもあります。
その他にもフリードには「シルバーミストグリーンメタリック」や「ルナシルバーメタリック」など淡いながら質感の良いボディカラーがあり、クールなデザインが良い人にはおすすめです。
その他に目立つカラーとしてレッド系やブルー系もありますが、ひときわ派手なカラーとして「プレミアムクリスタルオレンジメタリック」があり、光沢感のある明るいオレンジ色はキャンプやアウトドア向けにピッタリのカラーです。
フリードはその定員の多さや積載量の高さからファミリーカーからレジャーカーまで幅広いニーズがあり、ボディデザインが上質感のあるものなのでどのカラーでも浮くこと無くマッチするでしょう。
フリードは人気か?
フリードは国内の車の販売台数でも結構上位に入る車種であり、現行モデルにフルモデルチェンジした2016年以降では次のような順位となります。
フリード年間販売台数ランキング | 順位 |
2016 | 16位 |
2017 | 5位 |
2018 | 11位 |
2019 | 9位 |
2020 | 7位 |
2016年の販売台数には前型モデルである初代フリードの台数がほとんどで16位とはなっていますが、これでも十分国内の販売台数では上位に入っている車種です。
またフルモデルチェンジを行った次年は現行フリードの人気が高くなって年間販売台数で5位まで伸びており、この年はホンダ車トップの売れ行きとなっています。
その後は11位、9位、7位と総じて10位近くにはあり、コンパクトカーとしてはかなり良い推移といえます。
特にフルモデルチェンジから既に5年が経過しているモデルにもかかわらず2020年には7位となっており、まだまだ人気が持続していることがわかります。
またボディーカラーの人気のカラーについては定番カラーのひとつである「プラチナホワイトパール」が圧倒的な人気で、馴染みのあるホワイト、その次にブラックやシルバー系のボディカラーの人気が続いています。
フリードの特徴的なカラーである「シーグラスブルーパール」なども淡い色でそこそこの人気を持っていますが、やはり定番カラーはどんな車種でも人気です。
「プレミアムクリスタルオレンジメタリック」などは鮮やかで目を引くカラーではあるのですが実際に派手なカラーにする人はそこまで多くはありません。
フリードの評判
フリードのデザインについてはtwitterにもさまざまな評判があるのですが、その中からいくつかご紹介しましょう。
その隠れ家的ランチのお店の駐車スペースがこれまた大自然で😆白樺並木にめちゃくちゃウチの赤いフリード クロスターが映えて思わず撮影してしまった😄
うん、ミニバンだけどカッコイイ降雪時を考慮して3cmしかダウンしてません(FF車に比べて5mm)
サイドのデカールはプロッタで作成 pic.twitter.com/2UeWqtaUzJ— Takuya (@STYLE_S_Takuya) August 13, 2021
こちらの方はフリードのアウトドア向け仕様であるクロスターに乗っていらっしゃいますが、森林の中にたたずむ赤いフリードはとても存在感のあるデザインです。
この方もおっしゃっていますがミニバン的な車にもかかわらずカッコイイデザインであり、非常に満足感のあるデザインといえるでしょう。
でも割と最近感動したかなというかえっ?って思ったのがフリードの内装
変なソフトパッドとか採用しないでなんかウッド調のパネルがついてて色分けもなんか上手でこれいいじゃんってなった🤚
先代ハリアーの昭和家具のプリント木目みたいなやつより遥かに高級感あっていい🤚 pic.twitter.com/N6IhV2CiaL
— ラブリー🍎しいな# (@Lonely_wolf_san) October 22, 2020
こちらの方はフリードの内装に高い評価を与えていらっしゃいますが、やはり木目調の上質感のあるパネルがすばらしいようです。
以前から木目のインテリアを持つ車は結構ありましたが安っぽい感じを持つものも多く、それに比べるとフリードのインテリアはとても安心できる装備になっています。
安心安全、トヨタが誇るシエンタか、デザインのフリードか。フリードカッコイイなーでもいろんなフォロー面考えたらトヨタなんかなー(-。-;どっちにしても次買うのはこのどちらか!
— のぶひ (@nobuhi1406) September 27, 2015
フリードには同じコンパクトミニバンのコンセプトを持つシエンタという車があるのですが、この方はフリードのデザインに高い評価を与えていらっしゃいます。
車のデザインのかっこよさは個人の好みによるものですが、フリードをカッコイイと感じる方も少なくありません。
フリードの欠点
フリードは車のコンセプトであるコンパクトミニバンとしてミニバンらしいデザインと乗車定員の多さ、スクエアデザイン、そしてコンパクトカーらしい小さく扱いやすいサイズ感が一体化した素晴らしい車です。ですがそのデザインから次のような多少の欠点も生まれています。
フル乗車時の荷室スペースが小さい
まずフリードの大きな欠点として挙げられるのが荷室スペースが小さいことで、これはコンパクトカーで多人数乗りを行うコンセプトのフリードの大きな弱みです。
フリードのコンセプトであるコンパクトミニバンは全長が比較的コンパクトな中に3列シートを成立させるため、何より車内スペースの確保を重視しています。
フリードではそのエクステリアデザインからそのコンセプトを実現するためにボンネットのオーバーハングが小さくしてあったり、ボディ全体がスクエアデザインとなるなど限られたスペースをフル活用しています。
その結果フリードは車内に3列のシートを前後に並べて、かつ足下空間などもしっかり確保して居住性を確保してあり使い勝手の良い車に仕上がっています。
しかし車内のサイズを限界まで居住空間として使った結果、最後尾にあるラゲッジスペースは前後のスペースが非常に小さくなってしまっており、小さな荷物ぐらいしか載るスペースが残っていません。
車内の乗車定員が少ないのであればシートを荷室代わりとして使ったりシートアレンジでラゲッジスペースを拡大することが出来るのですが、フル乗車した際にはそういうことができないので小さなラゲッジスペースしか使えません。
もし旅行やキャンプなどでフル乗車して移動しようとするとフリードのラゲッジスペースでは不十分であり、コンパクトな車にミニバンの機能を盛り込んだ結果サイズが不足する箇所が出てきています。
3列目シートのサイズ感や硬さが気になる
フリードの限られたサイズではラゲッジスペースも小さくなりますが、それに加えて3列目のシートのサイズにも制限がかかっています。
フリードの3列目シートはコンパクトミニバンの中ではかなり完成度の高いものであり、クッション性のある構造やヘッドレストの装備などきちんとした構造になっています。
しかしそのサイズ感についてはコンパクトカーの中に位置するということで制限もあり、シート自体の硬さは1列目や2列目に比べると硬めの感触となっています。
特に3列目シートはシートアレンジで跳ね上げを行うような仕様でもあるため、その硬めでは長距離の移動にはちょっと厳し目です。
また3列目シートの足下空間も1列目や2列目などに比べると狭くなっており、座ったときの快適性は下がってしまいます。
このあたりも前述のラゲッジスペースと同じくフリードのサイズ感で3列シートを盛り込んだことによる限界でがあり、こちらも長距離走行時には窮屈なものです。
それでもフリードの3列目シートはほかのコンパクトミニバンに比べればかなりマシな方であり、補助シート的に使うものではありますが普段使いなら十分快適です。
ハイブリッドモデルの燃料タンクが小さい
フリードのコンパクトな外観と3列シートのコンセプトは便利なものではあるのですが、その反動はハイブリッドモデルの燃料タンクのサイズにも関わってきます。
フリードにはガソリンエンジンとハイブリッドモデルの2種類のモデルがあって、それぞれの車の外観デザインや内装などはほとんど同一です。
フリードは車内のスペースを広げたり車の外観デザインを大きくしないために車内レイアウトをかなり工夫しており、低床レイアウトというレイアウトを採用して燃料タンクを前席シートの下に配置させるなどかなり工夫しています。
しかしハイブリッドモデルにはガソリンエンジンモデルに対してハイブリッド用のモーター、インバーター、駆動用バッテリーなどが追加されており、これを搭載するスペースがどこかに必要となります。
フリードのハイブリッドモデルではこのハイブリッドシステムの搭載場所としてもともと燃料タンクがあったスペースを一部利用しており、その結果ハイブリッドモデルはガソリンエンジンモデルに対して燃料タンクの容量が大きく減っています。
ガソリンエンジンモデルで53Lあった燃料タンクがハイブリッドモデルでは36Lに下がっていて、その分ハイブリッドモデルは車の航続距離が減っています。
ハイブリッド車は燃料消費量が少なくなるのが特徴ですが、それを加味しても航続距離だけで言えばフリードのガソリンエンジンモデルのほうが多くなっており、ハイブリッドモデルが100kmぐらい短くなります。
フリードというコンパクトな車体に3列シートを装備し車内のスペースを最大化するというデザインは居住性は利便性は非常に高くなっているのですが、その反面としてラゲッジスペースやシートのサイズ、車の航続距離などに大きく影響しています。
フリードの値段
では最後に現行フリードの新車価格と中古車価格がどのぐらいかを見ていきましょう。なお中古車価格は有名な中古車情報サイトであるカーセンサーとgoo-netでの相場を調べました。
フリード | 新車価格 | 中古車本体価格相場 | |
現行フリード(2代目) | 1,997,600円〜3,278,000円 | カーセンサー | 758,000円〜3,190,000円 |
goo-net | 699,000円〜3,190,000円 |
フリードの新車価格は2,000,000円台〜3,278,000円と非常に幅の広いものとなっていますが、これはガソリンエンジンモデルとハイブリッドモデルがあるためです。
ガソリンエンジンモデルは燃費性能は落ちるものの価格が2,000,000円〜2,500,000円ぐらいとコンパクトカーの相場にあり、コストパフォーマンスに優れます。
ハイブリッドモデルについては燃費は優れるもののハイブリッドシステムの搭載によってコストも上昇しており、上級グレードではコンパクトカークラスでありながら3,000,000円を超える高額車種となってしまっています。
中古車も年式が新しく上級グレードのものはまだまだ高額ですが、フルモデルチェンジから既に5年が経過していることもあり、初期型はかなり価格が安くなってきています。
中古車でもガソリンエンジン車よりはハイブリッド車のほうが高めの相場にはなりますが、車の状態にもよるので安価に手に入れられる中古車は多いでしょう。
フリードはコンパクトミニバンという使い勝手の良いレイアウトやスタイリッシュなデザインなど満足感の高い車ではありますが、その分価格が一般的なコンパクトカーよりも高くなってしまいます。
また前述した車内スペースや燃料タンクサイズなどにも制限が多くなるため、単純に車の利便性とコストを考えるのであれば同じぐらいの価格で手に入れられる中型ミニバンも十分選択肢に入ります。
それでもフリードは扱いやすさなどコンパクトカーのメリットも多く持っているので、多少コストをかければ長年便利に使える車であることは間違いありません。