純ベタとは車のカスタマイズの一つですが、一般的なカスタマイズの手法とは少し違ったコンセプトがあります。
今回はそんな車の純ベタについてご説明します。
純ベタとは?
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車のカスタマイズとは自動車メーカー純正の車にさまざまなカスタムパーツを取付けて自分だけの1台を作り上げる方法なのですが、純ベタとはその中で「その車の純正パーツを利用」して「ローダウン化」させたカスタマイズの手法を指します。
純ベタには上記の2つの条件が組み合わさった手法なのですが、純ベタの説明の前にローダウンカスタムについて簡単にご説明しましょう。
車のローダウンカスタムについて
車のカスタマイズの中でローダウン化は通称「シャコタン」と呼ばれる手法で、車の車高を下げて地面にベタベタに近づけるカスタムです。
シャコタンは「車高短」の略なのですが、その漢字のごとく車の車高を短くすることを指してます。
その大本はレーシングカーにあり、レース中の車の空力性能を高めるために車と地面の距離を可能な限り短くし、車のリフトを抑えて高速走行でも安定性を高める手法となっています。
乗用車ではそこまでの空力性能というのは基本的に不要なのですが、それとは別にローダウン化した安定感のあるフォルムがデザイン的に魅力があり、さまざまなカスタマイズパーツを組み合わせて乗用車をレーシングカーのようなフォルムに仕上げるカスタマイズが数多くされています。
シャコタンやローダウンと呼ばれるカスタマイズに使えるカスタムパーツがさまざまな車種で設定されるようになってきており、ノーマルのフォルムとは違う魅力的な1台に仕上がります。
ローダウンカスタムには主に2種類のカスタマイズパーツが使われるのですが、それはエアロパーツと車高調サスペンションです。
エアロパーツはローダウンエアロとも呼ばれますが、車のボディの下側に当たるバンパーやサイドスカートなどを地面近くまで延長するスポイラーを装着し、車のボディ全体が地面スレスレになるようにします。
また車自体の最低地上高を低くするために、タイヤの位置を決めているサスペンションの長さを調整できるようにして車全体を地面に近づけるようにします。
これらのカスタマイズパーツの組み合わせによって車のフォルムを地面スレスレになる安定感のあるフォルムにするのがローダウン、もしくはシャコタンとよばれるカスタマイズです。
純ベタの特徴とは
今回のタイトルである「純ベタ」とはこのローダウンカスタムの種類の一つで、前述で触れたように車の純正パーツを活用することがその特徴です。
純ベタとは簡単に言うと「純正パーツで地面ベタベタ」にするという意味であり、一般的なローダウンカスタムと違う点はエアロパーツの扱いです。
普通のローダウンカスタムはローダウンエアロも装着して車のフォルムをローダウン化しますが、純ベタのカスタムでは車のボディパーツやエアロパーツをメーカー純正品をそのまま使用します。
メーカー純正品はたとえエアロパーツでも必ずしもローダウン 化されているわけではなく地上との間にしっかりクリアランスがあるので、それだけではローダウンにはなりません。
そのため純ベタではローダウン化は主に車高調サスペンションによって車高をしっかり落とすようにし、車体のボディパーツやエアロパーツがメーカー純正のままでもしっかりローダウンのフォルムに仕上げます。
そのメリットやデメリットはいくつかあるのですが、現在ではローダウンカスタムの一つとして定着しており、さまざまな車種で純ベタカスタムのシャコタン車が増えてきています。
純ベタには必須の車高調カスタマイズ
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純ベタのカスタマイズではエアロパーツ自体にはほとんど手を加えないのですが、ローダウン化するために車高調サスペンションの導入はほぼ必須と言えます。
車高調サスペンションはノーマルのサスペンションから車の車高を変更できるカスタマイズパーツで、車の最低地上高を下げるために必要なパーツとなります。
車高調サスペンションには自由に車高を上下できるものもあるのですが、多くはノーマルより低い位置に設定されたカスタマイズ用のサスペンションキットがローダウン化にはよく使われます。
車高調キットではサスペンションのダンパー部分を主に短くして最低地上高を低くしますが、それに合わせて専用のスプリングなどが組み合わされることもあります。
車高調サスペンションには車の走行性能を高めるスポーツ性を高めるパーツもあるのですが、ドレスアップ目的だとスペックよりもいかに車高を下げられるかが注目されます。
そのため車高をただ下げるだけでなく、純ベタの多くの仕様ではタイヤの上部がが車体のタイヤハウスの中にまで入り込むまで短くされており、ボディが純正なのでローダウン化にはどうしてもそういった形になるのです。
さらには「ネガティブキャンバー(通称ネガキャン)」と呼ばれるタイヤをハの字にする構造をノーマル仕様より大幅に変更し、タイヤが前から見て思いっきり斜めに取り付くようにする仕様もよく見られます。
タイヤを斜めにすることでまっすぐ使うときよりも上下の高さを減らすことができ、結果的によりローダウン化を進めることができるのです。
ネガキャン化は純ベタで必ずしも行わなくてもよいものではあるのですが、より純ベタを追求したカスタマイズカーなどではよく取られる手法です。
では次にそんな純ベタがどのようなものなのかを、画像などでご紹介していきましょう。
純ベタの実例
純ベタのカスタマイズカーについてはtwitterにさまざまな車種の画像が投稿されており、皆さん自分の自慢の1台をご紹介されています。今回はその中からいくつか純ベタの実例をご紹介しましょう。
固定ツイート#かっこいいと思ったらRT#18クラウン#車高短#純ベタ#オーナーあばれる #バンバンRTお願いします pic.twitter.com/4gxDhINCWr
— 坊 (@gdfr9981) July 23, 2019
こちらの方はトヨタ クラウンの通称18クラウンでの純ベタ仕様を作り上げられており、かなり地面にベタベタなローダウン仕様となっています。
しかし装着されているボディキットとエアロパーツはまさにトヨタ純正仕様のものであり、ボディラインだけを見れば純正車とかわりません。
しかしその強烈なタイヤのローダウン化やいわゆるネガキャン化したホイールは車のフォルムに大きな影響を与えており、ひと目で普通の車でないことはわかるでしょう。
#年齢と車見ていいと思ったらrt
19歳です。
20までにセルシオある程度形まで持っていきたいです😇
純ベタしか乗ったことない😅 pic.twitter.com/8SZx9NXbyA— ふ (@fumiya_91) May 30, 2020
この方はトヨタ セルシオでの純ベタカスタムカーに乗っておられ、それまでのカスタムの経緯のような画像が投稿されています。
純ベタなのでボディはノーマル仕様のままですが、タイヤが次第にネガキャン仕様になっていっており、それに伴って車高も下がっていますね。
#年末チェイサーユーザー相互フォロー祭り
純ベタが好きです、チェイサーじゃなくてもツアラー乗ってる人フォローしてくださいm(_ _)m pic.twitter.com/MibBhqXQP9— keita (@keita7766JZ) December 26, 2016
こちらの方はトヨタ チェイサーの純ベタ車に乗っておられ、かなりしっかりローダウン化された車に仕上がっていますね。
純ベタのカスタマイズカーは純正ボディということで都会に溶け込むフォルムとなっており、こういった港町にはピッタリのデザインですよね。
センスある人はどんな車乗ってもカッコいいな😊
そんな僕はセンスなさすぎダサすぎ目指してた純ベタすら出来てない😱
めちゃくちゃツラウチ…
せめてツラくらい攻めたいな! pic.twitter.com/rRNA5Mbv3N— たいすけ (@bmwf10_5927) December 5, 2017
こちらの方はどうやら自分でカスタマイズして純ベタを目指していらっしゃいますが、完成形が微妙だったようでダサいとまでおっしゃっていますね。
純ベタではカスタム要素が主にサスペンションとなるのですが、そのセッティングによって微妙なバランスでカッコよさやダサさが決まるようですね。
ふーたさんの14見て純ベタに憧れたけど地元が坂と段差しかないってくらい道悪いから純ベタにしたい欲望は一瞬で崩れ落ちた😇
— ひろ (@pon_HIRO_pon) December 4, 2016
こちらの方は純ベタの車を目指していろいろ検討されていたようなのですが、断念された理由は地元の道路事情だったようです。
純ベタにはいろいろなメリットはあるもののローダウン化ということで車が走れない道路も増えてきてしまうデメリットがどうしてもあります。
純ベタのメリット
純ベタにはローダウンカスタムとしていろいろなメリットがあり、主に次のような点から純ベタにこだわる人が増えています。
純正車のラインそのままで統一感がある
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まずなにより純ベタのメリットは車のデザイン的な統一感で、純正のデザインならではの整ったラインが得られます。
エアロパーツによる車の外観のカスタマイズはノーマル車とは違った特徴的なデザインを手に入れられることがメリットですが、スポイラーやフェンダーなどに社外品のエアロパーツを装着すると車の全体的なデザインが多少崩れることがあります。
車のカスタムパーツはその車専用に設計されたものがほとんどなので装着がまずいわけではないのですが、エアロパーツのデザインはそれぞれ特徴的なラインを新たにデザインに加えることになるので、どうしても複雑でまとまりのないものになりがちです。
そのあたりを突き詰めるにはいろいろなエアロパーツを試して装着することになるのですが、それには手間も費用もかかってしまいます。
しかし純ベタのカスタマイズであれば車全体のデザイン的な統一感はしっかり取られていて、メーカー純正のパーツのラインやデザイン的なまとまりそのままにローダウン化ができます。
また社外品エアロを装着すると部品のバラツキなどによってどうしてもカスタマイズパーツと車体の間の隙間が大きくなり、車の外観の印象がルーズになってしまいます。
その点もノーマルボディやメーカー純正エアロであれば部品の完成度や組付けの精度が高く、部品同士の隙間も小さく仕上がります。
純正車なので社外エアロパーツより派手さは多少下がるものの、シンプルでまとまり感のあるデザインがなにより純ベタの特徴です。
エアロパーツに別費用がかからない
もう一つ純ベタ仕様のメリットとして大きいのは費用面の影響で、社外パーツを使ったローダウンカスタムに比べれば大幅に費用を減らすことができます。
一般的なローダウンカスタムでは主にエアロパーツの導入と車高調サスペンションの導入が一般的で、両方を組み合わせることでエアロボディと車の最低地上高下げを行います。
しかし費用面で見るとエアロパーツは車のフロント、サイド、リアそれぞれに装着しなければならず、このフルエアロだけでも何十万円もかかってしまうところです。
さらに車高調サスペンションなどでさらに100,000円〜200,000円ぐらいは必要であり、トータルで考えると300,000円以上かかってしまうこともザラでしょう。
加えてこれらのエアロパーツやカスタムパーツにはその取り付け費用や塗装費用なども必要となり、ローダウンカスタムをしっかり行うためには費用的な負担はかなり大きいのです。
しかし純ベタのローダウンカスタムであればボディやエアロパーツはあくまで純正仕様をそのまま利用するので、車の新車購入時にオプション価格でかかってくることを除けば車にそのままついているものを使うので追加費用がかかりません。
純ベタでも車高調サスペンションは必須になるのでその部品代や取り付け費用はもちろん必要ですが、一般的なローダウンカスタムに比べればエアロパーツの費用がかからない分大幅に安価に仕上がるでしょう。
またエアロパーツの取り付け費用や塗装費用なども不要なので、この費用面が純ベタの大きなメリットになっています。
カスタマイズにかかる費用が安価で済むということで中古車をベースにした純ベタカスタムは積極的に行われており、さまざまな旧車を純ベタに仕上げた車が多く見られます。
ノーマルエアロなので走行しやすい
純ベタカスタムは装着されているエアロパーツがメーカー純正品ということもあり、同じようなローダウンカスタムで社外品エアロを導入する場合よりも多少運転しやすいメリットもあります。
エアロパーツを装着したローダウンカスタムでは地面を這うような低いフォルムがかっこいいのですが、外観デザインのカッコよさに反してその運転にはかなり注意を必要とします。
ローダウン化によって車のフロントバンパーやリアバンパーなどが地面に非常に近い位置まで接近しており、ちょっとした段差や凹凸を乗り越えようとしただけでもそこに装着されたエアロパーツを擦ってしまったり、ぶつけて割ってしまうことがよくあります。
もともとローダウンカスタムはレーシングカーがベースですが、レーシングカーの走るサーキットには段差や凹凸などほとんどなく、同じようなデザインで一般道路を走るのはとても大変なのです。
しかし純ベタのエアロパーツはメーカー純正品が組み込まれているため、社外品のエアロパーツより幾分走りやすい形状です。
純正エアロパーツはスポイラーなどの角や下面が多少丸みを帯びた形状になっていることが多く、ローダウンしても段差や凹凸に乗り上げにくい形状となっています。
もちろんノーマルの車に比べれば最低地上高を大幅に下げているので段差や凹凸に対しては苦手になってはいますが、程度問題として純ベタのほうが走りやすいという方は多いです。
ローダウンカスタムは走りにくいというのが定説になっているので、経験した方であれば純ベタのメリットをより感じられるでしょう。
もしボディが破損しても交換部品を入手しやすい
純ベタのローダウンカスタムでは社外品のカスタムよりも破損しにくいというメリットがありますが、たとえ破損したとしても交換部品が手に入れやすいという点もメリットです。
純ベタではメーカー純正のボディパーツやエアロパーツを使っているので、前述で触れたようにカスタマイズの際にエアロパーツなどに使う費用が少なくなります。
その特徴はパーツの破損に対しても強く、純ベタでも起こりうるエアロパーツやボディパーツの破損がもし起こっても交換部品としてその車の純正パーツが使えるのです。
メーカー純正パーツは価格だけで見るとカスタムパーツのボディパーツよりも幾分安価であり、破損したパーツを修理する際に交換しやすいのは便利です。
またメーカー純正パーツは中古部品としても流通量が多く、新品部品に限らなければより安価に交換部品を手に入れられるでしょう。
それこそ社外品エアロを装着するときに不要となる純正部品などが市場には供給されており、それを純ベタであればそのまま修理部品として使えます。
また旧車などをベースに純ベタに仕上げたときにもカスタムパーツだとパーツ供給がないこともありますが、純ベタなら比較的純正部品の流通があるので修理を考えても安心です。
純ベタのデメリット
純ベタには前述のようなメリットがあるのですが、一方で次のようなデメリットもあります。
サスペンションの調整幅が小さい
まず純ベタで特に悪影響が出るのが車の足回りで、ローダウン化するために車高を落とす際に大きく変化する点です。
純ベタでは車のエアロパーツは純正のままでローダウンすることになるので、最低地上高を低くするには車高調サスペンションによってタイヤと車体の位置関係を一気に下げなければなりません。
特に地面にベタベタにしようとするとサスペンションのストローク量を大幅に減らして短いサスペンションにしなければならないので、車の運転性や安定性が大きく変化します。
特にサスペンションのストロークが減ることで走行性能などをカスタマイズできる調整幅がかなり小さくなってしまっており、車の走りという点では一般的なローダウンカスタムよりも不利な部分が出てきてしまいます。
一般的なローダウンカスタムであれば地面ベタベタにするためにエアロパーツなどで最低地上高を下げ、さらに車高調サスペンションを組み合わせることで合わせ技でローダウン化ができます。
そのためサスペンションの調整幅は比較的確保しやすくなるので、走行性能や乗り心地も考えたカスタマイズも可能となります。
しかし純ベタではどうしてもローダウン化のしわ寄せがすべて車高調サスペンションに乗ってくるので、その点で悪影響は避けがたいものです。
大径ホイールとタイヤの装着が難しい
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純ベタカスタムでは車高調サスペンションを入れて車高を落とすのですが、車体は純正のままということで大径のホイールを装着するのがなかなか大変です。
車のカスタマイズにはホイールやタイヤも重要な要素であり、デザイン的に素敵なアルミホイールや鍛造ホイールなどを組み合わせることがよくあります。
またタイヤの径や扁平率についても車のデザインに関わる要素なので、こだわりだすとキリがない要素です。
大径のタイヤやホイールを収める際には車のエアロパーツやオーバーフェンダーなども一緒に組み合わせることが多く、法規的にタイヤハウス内にタイヤは収めないといけないのでボディ側をカスタマイズすることで対応したりします。
しかし純ベタカスタマイズでは車のボディやエアロパーツはあくまで純正という前提があるので、前述のような形で大径タイヤを収めるようなボディのカスタマイズができません。
そのため純ベタではタイヤサイズやホイールの種類にもある程度の制限がかかり、ローダウン化することでタイヤとボディの距離も一気に縮まるのでより難しくなります。
もし大径のタイヤを採用したいのであればタイヤハウスの中に半ば入り込むような形で装着するように、タイヤハウス内部の改造が必要になります。
それでも幅広のホイールなどは収めるのはやはり難しく、タイヤを外にはみ出させることができないのが大きなネックとなります。
その際行われるのがタイヤのネガキャン化で、タイヤを車の前から見てハの字に大きく開くことでタイヤの上側はボディ内に収まり、下側は外に大きく張り出して大きなタイヤを収めたりします。
なお純ベタではホイールやタイヤもメーカー純正品とするという方もいらっしゃいますが、実際にはそこまでの縛りはあまりないようです。
ネガキャン化によりタイヤの偏摩耗や運転性が悪化する
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タイヤの大径化やローダウンを極めるために純ベタではタイヤのネガキャン化がよく行われますが、ネガキャンによる悪影響がさまざまなところで現れてきます。
ネガキャン(ネガティブキャンバー)は車のタイヤをハの字に開く方向に角度をつけることを指しますが、もともとノーマルの車にもごく小さな角度でネガキャンはつけられています。
タイヤがハの字に開くことで車の旋回時にタイヤが内側に倒れないようになり、しっかりしたグリップを発揮することで安定した旋回性を確保できます。
ネガキャン化することでハンドルの操舵力が増えてしまうデメリットはありますが、最近の車はパワーステアリングが標準装備されているので実際的なデメリットは生じません。
しかし純ベタではノーマルのわずかなネガキャンより大幅に角度を開くようなセッティングが多く、これは走行性などの実用的な面よりタイヤハウスにタイヤが収まるようにしたり、ローダウン化するためにベタベタに下げるために行うサイズ的な面がほとんどです。
そのため大幅なネガキャン化による悪影響が如実に現れるのですが、タイヤが面ではなく内側の門で地面と接するようになるのでタイヤの偏摩耗がかなり起こって消耗が激しくなります。
また接地面が減ることで直進時のグリップ力なども低下するので直進安定性も低下するなど、車の性能としては大幅なネガキャン化でのデメリットは大きくなります。
しかしそれでも純ベタは外観のデザインが何より重要なカスタマイズなので、ネガキャン化の悪影響はある程度覚悟しなければならないでしょう。
純正エアロなのでインパクトが少ない
純ベタでは純正のボディやエアロパーツをそのまま使うのが最大の特徴なのですが、車のカスタマイズとしては多少インパクトにかける部分はあります。
車のエアロパーツなどによるカスタマイズはノーマルの車と大きく外観デザインを変更することで、普通とは違った価値観を得られる点に面白い面があります。
もともとの車がおとなしめのデザインでもエアロパーツの組み合わせによって一気にスポーティになったり、ラグジュアリーになったりするので、自分だけの1台を作り上げることができます。
またローダウン化によってもずいぶんスタイルが変化するので、エアロパーツとの組み合わせによる変化は非常に幅広いものです。
しかしそれに対して純ベタのカスタムではあくまでボディやエアロパーツが純正パーツなので、外観のカスタム要素としてはサスペンションやタイヤのみとなります。
そのためフルエアロのローダウンカスタムに比べると少しインパクトにかける部分はあり、前述で触れたように純正パーツの完成度の高い外観ではありますがおとなしい印象があるのも仕方ない面です。
中には「純ベタはダサい」とおっしゃる方もいらっしゃるのですが、それはカスタマイズカーとしての変化が比較的少ないということが影響していそうですね。
車検に通らないことがある
純ベタはローダウンカスタムのひとつですが、ローダウン化全般に言えるデメリットとして車検対応できない場合があります。
車検は2年もしくは3年ごとに一度車の各部を検査される法定検査ですが、その要件の一つに車の最低地上高の規制があります。
昔はローダウン化自体が違法とされていた時期もあったのですが、現在では規制が緩和されてある程度までのローダウンであれば車検対応となっています。
その規制は地上からの最低地上高が9cm以上確保できているかが重要な点であり、純ベタのローダウンカスタムでもこれ以上の位置にボディやエアロパーツが位置しているかが重要な判断基準となります。
ただし実際にはエアロパーツが樹脂製の場合にはこの基準の対象外となるので、金属製のボディなどが引っかからなければ大丈夫なことが多いです。
しかしボディやエアロパーツが9cm以上確保されていたとしても、最低地上高は車全体の地面からの距離に適応されるのでその他の部分に見落としがあると車検に通らないことがあります。
たとえば車の床面の車体部分やマフラーなどがローダウン化によって下がりすぎていると基準未達となってしまいます。
ローダウン化でボディやエアロパーツを確認できていてもその他の部分で確認不足の場合にはいらないトラブルとなるので、床下を重点的に確認しましょう。
純ベタのやり方
純ベタのカスタマイズは基本的なカスタムは車のローダウン化にあり、そのコンセプトからボディやエアロパーツは純正のまま手を付けません。
ローダウン化するためには前述したようにサスペンションを車高調サスペンションに変更したり、タイヤのネガキャン化を行うのですが、これらには専用のカスタムパーツが必要であり部品交換を行います。
足回りの交換やセッティングは専門的な知識が必要なので基本的には民間自動車工場などに依頼するもので、交換部品なども向上などから発注してもらうほうが安心です。
またローダウン化のセッティングにも専門の知識がいるのですべておまかせできる業者を探すと良いでしょう。
車高調サスペンションは車高をミリ単位で細かく変更できる装置を備えたサスペンションとなりますが、その調整は車に装着した状態では楽に調整できないので、あらかじめ地面から何cmまでの位置までローダウンするのかを決めておきましょう。
最初のうちは車の挙動や走りやすさなどを見るためにある程度のローダウンにとどめ、少しずつローダウンを進めていくほうが良いでしょう。
またネガキャン化についても同様であり、車の走りに変化が現れるので少しずつ調整すると良いでしょう。
調整の際にはその都度自動車工場にお願いすることになるので、馴染みの業者を見つけておくと便利です。