ポルシェ ケイマンはポルシェのスポーツカーの中では中級モデルで、国内でも人気のある車種です。
今回はそんなポルシェ ケイマンの故障に関してご説明します。
ポルシェ ケイマンの故障率
ポルシェはドイツ初のスポーツカーメーカーで、「911」というスポーツカーが特に有名です。
ケイマンはそんな911より低価格のモデルとして生まれたスポーツカーで、2005年に登場するとその手頃感とスタイルの良さなどから一気に人気車種となりました。
ケイマンは911よりも一回り小さな車体、性能の抑えめなエンジンを搭載し、より軽量で取り回しの良いスポーツカーとなっています。
ですがエンジンの配置や水平対向エンジンの採用などは911と同様の仕様をもっており、ポルシェのスポーツカーとして変わらぬ魅力を持っています。
2005年に初代モデルが登場して以来フルモデルチェンジを何度か行っており、現行車は3代目となります。
そんなポルシェ ケイマンの故障に関しては、つぎのような面から見ることができます。
ポルシェの自動車耐久品質調査
ポルシェに限らず自動車の故障率や不具合率などはメーカーが市場調査を行ってデータを収集しているのですが、このデータは社外秘のデータで一般には公開されません。
そのため私達がこういったデータを見るためには、メーカーとは別の民間調査会社が独自に調査しているデータを見なければなりません。
その一つが米国J.D.パワー社が公開している自動車耐久品質調査で、この調査では各国市場で新車を購入したユーザーから、3年〜5年経過時の不具合件数を聞き取り調査します。
そしてそれをメーカーごとのランキングとして毎年公表しており、メーカーの信頼度を表す1つの指標になっています。
ポルシェは日本市場では販売台数が少ないことから対象外となっていますが、米国で同様の調査が行われていることからこちらを参照します。
ランキング | メーカー | スコア |
1 | レクサス | 99 |
2 | ポルシェ | 100 |
3 | ビュイック | 116 |
4 | インフィニティ | 120 |
5 | キア | 122 |
6 | シボレー | 124 |
6 | ヒュンダイ | 124 |
8 | BMW | 127 |
8 | トヨタ | 127 |
10 | リンカーン | 133 |
10 | 日産 | 133 |
業界平均 | 142 |
この調査では米国メーカーはもとより日本メーカー、ドイツメーカーのほとんどである30メーカー以上がランキングに入っていますが、ポルシェはその中でもトップ2にランクインしており、信頼性の高さはかなりの高ランクです。
トップは日本のレクサスですが、スコアの上ではほぼ同等であり、米国市場ではレクサスと同程度の信頼性を持っていることになります。
一方でレクサス以外の日本メーカーはもう少しランキングでは下であり、信頼性では優秀な日本メーカーも現在はポルシェのほうが評価が上ということになります。
日本でも輸入車は数あれど故障が多いというのが一般的ではありますが、ポルシェに関しては昔から故障が少ないという評価が強く、それが数字で表されたことになるでしょう。
ポルシェ ケイマンの信頼性調査
J.D.パワー社では前述の調査以外に車種単体の信頼性評価も公表していますが、これは何%というような数字での評価ではなく星5点満点の評価となります。
参考 2019 Porsche Cayman Reliability & RecallsU.S. News & World Report上記が最新のポルシェ ケイマンの信頼性評価ですが、星4点を獲得しており、平均点の3点よりも高い評価です。
この調査は毎年更新されますが、ケイマンは何年も星3.5点〜4点程度で推移しており、信頼性評価でも高い点をコンスタントに取っているといえるでしょう。
また同評価で日本車の多くも星4点前後を獲得しており、ポルシェ ケイマン日本車と遜色ない信頼性を持っているといえるでしょう。
加えてケイマンは一般的に信頼性の低いといわれるスポーツカーであるにもかかわらず、こういった高い信頼性を持っているのは驚くべきことです。
中古のポルシェ ケイマンの故障しやすさ
ポルシェ ケイマンの信頼性の高さは中古車市場でもよく注目される点であり、そのことからポルシェは全般的に中古車価格が高止まりすることで知られています。
新車の価格から中古車価格がどれだけ減ったかを示すリセールバリューという指標でもポルシェは常に高い割合を保っており、輸入車の中では随一の結果を持ちます。
その理由の多くはやはり故障が少ないこと、信頼性が高いことであり、長年ポルシェが高い評価を受けてきたのです。
とはいえポルシェも決して故障しないわけではなく、年式が古い車、走行距離の多い車は故障率は増加傾向にあり、とくに年式10年、走行距離100,000kmを超えるような車は避けたほうが良いでしょう。
ポルシェの特徴として、故障自体は少ないものの一度故障すると修理費用が高額という点があり、このあたりは輸入車である限りは仕方ない面もあります。
中古車としては新車価格からあまり落ち込みがないことから安いケイマンを選びがちかも知れませんが、修理費のことまで考えると状態の良い中古車をあらかじめ選んでおいたほうがよいでしょう。
ポルシェ ケイマンオーナーの評判
ポルシェ ケイマンの故障に関してはTwitterにも多数投稿されていますが、やはり好意的な評価が多くなっています。
一度乗ると病みつきなります✨
初代ケイマンや996なら低走行でも300万円でお釣りきますよ~🚗国産車の新車並みのお値段です。
故障も少ないので通勤などにも使えます❕
是非ともポルシェ仲間になりましょう😄
— パフィット@起業する30代の薬剤師 北海道 (@pafit_pafit) March 31, 2019
こちらの方はケイマンにお詳しいようなのですが、故障が少なく通勤にも問題なく使えるということで、意外に実用的な面もあるようです。
しかも初代のケイマンであれば3,000,000円以下という低価格で手に入れられるそうで、状態が良ければかなり良い買い物ではないでしょうか。
インスタのフォロワーさんの987前期ケイマンがピストントラブル起こして修理費200万くらいらしい…
僕のボクスターもいつ発症するかわからない…
— コウタ (@cua_760) June 9, 2019
こちらの方のお知り合いは残念ながらケイマンでエンジンの故障に遭われたようですが、その修理費はなんと2,000,000円ということで、非常に高額な修理費用となっています。
国産車で同様な修理でも数十万円規模のものでしょうが、このあたりがポルシェが故障して怖いところといえるでしょう。
明後日は大安じゃないけどねー
友引は、午前と午後は大丈夫で、省吾・・・じゃなくて正午はダメだそうです|д゚)ハマショー?
正午って、11:00~13:00なのかな(´-ω-`)?ケイマンSは大安納車で、ラジエターの水量センサーのカプラー故障したしな(´-ω-`)
今のBRZは確か、正午以外ダメな赤口だったしな(^^;— まあ3🍎🌻 (@maa003) January 30, 2019
こちらの方のケイマンはラジエーターの水量センサーの故障ということで、そこまで重大なトラブルではありませんが修理をされています。
センサー系の部品は国産車でも故障しやすい部分であり、ポルシェでも比較的故障は多いです。
ポルシェ ケイマンの故障事例
ポルシェ ケイマンは信頼性が高いとはいっても故障しないわけではなく、いくつか代表的な故障事例があります。
エンジンからのオイル漏れ
まずケイマンで多いトラブルとしてはエンジンからのエンジンオイル漏れがあり、これは水平対向エンジンというエンジンの特徴上起こりやすいトラブルといえます。
エンジンオイルはエンジンのピストンやシリンダー、回転部などさまざまな場所を循環しており、潤滑、冷却、油圧フルードなどさまざまな役割を果たしています。
ポルシェの水平対向エンジンで多いのはシリンダーブロックやシリンダーヘッドなどからのオイル漏れで、何れもシリンダーと別部品の接合部のガスケット部分です。
水平対向エンジンはシリンダーが水平に配置されていることからオイルがガスケットに触れており、直列エンジンやV型エンジンに比べるとオイル漏れが起こりやすい構造になります。
オイル漏れが起こる原因はガスケットの経年劣化にあり、数万km走行すると少しずつオイル漏れが発生します。
最初はエンジンオイルのにじみ程度から始まりますが、そのまま放置しているとどんどん漏れは大きくなりたれてくるので、オイルにじみが見つかった段階で修理が必要です。
ただ修理にはエンジン分解を行なうため作業費用などが大きくなり、数十万円規模の修理となるでしょう。
冷却水漏れ
もう一つ漏れ関係のトラブルで多いのは冷却水で、これもエンジンを循環して冷却を行なうものです。
エンジンから車前方のラジエータまでホースが繋がっており、ラジエータで空冷した後にまたエンジンに循環します。
冷却水もエンジン内部や外部と様々な場所で接触しており、それらの部位にはガスケットやゴムシール、ゴムホースなどでシールがされています。
ですがやはりこれも経年劣化によって性能が低下すると漏れが発生するようになってくるので、そうなったら修理が必要です。
冷却水漏れが起こりやすい部位としては、ウォーターポンプ、ラジエーター、ゴムホースなどです。
ガスケットやゴムホースだけの交換なら数万円程度で済みますが、ウォーターポンプ自体の交換では100,000円前後、ラジエーターともなると数十万円の修理費用がかかります。
電気系統の故障
ポルシェでも輸入車に多い電気系統のトラブルは比較的多く、特にセンサー系は部品交換の頻度が多い箇所です。
近年の車はエンジンにも車体側にもさまざまなセンサーを持っており、ケイマンも各部の電子制御化がかなり進んでいます。
ですがセンサー系の部品はデリケートであり、経年劣化などによって動作不良を起こすことが多いです。
特にエンジンの排気系や吸気系など条件の厳しい箇所のセンサーは故障しやすく、数万km走行したエンジンはセンサー故障によってエンジンが停止する場合もあります。
これらセンサーは比較的交換しやすいような一に取り付けられていますが、水平対向エンジンはもともと作業スペースが狭くディーラーでなければなかなか満足な作業はできません。
センサー単体の価格は数万円程度ですが、修理費用も含めると100,000円前後は費用が必要でしょう。
ポルシェ ケイマンは買っても大丈夫か?
ポルシェ ケイマンは日本でも昔から人気が高く、ポルシェ独特なデザインと走行性能を持つにもかかわらず値段が抑えめで手に入れやすい車でした。
それは3代目となった現行のケイマンでも続いており、乗り換え需要などによって中古車市場にも多くのケイマンが供給されています。
また前述で述べたようにケイマンは輸入車としては特段に信頼性が高い車であり、国産車に匹敵するものを持っています。そのため故障という観点から見れば非常に優秀なスポーツカーであり、輸入車といえるでしょう。