フォード エクスプローラーはアメリカを代表するSUVで、日本にも以前は正式輸入されていました。
今回はそんなフォード エクスプローラーの故障に関してご説明します。
フォード エクスプローラーの故障率
参考:www.ford.com
フォード エクスプローラーは1990年からアメリカで発売されている大型SUVで、長年アメリカの販売台数で上位を占める人気車です。
フォード エクスプローラーは現行車で5代目となりますが、4代目までは直線基調の力強いデザインを持つ大型SUVでした。
しかし5代目からは世界的なクロスオーバーSUVの人気の流れに乗り、初めてFFベースのクロスオーバーSUVへと進化を果たしました。
デザインも一気にスタイリッシュでスポーティなものへと変化し、新たな魅力を獲得しています。
なお日本へは2015年まで各年代のエクスプローラーが輸入されていましたが、2015年にフォードが日本市場から撤退したことで、現在では日本国内の販売は在庫車のみとなります。
そんなフォード エクスプローラーの故障に関しては次のような点から見ていきます。
フォードの自動車耐久品質調査
フォードは米国メーカーで日本ではそこまで販売台数が多くはありませんが、それでも故障率などのデータは自社でデータを収集しています。
しかしそのデータは社外秘の機密データとなっており、一般には決して公開されないものです。
そこでメーカーとは別の民間調査会社が調査、公表しているデータを参照しなければならず、この分野で信頼性の高い米国J.D.パワー社の「自動車耐久品質調査」が参考に出来ます。
この調査では各国市場ごとに新車を購入したユーザーから3年〜5年経過時の不具合件数を集計し、それをメーカーごとのランキングとしたものです。
フォードは日本市場では販売台数が少なくこの調査の対象となっていないので、米国市場での調査結果を参考にします。
ランキング | メーカー | スコア |
1 | レクサス | 99 |
2 | ポルシェ | 100 |
3 | ビュイック | 116 |
4 | インフィニティ | 120 |
5 | キア | 122 |
6 | シボレー | 124 |
6 | ヒュンダイ | 124 |
8 | BMW | 127 |
8 | トヨタ | 127 |
10 | リンカーン | 133 |
10 | 日産 | 133 |
業界平均 | 142 | |
16 | フォード | 152 |
フォードはこの調査で全体の16位につけており、不具合件数の多さを表すスコアは業界平均の142ポイントを少し超える152ポイントとなっています。
一方でトヨタや日産、ホンダなどは業界平均を上回る結果を得ており、全体的に見れば日本メーカーよりフォードは故障が多いといえます。
この結果はエクスプローラーの故障率を表すものではありませんが、メーカーごとの同クラスの車としてみた場合には日本車より不具合件数が多い傾向にあるでしょう。
フォード エクスプローラーの信頼性調査
J.D.パワー車では自動車耐久品質調査の他にも車種ごとの信頼性評価の結果を公表しており、明確な数字ではありませんが最大星5点、平均星3点の評価で公表しています。
参考 2019 Ford Explorer Reliability & RecallsU.S. News & World Reportフォード エクスプローラーの最新の結果は上記となりますが、最新の結果は星3点ということで平均的な評価となっています。
ですが何年か前の評価を見てみると、星2点〜星3点の間で推移しており、平均を超える信頼性評価は得られていません。
一方で日本車の同クラスの車種では星4点付近となっている車が多く、平均以上の信頼性評価を持つ車種がかなり多いです。
つまりフォード エクスプローラーは信頼性評価的にも日本車には及ばないということになるでしょう。
中古のフォード エクスプローラーの故障しやすさ
フォード エクスプローラーは中古車市場にもそれなりの台数が存在しており、昔から輸入されていたこともあってその年式や走行距離はさまざまです。
一般的に輸入車の中古車は国産車よりも故障が多い傾向にあり、年式や走行距離に関してはより新しい車を選ぶ必要があります。
年式に関しては5年以上、走行距離は50,000km以上経過していたら故障は増加傾向にあると見て良いでしょう。
また年式10年以上、走行距離100,000kmを超えるようなエクスプローラーの中古車は、重大なトラブルが起こる可能性が高くなります。
現行車の中古車であればまだ状態の良い車は多いのですが、それ以前の世代のフォード エクスプローラーは故障がかなり増えることでしょう。
フォード エクスプローラーオーナーの評判
フォード エクスプローラーの故障に関してはTwitterにもさまざまな情報があがっており、その中からいくつかご紹介します。
今まで車2台持ちだったけど故障多くてガレージで引きこもり状態だったフォード エクスプローラーの買取価格が思った以上に高くてびっくり!なんか嬉しい。売る事にしました!
— ガーラ(Shiun.S) (@HI_Gasara) May 23, 2019
こちらの方はフォード エクスプローラーと別の車の2台持ちを続けてこられましたが、その間エクスプローラーのほうは故障が多いことであまり乗れないことが続いていたようです。
そんなエクスプローラーですが中古車市場では人気が高く、買い取りは好調だったようですね。
ブレーキホース破損でフルード漏れだとぉ?
これでぼく車のブレーキ関連で故障するの3回目やぞ…
1回目→フォード・エクスプローラーでブレーキパイプ割れ
2回目→シボレー・ブレイザーでキャリパー断裂
3回目→ブレーキパイプ漏れブレーキ壊れるなんて僕の人生みたいだな
— KZNT(かず) (@55taro) January 14, 2017
こちらの方はさまざまな輸入車を乗り継いでこられたようですが、フォード エクスプローラーの時にはなんとブレーキパイプが破損するという重大なトラブルに遭われています。
ブレーキパイプが破損すれば当然ながらブレーキが効かなくなりますので、非常に危ないトラブルですね。
フォードエクスプローラーのチェックランプ点灯修理です!
チェックランプ点灯とエンジンが止まってしまう症状でお預かりしました。
今回はスロットルポジションセンサー不良と分かりました。
最近の車両はセンサーがスロットルボディと一体になっているためスロットルボディごとの交換となります。 pic.twitter.com/In5rYmCkBH— CALWING/213MOTORING (@CALWING213) January 22, 2019
こちらの方のエクスプローラーはエンジンが停止するトラブルに遭われていますが、原因はエンジン部品のセンサーの故障のようです。
こういった電気系統の故障は輸入車には多く、フォード製のエンジンも例に漏れず故障は多いです。
フォード エクスプローラーの故障事例
フォード エクスプローラーの故障事例はさまざまなものがありますが、その中で代表的なものをご紹介しましょう。
エンジンの電気系統の故障
まず前述のツイートにもありましたが、エンジン系の電子部品はトラブルが多く、そのたびにエンジンチェックランプが点灯し、エンジンが停止することもあります。
近年のエンジンは環境対応やスペックの向上のために電子化が進んできており、フォード製のエンジンも大部分が電子制御系の部品になっています。
ですがこれらの部品はトラブルが多い箇所でもあり、高温多湿の日本に輸入してくるとトラブルが増加する傾向にもあります。
電気系統と言っても様々な部分がありますが、トラブルが多いのは各種センサー類で、吸気系、排気系のセンサーは故障しやすいです。
これらの修理にはセンサー1箇所ならば数万円ですが、別の部品と一体化している場合もあり、この場合は100,000円前後の修理費用がかかります。
ほかにはイグニッションコイルと呼ばれる点火系の部品も故障することが多いですが、この部品はコストが高く交換には100,000円〜200,000円必要となります。
こういった電気系統の故障はエンジンの経年劣化によってどんどん増えていきますので、長年乗り続けるのであれば維持費がどんどん増えていくことになります。
天井からの雨漏り
参考:www.ford.com
フォード エクスプローラーで意外なトラブルとしては雨漏りがあるのですが、特にサンルーフを付けている部分からの雨漏りが起こりやすいです。
車のドアや窓、サンルーフなどには雨漏りを防ぐために水密シールが設定されており、このゴム部品と車体の間で水漏れが防がれています。
ですがゴム部品は経年劣化によってその性能が低下する傾向にあり、最終的には劣化が進んで雨漏りが起こることになります。
特にサンルーフは屋根の上にあって雨がもっとも降りかかる箇所にありますので、特に雨漏りがしやすい部位です。
国産車でも同様のトラブルが起こる可能性はありますが、それでも起こるまでは10年以上かかる場合がほとんどです。
ですがフォード エクスプローラーでは5年経過後ぐらいから次第にトラブルが増えてくる傾向にあり、雨漏りが起こった箇所は即座に修理が必要です。
修理には水密シールの交換が必要となりますが、それには100,000円〜200,000円近い修理費用がかかりますし、また一度修理したとしてもその後数年経ったら再発する場合もあります。
補機類の故障
補機類はエンジンに取り付けられてエンジン動力で動作する機器類のことで、その主なものはオルタネーターやエアコンコンプレッサーなどがあります。
これらは経年劣化による故障が起こりやすい部品で、特にエンジンの回転をベルトによって伝達されている回転部分が問題となります。
補機類の回転部分にはベアリングがあるのですが、長年高速回転を続けるとベアリングにガタが発生し、その結果異音や異常振動の原因となります。
この問題は走行距離がが多くなると多く発生するのですが、おおよそ走行距離50,000km以上で発生確率が高まります。
修理には補機の交換が必要ですが、輸入車の補機は交換部品の値段が高く、一箇所で100,000円〜200,000円はかかります。
関連部品まで交換するとかなり高額修理となるのですが、特にオルタネーターなどは動かなくなるとエンジンもかからない状態になってしまいますので、異音や異常振動が出てきたら即座に交換が必要です。
フォード エクスプローラーは買っても大丈夫か?
フォード エクスプローラーは日本車にはない大柄なボディと余裕のある室内空間、力強いデザインなどでSUV好きの人にとってはたまらない魅力が満載の車です。
ですが故障に関してはどうしても弱い部分が多く、長年乗りつづけるには修理や部品交換による維持費がかかってきます。
それ故に前述のツイートにもあったようになかなか乗れないという場合も少なくありません。