「カムリを買おうと思ってるんだけど、ちょっと迷ってるんだよね」
「カムリの長所と短所について、評価がどうなってるかくわしく知りたい!」
車を購入するとき、長所と短所をよく調べてから購入したいですよね。
購入後に致命的な欠点に気づくと、ショックはかなり大きいです。
トヨタ・カムリにはどんな長所があって、どんな短所があるんでしょうか?
実際に試乗してきた経験から、カムリの魅力と欠点について、写真つきで辛口評価・レビューします。
カムリの魅力・長所
それでは魅力・長所から解説していきます。
高級セダンらしい外装デザイン
カムリは、外装がかっこいいです。いろんな角度から見てみましょう。
フロントは、ヘッドライトとフロントグリルの形が特徴的ですね。ギラついた感じで、インパクトがあってかっこいいです。
どちらかというと、若者向けのデザインだと私は思います。
高級セダンらしく、ボディが長いですね。同タイプのクラウンと比べると少しみじかく、車高も低くなっているものの、見た目の印象はほとんど変わりません。
ボディーカラーは7色(グレードによっては10色)から選択可能で、写真に写っているのはプラチナホワイトパールマイカです。
白系の色もまた、高級セダンの王道カラーですね。この形によく似合ってる。
リヤ部分はマフラーが1本しかなく、4本出しのクラウンと比べるとやや大人しい印象ですね。
機能性豊かな内装
カムリは内装に魅力・長所がたくさん詰まっています。私が個人的にいいと思った部分を挙げていきましょう。
メーターがアナログなのが嬉しい
(※この写真は私が試乗しているときに同乗者が後部座席から撮影したものです。)
カムリのメーターは、針でスピードを表示するアナログメーターです。個人的にデジタルメーターはかっこいいと思えないので、ここは嬉しいポイント。
真ん中のマルチインフォメーションディスプレイも、きれいで見やすいですね。
シフトレバーがかっこいい
カムリのシフトレバーは太くて重厚感があり、見た目・操作感ともにかっこよくて好印象。レザーのカバーがかかっていることで、高級感が出ていますね。
後部座席にもエアコン吹き出し口がついている
カムリには、後部座席用のエアコン吹き出し口がついています。位置は運転席と助手席の間です。
右側用と左側用の吹き出し口があり、それぞれ風向調節も可能。これによって、後部座席にすわるひとにも暑さ寒さの問題が起こりにくいですね。さすが高級車。
コンセントにつなげば家電が使える
カムリ(Xグレード以外)の後部座席と荷室には、メーカーオプションでAC100Vコンセントをつけることができ、消費電力1,500W以下の電気製品であれば車内で使用可能です。
1,500W以下というと、たとえば以下のようなものが使えます。
- スマホやゲーム機の充電(2.5W~15W)
- 電気毛布(50W~90W)
- 扇風機(50W~60W)
- ノートパソコン(50W~120W)
- マッサージ機(10W~90W)
- 電気シェーバー(10W)
- 電気ストーブ(400W~800W)
- 電気ポット(430W~1,250W)
- ホットプレート(1,350W)
電気シェーバーや電気毛布は主に車中泊する場合に使うものなので、ドライブするだけだったらあまり使う機会はないかもしれませんね。
マッサージ機は機種によって消費電力が大きく変わります。基本的にはハンド用のほうが消費電力が小さく、フット用のほうが大きいです。
電気ストーブは冬の災害時に役立ちますね。ホットプレートを使えばちょっとした調理もできちゃいます。
ドライブの快適性とは少し違いますが、ハイブリッドカーならではの魅力・長所ですね。
シートヒーターがついている
カムリにはWS “レザーパッケージ”グレードとG “レザーパッケージ”グレードにのみ、シートヒーターが標準装備されています。
シートヒーターは、一度体験してみれば病みつきになる暖かさで、初めて使ったときは感動しました。これがついていることは大きな魅力・長所のひとつでしょう。
パワーウィンドウスイッチの操作感が気持ちいい
カムリは、パワーウィンドウスイッチの操作感が特殊です。
ふつうの車は「カチッ」って感じですが、カムリは「カカッ」と細かく2段階で動く感じ。これが地味に気持ちよく、無駄に窓を開け閉めしたくなります。
特殊というか、最近こういう車が増えてきているので、トヨタの新型モデルは今後、みんなこういう作りになっていくのかもしれませんね。
車体は大きいけど運転しやすい
カムリは車体が大きめです。具体的には以下のサイズになっています。
- 全長4,885mm(グレードによっては4,910mm)
- 全幅1,840mm
- 全高1,445mm
全長がかなり大きいですが、実際に運転してみるとそこまで長くは感じませんでした。
全幅も大きすぎず小さすぎずといった感覚で、少なくとも街中を走るのに「大きすぎて運転できない」ということはまずないと思います。
全高はコンパクトカーのように低く、それでも乗り降りしにくくならないギリギリの高さです。
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過度に期待しなければ走行性能は優秀
カムリは走行性能が優秀。ここからは、私が試乗して感じた走行性能について解説します(グレードはG)。
加速はこだわりがなければ充分満足できるぐらいには速い
加速は速くもなく遅くもなく。ノーマルモード・エコモード・スポーツモードと試してみましたが、どれも大きな違いはないですね。
エンジン音がそこそこするので、自分でスピードを出している実感もまぁあり、そのせいであんまり速く感じないのかもしれません(エンジン音が静かだとアクセルを踏んでも自分でスピードを出している実感がわかず、気づかないうちにすごいスピードが出てることが多いんです)。
感覚的には、クラウンのターボモデル(2.0 S)とおなじぐらいの加速ですね。
なのにあちらはそこそこ速い印象でカムリはそんなに速く感じないのは、やはりエンジン音の大きさの問題でしょう。クラウンはとても静かで、自分でスピードを出してる実感がわきませんでした。
それでも加速にこだわりがなければ、カムリは充分満足できるぐらいの速さだと思います。
エンジン音はそこそこ大きいけど、過度に期待しなければ気にならない
エンジン音はそこそこ大きいけど気になるほどではなく、過度な期待をしなければうるさくは感じません。
ハイブリッドカーの特徴として、「エンジン音がしたりしなかったりするから、常にしているガソリンエンジン車よりも逆に気になる」というのがありますが、カムリは運転していてとくに気になりませんでした。
「静粛性」と「車に乗っている感」のバランスが取れていて良いですね。プリウスPHVのような、電気モーターの音だけが心地よく聞こえてくるような気持ちよさを期待すると、うるさく感じるかもしれません。
シートアレンジで荷室を少し広げられる
セダンタイプなので荷室と乗車スペースが別になっていますが、後部座席を前倒しして荷室とつなげることも可能です。
車内から見るとこんな感じ。ハッチバックタイプの車と比べるとこれでもせまいですが、長さのある荷物でも積むことができるのは、魅力・長所のひとつですよね。
燃費がそこそこ良い
カムリのGグレードは、燃費が良いです。メーカー発表で28.4km/lで、15分程度の試乗をしたときの実燃費は15.3km/lでした。
そこそこ優秀な数値ですね。燃費重視で車を購入するなら、カムリのGグレードをえらんでも失敗はしないでしょう。
ただ、エアコンをいちばん弱い風量でつけていたので、夏や冬でもっと強い風量でつければ、燃費はこれより悪くなります。
安全機能としてToyota Safety Senseがついている
カムリには安全機能として、Toyota Safety Senseがついています。具体的には以下の機能です。
- プリクラッシュセーフティ
- レーンディパーチャーアラート
- オートマチックハイビーム
- レーダークルーズコントロール
プリクラッシュセーフティとは、前方の車両や歩行者・自転車を検知して、衝突しそうになったときに自動的にブレーキが作動する機能です。ブレーキを自分で踏んだ場合は、強力なブレーキアシストが作動します。
レーンディパーチャーアラートとは、車線をはみ出してしまいそうなときに、ブザーで警告したり、ステアリング操作をサポートしてくれる機能です。
オートマチックハイビームとは、対向車のライトを検知して、ハイビームとロービームを自動的に切り替えてくれる機能のこと。ハイビームの切り忘れが防げます。
レーダークルーズコントロールとは、先行車を検知して、適切な車間距離をたもちながら一定の速度で追従する機能です。
とくにプリクラッシュセーフティはあまり世話になりたくない機能ですが、ついていることで安心して運転できますね。
価格が車の質に見合っている
カムリの価格は、車自体の質を考えればそれほど高くありません。下の表に各グレードの価格をまとめたので、見てください。
グレード | 価格 |
WS “レザーパッケージ” | 4,341,600円 |
WS | 3,672,000円 |
G “レザーパッケージ” | 4,228,200円 |
G | 3,531,600円 |
X | 3,298,320円 |
5つのグレードが用意されており、すべてハイブリッド。私が試乗したのは2番目に安いGグレードです。3,531,600円という価格ですが、妥当だと思います。
走行性能はふつうに乗るぶんには充分優秀で、よほど加速にこだわりがあるひとじゃなければ満足できるでしょう。
車内は静かで快適、そして燃費もいい。欠点・短所についてはこのあと解説しますが、試乗していて致命的な欠点になるような部分は見受けられませんでした。
乗り心地としては、クラウンの2.0 Sグレードによく似ています。あちらは4,746,600円と、カムリのGグレードより1,200,000円ぐらい高いので、圧倒的にコスパが良いのはカムリですね。
ちなみに、カムリは2017年7月にフルモデルチェンジしたばかりで、現行モデルの中古車は新車価格と変わらない価格で出回っています。
カムリの欠点・短所
つづいて、カムリの欠点・短所について解説していきましょう。
悪路走行時はけっこうしっかり揺れる
でこぼこ道を走行したときの振動・突き上げは、けっこう強いですね。車体がガタガタ揺れて、背中や腰に響きます。感覚的には、クラウンのターボモデル(2.0 S)とおなじぐらい。
高級車のクラウンと同レベルというと優秀に聞こえるかもしれませんが、私的にはどちらも優秀じゃないと思いますね。
「カムリがクラウンレベル」というよりは、「クラウンがカムリレベルで止まってる」ような感覚です。
とはいえ、乗っていられなかったり、酔いそうなほどの揺れではないので、ほかのもっと安い車種とも比較すれば、振動・突き上げの大きさは標準レベルかなと。
せまくはないけど特別広くもない車内空間
運転席を身長177cmの私にちょうどいい位置にした状態で後部座席にすわると、頭から天井までのスペースにかなり余裕があり、上下からの圧迫感はなし。
ヒザも前のシートにぶつからず、前後からの圧迫感もありません。快適ですね。
ただ、忘れちゃいけないのは、カムリは5人乗りだということ。
定員いっぱい乗る場合は、後部座席に3人すわることになりますが、真ん中の席はシートが山のようにポコッと出っ張っており、私がすわると天井に頭がつきます。
ひとつ前の写真は右端の席にすわった様子、この写真は真ん中の席にすわった様子です。頭が天井についているのがわかるでしょうか?
身長が高いひとは右端か左端の席にすわるように、席順を工夫する必要があります。
さらに、真ん中の席は足元も上に向かってポコッと出っ張っており、写真のように脚を広げてすわらないといけません(脚を閉じてしまうとかなりきゅうくつな体勢になります)。
大人3人で後部座席にすわることは正直不可能に近いので、カムリを購入するなら4人乗りのつもりで購入しましょう。
車中泊する場合は、前部座席をたおして運転席と助手席に1人ずつ寝るのが限界ですね。
子育てに使う場合は、やはり真ん中の席は子どもでもすわっているのが辛いと思うので、助手席も含めて乗せられる子どもは3人までだと思ってください。
ハンドルのさわり心地が硬い
カムリのハンドルは、操作感自体は重すぎず軽すぎず、ちょうどいい。
ですが、スポーク(ハンドルのまわりの○と真ん中をつなぐ部分)がプラスチックで硬く、回したときにこの硬い部分に手が当たると、あまり気持ちよくないです。
慣れれば平気かもしれませんが、ここはちょっと安っぽい感じがしますね。
総評:コストパフォーマンスのいい高級セダン
カムリの長所・短所を見てきた総評をズバリいえば、「コストパフォーマンスのいい高級セダン」。
ハンドル以外は内装に高級感がありますし、走行性能も決して悪くありません。後部座席のせまさはカムリだけでなく、多くの車に共通するものです。
悪路走行時の揺れも特別ひどいわけではなく、高級車だと思って過度に期待しなければ、そこまで気にならないと思います。
約1,200,000円高いクラウンの2.0 Sとほぼおなじような乗り心地なので、クラウンというネームバリューに興味がなければ、カムリを購入したほうがお得ですね。
結論として、カムリをおすすめできるひととできないひとは、以下のようなひとです。
- かっこいいセダンに乗りたい
- ブランドよりコストパフォーマンスの良さを求める
- 燃費を重要視する
- 車内で電気製品を使いたい
- 大人5人で乗るつもり
- 3人以上で車中泊したい
- 加速の速さにこだわりがある
- 電気自動車レベルの静粛性を求める
4つずつ条件を挙げましたが、とくに重要なのは「おすすめできないひとの条件に1つも当てはまっていないこと」です。
1つでも当てはまっていると、購入後に後悔することになってしまうので注意してください。
ここまで書いてきましたが、個人的には、トヨタの現行モデルセダンのなかでいちばんかっこいい車だと思っています。
この記事を読んだことで、カムリを購入するかどうかの判断材料のひとつになれれば幸いです。