「キャンピングカーに興味があるんだけど、種類がいっぱいありすぎてよくわからない…」
「最新のキャンピングカーってどんな設備がついてるの?」
車1台で複数の大人が寝泊まりできる、遊びに便利なキャンピングカー。
タイプがいろいろありますが、コスト・広さ・車体の大きさといったように、何を重要視するかによってえらぶ車が変わってきます。
そこで、ジャパンキャンピングカーショー2019で展示されていた、最新モデルのキャンピングカー・トム200を紹介します。
内装や設備について写真つきで解説しますので、キャンピングカーえらびの参考にしてください。
キャンピングカーの8つのタイプ
まず、キャンピングカーには以下の8つのタイプがあります。
- 「バンコン」
- 「キャブコン」
- 「軽キャンパー」
- 「フルコン」
- 「セミフルコン」
- 「バスコン」
- 「トラキャン」
- 「キャンピングトレーラー」
この記事で紹介するセキソーボディ社のトム200は、キャブコンタイプ(キャブコンバージョン)です。
キャブコンとは、トラックやワンボックス車にキャンピングシェルを搭載した車のことです。車体が大きいキャンピングカーなので、中がとても広くて快適に過ごせるというメリットがあります。
断熱性や防音性に優れていて、どんな場所でもまるで家にいるかのような感覚で車中泊ができます。
荷物もたくさん積めて、長期での旅行にもピッタリです。
トム200(メーカー:セキソーボディ)の内装写真
セキソーボディ社のトム200です。ハイエースをベースにしたキャンピングカーで、主要スペックは以下のようになっています。
- 乗車定員:7人
- 就寝定員:6人
- 全長:4,980mm
- 全幅:1,920mm
- 全高:2,670mm
- ベース車:ハイエース
- 排気量:2,000cc
- 燃料:ガソリン
- 最高出力:136ps
- 駆動方式:2WD FR
- ミッション6AT
- 燃費:ガソリンエンジン車は約8km/l、ディーゼル車は12km/l~13km/l
乗車定員は7人ですが、就寝定員は6人だけです。7人でキャンプに行ってしまうと1人は車内で寝られなくなってしまうので、注意してください。
見た目はいかにもキャンピングカーといった感じで、迫力がありますね。ボディーカラーも奇をてらいすぎておらず、シンプルで私は好きです。
車体がかなり大きいので、街中を走っていたら注目を浴びるのは間違いないでしょう。
それではさっそく内装を見てみましょう。
出入り口のドアです。
出入り口のステップ。足場が広いので乗り降りしやすいですね。
出入り口から見た居住スペースの様子。
まず目に入ってくるのはダイネットテーブル席ですね。この車両の前方を向いた席にすわってみたところ、背もたれの角度が急で、ややすわり心地が悪いです。
後ろから前へ押されるような感覚があり、長時間すわっていたら疲れそう。幅的には大人2人でちょうどいい感じの広さですね。座面はやわらかめで気持ちいい。
こちらはダイネットテーブルをはさんで反対側の席です。この席にすわってみると、背もたれには背中が当たらず、それよりも前に出っ張っているバンクベッドの下の壁面が後頭部に当たります。
単純に硬くて頭が痛いのと、体重を背もたれに預けられないで頭だけ前に押される形になるので、体勢がものすごくキツい。
ここは長時間といわず、一瞬すわっただけでも辛かったですね。幅的には大人2人すわれそうですが、人数の問題ではなくすわっていられません。
運転席・助手席天井のバンクベッド。写真に写っている白い部分が頭に当たる板です。
このベッドはスライド式で、引き出すと長さ1,900mm×幅1,300mmのセミダブルサイズベッドになります。
就寝定員である6人寝る場合はこのベッドで2人寝る計算になりますが、この広さなら大人2人でもなんとか寝られるでしょう。
バンクベッドの下には、リアクーラーの吹き出し口。
ダイネットテーブル席は、展開させればベッドになります。寸法は長さ1,850mm×幅1,300mmのセミダブルサイズ。
就寝定員である6人で寝る場合はこのベッドで2人寝る計算になりますが、大人2人でもなんとか寝られそうな広さですね。
ダイネットテーブル席には窓がついています。外の景色を見ながら食事するのは楽しそうですね。
トム200の窓は、アクリル2重窓。ガラス製の窓にくらべて断熱性が高く、結露がつきにくいのが特徴です。
せっかく高い金額をはらってキャンピングカーを購入するなら、こういう買ってから気づくような細かいところまで気を配っているもののほうが良いですよね。とくに冬の車中泊でその差が大きく出るでしょう。
窓には網戸とシェードがついています。写真はそれぞれ半分ずつ開いた状態です。
トム200は外装デザインが目立つので、高速道路のSA・PAなんかに駐車していると窓から覗かれることも多そうですが、シェードを閉めることでそんな興味本位の視線はシャットアウト。
就寝中も覗かれることなく、安心して寝られますね。
窓の上には、開閉式の収納スペース。
ダイネットテーブル席の横、出入り口付近のシューズボックスです。
天井のマックスファン(換気扇)。涼しい季節であれば、エアコンをつけなくてもこれを回すだけである程度暑さはしのげます。
実際、会場内は暖房がバッチリ効いていて暑いぐらいでしたが、車内はこれが回っていたおかげで涼しかったです。
後ろ向きのダイネットテーブル席から見た、車内後方の様子。
右手にシンク・左手にマルチルーム・奥に2段ベッドが設置されています。
出入り口の横についている、シンクとシャワー。出てくるのは水のみで、お湯は出ません。
シンクの下は、給水タンクと排水タンクの入った収納スペース。容量はそれぞれ20Lなので、1回の給水でシャワーを連続使用できるのは2分程度です。
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収納スペースの右横は、車内の電源のメインスイッチ。
シンクの下の、AC100Vコンセントです。家から持ってきた電気製品も、ここに差せば使えます。
コンセントの横の、冷蔵庫です。容量は65L。
車内の奥に向かって扉が開くので、食料が取り出しやすそうですね。
シンクの前の窓。こちらもアクリル2重窓になっていて、網戸とシェードがついています。
シンクの上、天井付近には開閉式の収納スペース。
ダイネットテーブル席の後ろの、マルチルームです。クローゼットとして利用するもよし、トイレルームにするもよし。
写真の状態ではトイレにするにはかなりせまく見えますが、マルチルーム自体をスライドさせて広げることができるんです。
広げた場合は奥行870mm×幅600mmになります。もちろん扉もちゃんと閉まるので、安心してください。
マルチルームの天井には収納スペースがついています。
車内最奥の、2段ベッド(上段)。黒とこげ茶色の板は、ダイネットテーブルをベッドに展開させるためのサブマットが置いてあるだけで、2段ベッドの一部ではありません。
2段ベッドの寸法は、長さ1,820mm×幅650mmと、かなりせまいです。幅がセミシングルサイズにも満たない程度しかなく、大人が寝る場合は1人でもキツいでしょう。
下段ベッドはこんな感じ。寸法は上段ベッドとおなじなので、やはり大人が寝るにはキツいと思います。実際に寝てみることはできませんでしたが、触った感じだと、ベッドは少し硬めでした。
トム200の推しポイントをメーカーの営業マンに聞いたところ、「車体の軽量化・低重心化・空気抵抗の減少がされていること」だそうです。
居住スペースよりも車としての走りに力を入れていて、トム200のオーナーはみんな「運転が楽しい」という感想をいうんだとか。
私は展示車を見ただけなので、走りの良さまでは確認できませんでしたが、確かに購入するならそういう部分も重要ですよね。
トム200の価格と標準装備・オプション
トム200の車両本体価格は、税込みで6,296,400円です。これはガソリンエンジンモデルの価格で、ディーゼルエンジンモデルだと7,233,840円と高くなります。
キャブコンの価格としては高くもなく安くもなくといったところですね。
標準装備として以下のものが架装されています。
- リア収納スペース
- 常設2段ベッド(下段折り畳み式)
- 伸縮式マルチルーム
- 室内ルーフベント×1
- 左右ルーフサイド物入れ
- 立体型ウッドギャレー
- スイッチつき蛇口
- インナーポンプ
- 排水・清水タンク 各20L
- 室内LEDライト
- 冷蔵庫 65L
- サブバッテリー 105A×1
- 走行充電装置
- 6連スイッチパネル
- スライド式バンクベッド
- 網戸つきエントランスドア ヨーロッパタイプ
- ラジオレス+2スピーカー
伸縮式のマルチルームは、トム200ならではのちょっと特殊な装備ですね。
残念ながらトイレは標準装備されておらず、このあと紹介するオプションにもありません。トイレルームとして使用したい場合は、別途ポータブルトイレかカセットトイレを用意する必要があります。
オプション一覧に載せていないだけで、いえば用意してくれる可能性もあるので、購入検討しているならメーカーに問い合わせましょう。
また、オプションでは以下のものがつけられます。
- LSD(4WD車のみ2番のABSが非装着)(-1,000円)
- GLパッケージ(電格リモコンミラー・カラードバンパー・メッキグリル)(104,760円)
- LEDヘッドランプ(64,800円)
- フォグランプ(ディーラーにて後付け可能(30,456円)
- 寒冷地仕様(ガソリン車20,520円・ディーゼル車30,240円)
- バックカメラ+フロントまで配線(RCA端子)(30,240円)
- FFヒーター(216,000円) ※1
- MAXファンに変更(吸排気10段階サーモスタットつき)(48,600円) ※2
- ソーラーパネル155W+コントローラーセット(151,200円)
- 外部入力充電システム+室内コンセント×2(64,800円)
- 4×4TVチューナー(シガーソケット×1つき)(37,800円)
- 120Wインバーター(8,640円) ※3
- 間仕切りカーテン(16,200円)
- SDナビ(162,000円)
※1 FFヒーターとは、エンジン停止状態で使える暖房装置のこと。アイドリングによって起こる騒音を気にしないで暖かく車中泊できます。
標準装備の105Aサブバッテリーでも、理論上は46時間ぐらい連続使用できるので、ひと晩つけっぱなしでも大丈夫です。金額は高いですが、冬の車中泊では必須アイテムですね。
※2 MAXファンとは、換気扇のこと。先ほど写真を紹介しましたが、涼しい季節であればエアコンの代わりにちょっとした暑さ対策として使えます。
※3 インバーターとは、電気の変換機のこと。電気毛布やノートパソコンといった家電を車内のコンセントにつないでつかいたい場合に必要です。
総評:居住性の低いキャンピングカー
トム200の内装をズバリいえば、「居住性の低いキャンピングカー」。
ダイネットテーブル席のすわり心地はお世辞にも良いとはいえず、一瞬すわっただけで「この席にはすわっていたくない」気持ちになりました。
体重を背もたれに預けられず、頭だけ前に押される感覚。無理やりキツい体勢を強いられてしまい、スペースの広さではカバーしきれない辛さに私は耐えられませんでした。
比較的辛くない前向きの席にすわってみても、背もたれの角度が急で、後ろから前に押される感覚があります。ここも長時間すわって過ごすのは無理ですね。
メーカーの営業マンもいっていたとおり、居住スペースにはそれほど力を入れていないんでしょう。自分で運転して、走りの良さを体感したらまた評価が変わるのかもしれません。
良かった点としては、天井が高いので車内を立ち歩いて移動できたところ。席にすわりさえしなければ、車内は広々としていて快適です。
ここまで書いてきましたが、2段ベッドは見た感じ子ども用なので、6人で車中泊する場合は大人4
人+子ども2人までだと思っておきましょう。
この記事を読んだことで、トム200を購入するかどうかの判断材料のひとつになれることを願っています。