シボレー カマロはアメリカの伝統が詰まったスポーツカーで、マッスルカーの代表格ともいえる車種です。
今回はこのカマロの後部座席についてご紹介します。
カマロの後部座席の2列目・セカンドシート
シボレーはアメリカ最大のメーカーであるゼネラルモータースのブランドの一つで、主にスポーツカーが有名なメーカーでもあります。
そのシボレーの伝統的なスポーツカーの一つがカマロで、アメリカらしいパワフルで存在感のある仕様が好きな人にはたまらない車です。
カマロは現行モデルで6代目になっており、日本にも正規輸入されているモデルです。
今回はカマロの後部座席を詳しく見ていきますが、まずはおおまかなカマロのサイズ感をご紹介しましょう。
スペック | カマロ | |
乗車定員 | 4名 | |
全長 | 4,785mm | |
全幅 | 1,900mm | |
全高 | 1,345mm〜1,350mm | |
室内長 | 約1,600mm | |
室内幅 | 約1,500mm | |
室内高 | 約900mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 約300mm |
幅 | 約1,100mm | |
奥行き | 約900mm | |
運転席寸法 | 高さ | 約800mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約800mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約700mm |
幅 | 約500mm×2 | |
奥行き | 約600mm |
カマロはクーペタイプのボディを持つスポーツカーで、日本では珍しくなった2ドアクーペのピュアスポーツカーです。
カマロはアメリカ車としては比較的抑えめなサイズであり、全長や全幅は国産車の中大型車と同じぐらいなので思ったほど扱いにくいサイズではありません。
またスポーツカーらしい全高の低いスポーティなフォルムを持っていますが、フロントマスクデザインなどは「マッスルカー」という通称のようにマッシブで力強いものとなっています。
2ドアクーペなので乗用車的な役割よりもスポーツカーとしての走りを優先した車にはなっていますが、車内レイアウトは後部座席もあるセダンタイプになっており、乗用車としての利用も十分に可能な車です。
ではカマロの後部座席を詳しく見ていきましょう。
カマロの広さ・居住性
カマロは車全体で4人乗りの車になっており、後部座席には2人が座れるレイアウトです。
カマロの後部座席は基本的にはエマージェンシーシートとしての利用がメインであり、普段使いよりはたまに人を乗せるような使い方が想定されています。
カマロは2ドアクーペタイプのスポーツカーなので後部座席に乗り込む際には運転席もしくは助手席のドアからとなりますが、その際は前席シートの背もたれを前に倒して乗り込むスペースを確保します。
そのため乗降性は良くなく、またカマロは左ハンドル車なので日本の左側通行では道路上では助手席側から乗り込むことになると結構大変な場面も出てきます。
そして後部座席は一般的な乗用車のようなベンチシートではなく、左右に座席がセパレートされたシートになっているので、後部座席に座ったときの横幅は体がちょうど収まるようになって窮屈さはあります。
左右席の間にはセンタートンネルなどもあるので左右への移乗もしづらく、使い勝手はよくありません。
またカマロの後部座席は足下空間が非常に狭いものとなっており、前席シートのシートバックから後部座席の座面までの距離がかなり接近しているので足をなんとか収めるのが精一杯といったサイズ感です。
カマロは運転席や助手席はゆとりを持ったレイアウトになっていますが、後部座席はそれに対してエマージェンシーシートなのでなんとか乗り込めれば良いという設計です。
このサイズ感では大人は勿論子供でもかなり窮屈に座ることになり、また後部座席の座面の奥側が沈むようになっているので、足を抱えながら縮こまるようなシートポジションになるのも窮屈さを増やしています。
さらにカマロはクーペボディで車高が低いので、室内高もそれに合わせてかなり低いものとなっています。
運転席や助手席でも乗員の頭がギリギリ天井に当たらないぐらいのサイズ感ではあるのですが、後部座席ではそれに加えてルーフが低くなってきているデザイン的にもより室内高が狭くなります。
カマロの後部座席に座ると標準的な体型の人でも天井に頭がぶつかってしまうことが多く、首をすぼめるようにしてなんとか収まる体勢を確保するのが大変です。
カマロの後部座席のチャイルドシート対応
カマロは2ドアクーペということで趣味性の高い車になっていますが、4人乗りレイアウトということでファミリーカーの運用も出来ないわけではありません。
そこで子育て世代の車としてみたときにチャイルドシートに対応しているかどうかを見ていきましょう。
チャイルドシートは子供用の小型のシートで車の座席に乗せて利用するのですが、車の通常のシートが子供には大きすぎて安全に保護が出来ないため、ある程度の年齢まではチャイルドシートが必須となります。
チャイルドシートには乳幼児用や幼児用、学童用など年齢や体のサイズにあわせた製品があるのですが、その搭載場所としては事故の際に安全性の高い後部座席がメインとなります。
またチャイルドシートの固定にはシートに備え付けのシートベルトを利用するのが基本なのですが、近年では「ISOFIX」と呼ばれるチャイルドシート固定規格があり、これに車が対応していればチャイルドシートを確実に固定できて安全性が高いです。
カマロでは後部座席の左右席にそれぞれ1組ずつこのISOFIX式の固定器具が設定されており、後部座席の左右席に2つまでチャイルドシートを固定することができます。
これによってチャイルドシートの固定については不安はないのですが、そもそもカマロの後部座席は全体的なスペースが狭すぎるためチャイルドシート自体を搭載する際に非常に不便です。
チャイルドシートメーカーは各車種に対応できるかどうかの適応表などを発行していますが、カマロはその後部座席の狭さから対応していない場合も多く、カマロの後部座席に搭載できるチャイルドシートを探すのは結構大変です。
またチャイルドシートが搭載できたとしても実際に子供を乗せて運用するのも大変であり、2ドアクーペのカマロでは後部座席のチャイルドシートに乗せるときに前席シートを倒して狭いスペースから乗り込まないといけません。
天井も低いので辛い体勢で子供と連れて乗り込んでチャイルドシートにならず、さらに左右への移乗もしづらい車なので普通の乗用車と比べるとさまざまな手間がかかる車になっています。
可能であれば子供を連れた移動のためにカマロの他に乗用車がある方が良く、カマロはあくまで趣味の車としたほうが懸命でしょう。
カマロの座り心地
カマロの後部座席は非常に硬い感触の乗り心地で、くつろげるようなシートにはなっていません。
カマロの後部座席では周辺スペースの狭さも相まってかなり体を縮こまらせた体勢で座らないといけないのですが、その状態では当然ながら快適にくつろぐことができません。
シートの背もたれや座面の固さも硬めですので長時間座っているとかなり疲れるシートであり、エマージェンシーシートとして短時間我慢して乗るようなシートとなります。
カマロの後部座席は子供でも長時間の乗車はかなり辛い座席ですので、ファミリーカーにすると同乗者からは結構不満が出てしまうでしょう。
ただしカマロの後部座席はシートのホールド性自体はしっかりあるので、カマロの本領発揮であるスポーツ走行時などには体を支えてくれる効果はあります。
またカマロの後部座席には一般的な乗用車に備わっている安全装備がなく、後部座席のヘッドレストが無いのはかなり残念です。
ヘッドレストは走行中には頭を預けるクッションとして、そして万が一の事故の際には頭を支えて首を保護しむち打ちを防いでくれる重要な安全装備となります。
近年では軽自動車やコンパクトカーでもほぼ標準装備となってきているヘッドレストですが、カマロは後部座席がエマージェンシーシートということもあってヘッドレストもオミットされています。
普段使いには適さないサイズのシートであり短時間の乗車がメインであるとはいえ、万が一の際の安全性が低いのは大きなデメリットといえるでしょう。
カマロの後部座席の装備
カマロの後部座席は全体的に装備がほぼ備わっていないシンプルな状態であり、便利に使えるということはありません。
まずカマロの後部座席のシートベルトを見ていきますが、シートベルトに関しては後部座席でも3点式シートベルトになっています。
エマージェンシーシートのようなシートの場合腰だけを支える2点式シートベルトの場合も少なくないのですが、カマロでは保護性能と安全性の高い3点式シートベルトになっているのは良い点です。
3点式シートベルトは走行中にも体を支えるホールド性があるのもメリットですが、カマロの場合はシート自体にホールド性があるのでそこまでメリットはないでしょう。
またカマロの後部座席周りの装備は一般的な乗用車にあるような便利装備はほとんどなく、ドアポケットや前席背面のシートバックポケットなどの収納は一切ありません。
後部座席用の空調やドリンクホルダーなどもなく、単純に座るだけの座席となっています。
唯一装備といえるのはカマロの左右席を隔てるセンタートンネルに設けられた小物置きのトレイぐらいで、スマホを1つ置いておけるぐらいの浅いトレイなので走行中に転がったり落ちないようなものぐらいしか置けません。
カマロの後部座席はあくまで短時間の利用しか想定されていませんので、それに合わせて一切の便利装備が省かれています。
カマロのリクライニング・シートアレンジ
カマロの後部座席は基本固定式の座席なのですが、シートアレンジは可能でトランクルームの拡大機能があります。
カマロの後部座席では元々がエマージェンシーシートで余分な装備がないこともあり、シート自体の前後スライド機能や背もたれのリクライニング機能はありません。
運転席や助手席にはスライド機能もリクライニング機能もあるので後部座席の足下空間を少し広げたりも出来るのですが、基本的には前席がメインの車なので後部座席は残ったスペースでなんとか座る感じになるでしょう。
ここまでシンプルだと後部座席の役割が少なく不要と考える人もいらっしゃいますが、スポーツカーでは後部座席があることで前席が後ろにリクライニングできるようになったり、普段の荷物置きとしては十分活用できるため、ドライバーの利便性を高める意味では後部座席は必要です。
またカマロはクーペタイプのスポーツカーなのでラゲッジスペースは車後部のトランクルームとなりますが、車内とは後部座席の背もたれで区切られています。
カマロは標準のトランクルームは前後に深くて結構な積載性はありますが、さらに後部座席の背もたれを前に倒すとトランクスルー機能が使えるようになり、トランクルームと車室がトンネルで繋がります。
トランクスルーが出来ればより長い荷物を積み込むことが出来るようになりますので、積載性の面ではかなり利便性が高い機能です。
なおトランクスルー機能を使うときは後部座席の背もたれを左右同時に倒すことになりますので、イッパンテキな乗用車のような分割式にはなっていません。
カマロの後部座席はエマージェンシーシートなのでそこまで分割するほどの必要性は無いのですが、トランクスルーを使うと2名乗車人数が無くなるので幅広いシーンには対応できません。
カマロの後部座席の評価・口コミ
カマロの後部座席についてはtwitterでもいろいろな投稿がありますが、その中からいくつかご紹介します。
カマロの後部座席座っちゃダメだ。 pic.twitter.com/mVuwoTvhwM
— 🐮うしさん🐮 (@moucam_25) September 29, 2019
カマロの後部座席についてはこの方が実際の写真を投稿されていますが、足下空間がほぼ無いように見えます。
実際には前席シートを少しだけ前にスライドして足が入る空間ぐらいは残るのですが、どのみち狭いのは間違いありません。
ひと目見ただけであまり座りたくないなと感じるシートのスペースでしょう。
カマロの後部座席にもチャイルドシート乗るらしいけどあまりに人権無くて草 pic.twitter.com/Iyofh6mEGY
— スポーン (@gn_spawn) March 5, 2021
こちらの方はカマロの後部座席の助手席側にチャイルドシートを積み込んでファミリーカーとして運用されていますが、チャイルドシート1つを積み込んでギリギリのスペースになっています。
この状態でも小さな子供さんならなんとか座れるとは思いますが、そこまでのアクセスも不便なのはやはり使い勝手は良くないでしょう。
総評
シボレー カマロはアメリカ伝統のスポーツカーであり、その存在感とパワフルな走りは車好きにはたまらない1台となっています。
そのスペックの高さにもかかわらず大きすぎないボディは日本でも走りやすく、満足度も高い車でしょう。
しかし後部座席については非常に狭いスペースでエマージェンシーシートとしての役割しかなく、後部座席を常用するような乗用車としての使い方には不向きです。
可能であれば大人数移動の際には別の乗用車を用意しておいて、カマロは趣味の車としておいたほうがよいでしょう。