スズキ ワゴンRは軽自動車のトールワゴンで、車内の圧倒的な広さが魅力的です。
今回はワゴンRのラゲッジスペースについて詳しくご紹介します。
ワゴンRの荷室・トランクの容量・寸法
スズキ ワゴンRはトールワゴン系の軽自動車の始祖ともいえる車で、初代から現行モデルまでワゴン系の軽自動車のスタンダードモデルの一つです。
ワゴンRは現行モデルで6代目となりますが、初代からのキープコンセプトとしてある程度全高の高い箱型ボディでスペース効率に優れた車となっています。
現在はワゴンRよりさらに全高の高いスーパーハイトワゴンというタイプの軽自動車も登場しているので、現在ではワゴンRはワゴン系軽自動車としては中間サイズの車となっています。
車内スペースはスーパーハイトワゴンには少し負けるものの、ある程度の広さと走行時の安定性などでメリットがあり、ワゴンRのサイズでも十分高い利便性を持っています。
ではワゴンRの大まかなサイズ感やラゲッジスペースのサイズや容量についてご紹介しましょう。
スペック | ワゴンR | |
乗車定員 | 4名 | |
全長 | 3,395mm | |
全幅 | 1,475mm | |
全高 | 1,650mm | |
室内長 | 2,450mm | |
室内幅 | 1,355mm | |
室内高 | 1,265mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 840mm |
幅 | 1,180mm(サイドトリム間) | |
奥行き | セカンドシート展開時:280mm〜450mm セカンドシート収納時:1,380mm(フロントシート背面〜テールゲート) フロントシート収納時:1,910mm(フロントダッシュボード〜テールゲート) | |
ラゲッジ容量 | – | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約1,200mm | |
奥行き | 約1,000mm |
ワゴンRは軽自動車なので車の外観サイズは軽自動車規格で制限されており、全長や全幅は軽自動車規格ギリギリのサイズとなります。
一方で全高に対しては制限がゆるいのでスーパーハイトワゴンなどは1,800mm前後の高さとなるのですが、ワゴンRはそれより控え目な1,650mmとなります。
それでも車内スペースは結構広いものが確保されており、室内長や室内高は中型車にも負けないほどのゆとりのある車内をつくりあげています。
そんなワゴンRのラゲッジスペースはセカンドシートからテールゲートまでの間のスペースになりますが、ワゴンRはシートのスペースが広く取られていることからラゲッジスペースはそこまで奥行きが大きくありません。
ワゴンRのセカンドシートは前後スライドが出来るのでシートの位置によってラゲッジスペースの奥行きが変わりますが、最も後ろに位置している状態では奥行きがわずか280mmと狭いものとなります。
セカンドシートは前後に160mm〜170mmぐらいのスライドが出来るので、最も前にスライドさせれば450mm程度の奥行きが確保でき、ある程度広いスペースとなります。
またワゴンRはスペース効率に優れたスクエアボディなのでラゲッジスペースの横幅や高さは広めであり、積み方によっては大きなサイズのものも積み込めるでしょう。
ではワゴンRのラゲッジスペースについて詳しくご紹介します。
ワゴンRの荷室・トランク・荷物収納スペースの良い点
ワゴンRのラゲッジスペースは実用性は結構高いものがあり、次のような良い点が挙げられます。
シートスライドで変化する標準ラゲッジスペース
ワゴンRの標準的なラゲッジスペースはシートスライドと組み合わせることで調整が可能で、シーンによって使い分ける必要があります。
まずワゴンRのラゲッジスペースはシートスライドが最も後ろにあるときにはそこまで広いスペースではなく、公表されていませんが容量的には200L前後でしょう。
このサイズは軽自動車でも最小クラスのサイズであり、あまり大きなものを積み込める用途には使えません。
それでも普段の買物の荷物を積み込んだりは出来ますし、ちょっとしたバッグぐらいであればこのラゲッジスペースの奥行きでも収まるでしょう。
もっと大きなものを積み込みたいときにはセカンドシートを前にスライドさせることでサイズを拡大し、セカンドシートの足下空間など居住性は多少下がるものの積載性があがります。
このスペースであればスーツケースを横積みする形で1つ〜2つぐらいは収まるようになるので、ワゴンRでの旅行などにはこちらが良いでしょう。
ゴルフバッグなどのサイズの大きなものは流石に横積みでも積み込むのは厳しいですが、シートスライドで奥行きを取って斜めにすれば収まるサイズのゴルフバッグもあるでしょう。
またワゴンRはラゲッジスペースの高さがそこそこありますので、ベビーカーや車いすなどを折り畳んで立てれば積み込める製品もあり、子育て世代でも便利に使えます。
シートアレンジの充実でさまざまなモードに出来る
ワゴンRのラゲッジスペースではシートスライドの他にシートアレンジが可能となっており、これによって大幅にラゲッジスペースの利便性が向上します。
ワゴンRにはセカンドシートの前後スライド機能だけでなくセカンドシートの背もたれを収納するシートアレンジモードがあり、ラゲッジスペースを大幅に拡大できます。
セカンドシートの背もたれを倒せばセカンドシートスペースをラゲッジスペースと繋げられ、おおよそ1,400mm弱の奥行きを活用できます。
これだけの奥行きがあれば大きな荷物や大量の荷物を積込むことができ、標準ラゲッジスペースでは収まらなかったゴルフバッグも前後に積み込めるでしょう。
さらにシートアレンジ後であってもラゲッジスペースの高さや横幅はほぼそのままの広さとなっていますので、使いづらくなる部分はありません。
またシートアレンジは左右分割式のシートで調整することも出来、片側の座席を残しながら片側を収納すれば乗車人数を3名キープしたままでラゲッジスペースの奥行きが拡大できます。
分割式シートは前後スライドもそれぞれ調整できるため、ラゲッジスペースの必要な広さをかなり自由自在に調整できるでしょう。
ワゴンR1台での旅行やレジャーの際には分割式シートである程度乗車人数を確保しながら荷物もそれなりに積める広さを作り出せ、普段使いとうまく使い分けができるでしょう。
これに加えてワゴンRはフロントシートの助手席収納モードというものもあり、助手席およびセカンドシートを収納すれば奥行きが1,910mmもある長いラゲッジスペースが実現します。
このサイズがあればサーフボードや木材など長いまま積み込みたいものに対応でき、最大限ワゴンRの積載性を発揮できるでしょう。
セカンドシートも助手席側のみ収納すれば車内に2名乗車させながら1,910mmの奥行きが利用できるので、こちらもシートアレンジの使い分けが重要となります。
深底のラゲッジアンダーボックスが装備されている
ワゴンRにはラゲッジスペースの床下にアンダーラゲッジが設けられており、使い勝手の良いスペースとなっています。
アンダーラゲッジは車内の床下に設けられた収納スペースで、近年ではさまざまな車が設定しています。
ワゴンRにも標準ラゲッジスペースの下がアンダーラゲッジとなっており、ラゲッジスペースの床面となるデッキボードをめくるとアクセスできます。
ワゴンRのアンダーラゲッジは前後左右のサイズこそ大きくありませんが、深さが結構あるので意外と使いやすい形状となっています。
またアンダーラゲッジの左右には工具類が設置されており、パンク等何かあったらまずはアンダーラゲッジを開くことになるでしょう。
またアンダーラゲッジは防水性のあるトレイがそなわっていますので、泥で汚れたものや濡れたものでも積み込めます。
特に靴やアウドドア関係の道具類を収めるのにちょうどよく、有効活用すると細かな点で利便性を発揮します。
さらにラゲッジ床面のデッキボードは開いたままにすることもでき、この状態では標準ラゲッジスペースの上下のスペースとしてアンダーラゲッジが活用できます。
特に植木など横倒しに出来ないものを積み込むのには最適であり、防水トレイによって水ぬれ気にしなくてもよいのが楽です。
大きいテールゲートの開口部で積載性は良好
ワゴンRはテールゲートの開口部が広いので積載せいが高いのですが、特に現行ワゴンRからより使い勝手が良くなっています。
ワゴン系の車種のテールゲートは荷物の積み込み易さに直結する要素であり、テールランプ等リア周りのデザインからも影響を受けるものです。
ワゴンRは初代モデルからかなりテールゲートの開口部を意識したデザインであり、5代目ワゴンRまではテールランプが上下に細長くテールゲートと平行になるような位置にありました。
この仕様でもテールゲート開口部の横幅が1,000mmぐらいは取れるので不便さはありませんが、最新モデルである6代目ではよりレイアウトが工夫されています。
現行ワゴンRではテールランプはリアバンパーに移動しており、大きなデザイン的な違いでもあります。
テールランプがテールゲートの横にないので開口部の横幅を最大限確保することができ、1,000mm近い開口部があれば大きな荷物でもまっすぐ積込むことができるでしょう。
またラゲッジ床面の地上からの高さもそこそこ低いので、大きな荷物や重量物を積込む際に高く持ち上げなくても良いので楽な積み込みが可能となります。
シンプルながら使いやすいラゲッジ装備
ワゴンRにはいくつかラゲッジ周りの装備があり、使いこなすとスムーズに荷物を積み込めたりします。
まずワゴンRのセカンドシートのシートアレンジを行うレバーはラゲッジスペース側からでも行うことができ、荷物を積込む際にスムーズにラゲッジスペースを拡大できます。
ただしワゴンRのセカンドシートの特徴でもある前後スライド機能はシートの前側からしか操作できないため、ラゲッジスペース側からの操作はできないようになっています。
またシートアレンジを左右分割式で出来るように操作レバーはシートの左右に1つずつ設けられており、座席を片側だけ倒すことも出来るでしょう。
その他はスタンダードな装備ですが、まずテールゲートに近い天井部分に照明がそなわっており、上から手元を照らしてくれます。自動で点灯するので夜間も使いやすく、小さい車ながら使い勝手は良好です。
またラゲッジスペースの左右の壁面にはラゲッジフックとして使える突起が用意されており、あまり重たいものでなければこちらにひっかけることでラゲッジスペースを節約しながら積み込めるでしょう。
ワゴンRの荷室・トランク・荷物収納スペースの悪い点
ワゴンRのラゲッジスペースには次のような弱点もあり、不便さを感じる部分もあります。
フル乗車時の標準ラゲッジスペースがかなり狭い
ワゴンRでは標準的なラゲッジスペースのサイズがあまり大きくないので、フル乗車時にはどうしてもラゲッジスペースが狭くなってしまいます。
ワゴンRは軽自動車なので4人乗り出来る車ですが、2人が座れるセカンドシートは前後のスライドが出来ます。
セカンドシートの足下空間はシートのスライド位置によって広さが変わるのですが、フル乗車をする際にはできるだけ居住性を良くするためセカンドシートは後ろよりにスライドしたいところです。
しかしそうするとセカンドシート背面のラゲッジスペースが狭くなってしまい、積載量の面では不便さを感じてしまいます。
またフル乗車時には4人分の荷物を積まなければならないため、その際の積載性も不足気味です。
もちろんワゴンRのセカンドシートを前にスライドさせればラゲッジスペースは拡大しますが、最も前の位置にスライドさせるとフロントシートとの間にあまり隙間がないので窮屈さを感じます。
また長距離移動の旅行などの際にも足下空間の広さは疲れ易さに直結するので、ラゲッジスペースよりは足下空間が優先されます。
旅行のための4人の荷物もさらに積み込もうとなるとかなりスペースが不足しますので、手荷物などはヒザの上に載せるなどするとよいでしょう。
ラゲッジ床面がカーペット生地で汚れには弱い
ワゴンRのラゲッジスペースの床面はカーペット生地で覆われているのですが、こちらは汚れに対してはあまり強くない素材です。
ワゴンRに限らず一般的な乗用車はラゲッジスペースの床面が柔らかいカーペット生地で覆われており、軽自動車だけでなく中型車や大型車でも同様です。
カーペット生地は荷物及び車体の傷つきを防いでくれるので普段使いの実用性は高いものとなっており、普段積み込むときにはあまり気にすることもありません。
ですがカーペット生地は水が付いたり泥や土が付いたりすると染み込んでしまったりシミになったりする場合があり、どうしても汚れに対しては弱いものとなります。
ワゴンRはオフロード向けの車ではないので普段から汚れたものはあまり積み込まないのですが、雨の日に何かを積み込んだり地面に置いて土や泥がついたものを積み込むときが問題です。
一度カーペット生地が汚れてしまうと掃除はなかなか大変で、取り外しも出来ないのでシミがずっと残ってしまうこともあります。
そのためこういったものを積み込むときにはあらかじめ防水シートなどを敷いておいたほうがよく、ラフな使い方にはそれなりの対処が必要になります。
なおワゴンRのアンダーラゲッジ部分は防水性のあるトレイとなっていますので、靴ぐらいのものであれば汚れたまま積み込んでも問題なく、また掃除もしやすいので使いやすいです。
ワゴンRの荷室・トランク・荷物収納スペースの口コミ・評判
ワゴンRのラゲッジスペースについてはtwitterでもいろいろな投稿があり、その中からいくつかご紹介します。
ワゴンR室内フラットになるし、リアシートもちょっとリクライニングするし、荷室側にもフラットにできるし
足がふわふわでローリングとピッチング大きすぎる以外は全然文句ない— W.KINO® (@The_LEGO_City) October 23, 2020
こちらの方は実際にワゴンRに乗っておられる方のようですが、ワゴンRのラゲッジスペースは実用性の面では十分な性能はあるようです。
走りの面では若干気になる点はあるものの室内の機能は色々便利で活用されていますね。
やっぱりワゴンRの荷室を後席を倒すとスライドしてフラットな空間が出来るのは他のメーカーにも負けないメリットだと思う pic.twitter.com/lEdlWzUiTe
— 伊紗希栞之(シノ) (@sino1030kanon) April 2, 2019
こちらの方はワゴンRのラゲッジスペースのシートアレンジを評価されており、後席の収納やスライドをすることでフラットな空間が出来る点が使いやすいようです。
軽自動車の中にはどうしてもサイズ的な制限からフルフラットにはなりにくい車種もあり、ワゴンRの利便性は結構高いものがあります。
総評
スズキ ワゴンRはトールワゴン系軽自動車のスタンダードな車種の一つとして根強い人気があり、ある程度全高のあるボディで車内のスペースにゆとりがある点が魅力です。
ラゲッジスペースについてはセカンドシートの状態によってはかなり狭いものの、シートスライドやシートアレンジを活用することによって積載量が必要なシーンに対応できるようになっています。
またワゴンRは最近の軽自動車の中ではコストパフォーマンスも優秀ですので、普段使いならばワゴンRでも十分な車に仕上がっています。