トヨタ ヤリスは車のサイズが小さなサブコンパクトカーで、トヨタのエントリーモデルの一つです。
今回はヤリスのラゲッジスペースについてご紹介します。
ヤリスの荷室・トランクの容量・寸法
参考:toyota.jp
トヨタ ヤリスはコンパクトカーラインナップの中でも小さめの車で、扱いやすいサイズの車種となります。
ヤリスは以前はヴィッツという車名で販売されていた車の後継車で、欧州名であったヤリスが国内モデルにも採用されています。
ヤリスはなによりコンパクトなボディが魅力的な車であり、初めて運転する方や軽自動車からステップアップした方にはもってこいの車となっています。
国産車では多くのコンパクトカーが大型化する傾向にある中でヤリスはむしろサイズを小型化しており、全体的なデザインからもかなり小さな車という印象があります。
ではこのヤリスの大まかなサイズ感とラゲッジスペースのサイズや容量についてご紹介します。
スペック | ヤリス | |
乗車定員 | 5名 | |
全長 | 3,940mm | |
全幅 | 1,695mm | |
全高 | FF:1,500mm 4WD:1,515mm | |
室内長 | 1,845mm | |
室内幅 | 1,430mm | |
室内高 | 1,190mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 〈2WD〉 ・アジャスタブルデッキボード非装着車:831mm(デッキボード〜天井) ・アジャスタブルデッキボード装着車: アジャスタブルデッキボード上段時 692mm(デッキボード〜天井) アジャスタブルデッキボード下段時 809mm(デッキボード〜天井) 〈E-FOUR、4WD〉 692mm(デッキボード〜天井) |
幅 | 1,000mm(デッキサイドトリム間最小部)〜1,153mm(デッキサイドトリム間最大部) | |
奥行き | 【セカンドシート展開時】 〈2WD〉 ・アジャスタブルデッキボード非装着車:569mm(デッキマットヒンジ〜フィニッシュプレート)〜630mm(デッキマットヒンジ〜フィニッシュプレート) ・アジャスタブルデッキボード装着車: アジャスタブルデッキボード上段時 569mm(デッキマットヒンジ〜フィニッシュプレート)〜630mm(デッキマットヒンジ〜フィニッシュプレート) アジャスタブルデッキボード下段時 602mm(リアシートバック〜フィニッシュプレート)〜622mm(リアシートバック〜バックドア) 〈E-FOUR、4WD〉 602mm(リアシートバック〜フィニッシュプレート)〜622mm(リアシートバック〜バックドア) 【セカンドシート収納時】 全車:1,316mm(フロントシートバック〜フィニッシュプレート)〜1,333mm(フロントシートバック〜バックドア) | |
ラゲッジ容量 | 〈2WD〉 ・アジャスタブルデッキボード非装着車:270L(デッキアンダースペース以外) ・アジャスタブルデッキボード装着車: アジャスタブルデッキボード上段時 209L アジャスタブルデッキボード下段時 257L 〈E-FOUR、4WD〉 209L | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約900mm | |
後席寸法 | 高さ | 約900mm |
幅 | 約1,200mm | |
奥行き | 約800mm |
ヤリスは車のサイズ感がかつての5ナンバー車のサイズに収まるようになっており、4,000mmを切る短い全長にある程度ワイドな1,700mm弱の全幅を持つスタンダードなコンパクトカーです。
全高も低くボディデザインがスポーティなので、かなりカッコイイフォルムの車に仕上がっています。
一方で車内スペースについては従来のコンパクトカーよりも狭めのサイズ感であり、全体的にデザイン重視のコンパクトカーになっています。
そんなヤリスは5人乗りのハッチバックカーなのでラゲッジスペースはセカンドシートからテールゲートの間のスペースとなり、リアのバックドアからアクセスできます。
ヤリスは車内スペースがそこまで広くないためセカンドシートを展開した状態のラゲッジスペースは控えめで、横幅はそこそこのサイズがありますが奥行きが狭めのサイズになります。
そのためその標準ラゲッジスペースの容量は200L程度と数あるコンパクトカーの中では少ないほうですが、後述するシートアレンジによって増加させることができます。
ではヤリスのラゲッジスペースについて詳しくご紹介しいます。
ヤリスの荷室・トランク・荷物収納スペースの良い点
ヤリスのラゲッジスペースは決して広々としたものではありませんが、実用性はしっかり確保されています。
普段使いは可能な標準ラゲッジスペース
ヤリスのラゲッジスペースはサイズ的には小さいのですが、普段使いでは必要十分なサイズはあります。
参考:toyota.jp
参考:toyota.jp
ヤリスでセカンドシートを展開した後のラゲッジスペースは前後スペースがあまり大きなサイズではなく、同じトヨタや他社のコンパクトカーと比較してもその容量は6割程度に控えめです。
上下方向の高さはある程度のサイズが確保されていますが、セカンドシートの張り出しやルーフが車の後方で低くなっていることで窮屈さがあります。
コンパクトカーはボンネットサイズやスクエアデザインなどで車内スペースを広く確保する車種もありラゲッジスペースが大きな車種もあるのですが、ヤリスは全体的にスポーティなフォルムを形作っていることからラゲッジスペースはどうしても狭くなっています。
しかし積み込める荷物としては例えばスーツケースなどは中型のものを複数収めることが出来るサイズはあり、スーツケース自体の形状にもよりますが上下に立てるようにいくつも積み込めます。
ゴルフバッグなどは大きなバッグを前後に積むのは出来ませんが、横方向であれば中型のゴルフバッグをなんとか1つぐらい積めるでしょう。
また普段の買物の荷物ぐらいであれば不便を感じること無く積み込めますので、ヤリスのサイズであっても日常の多くのシーンでは十分なサイズのラゲッジスペースです。
一方でベビーカーや車いすなどの大きなものは折りたたみしなければ積み込むことはできませんので、あまり大きなものは積み込むのは大変でしょう。
シートアレンジによってサイズの拡大が可能
ヤリスはセカンドシート展開時の標準ラゲッジスペースはそこまで大きくはありませんが、シートアレンジを利用すれば大きなサイズのラゲッジスペースが確保できます。
参考:toyota.jp
ヤリスはフロントシートとセカンドシートで5人乗りが出来る車ですが、シート全体の前後サイズは近年のコンパクトカーとしては控えめなサイズ感です。
ですがこのセカンドシートはシートアレンジ機能がそなわっており、背もたれ部分を前側に倒して収納することで、セカンドシートのスペースもラゲッジスペースとして利用することができます。
セカンドシートを倒せれば標準ラゲッジスペースの600mm前後の奥行きから一気に1,300mm近いサイズまで拡大できますので、前後に大きな荷物を積み込めるようになります。
このシートアレンジ後であればゴルフバッグなどの大きな物や大型スーツケースでも前後方向に載せることができ、積載性は大幅に増加します。
シートアレンジ後の容量は公表されていませんが、奥行きが倍以上になっているので容量も400L〜500Lぐらいはあるでしょうし、セカンドシートを使わなければかなり大量の荷物でも積み込めるでしょう。
セカンドシートを全部倒すと乗車人数が2名になってしまいますが、セカンドシートのシートアレンジは左右分割式で行えるため、左右どちらかを座席として残しておけば乗車人数を3名〜4名にしたままで前後に長い荷物を積み込めます。
シートアレンジ後のラゲッジスペースはヤリスで利用できる最大の収納となりますが、それでも容量的には中型ハッチバックカーの標準ラゲッジスペース程度になりますので小型の車の限界はどうしても見えてきます。
いろいろな使い方の出来るアジャスタブルデッキボード
ヤリスのラゲッジスペースには「アジャスタブルデッキボード」という専用装備が装着でき、アジャスタブルデッキボードの使い分けでいろいろなシーンに対応できます。
参考:toyota.jp
参考:toyota.jp
アジャスタブルデッキボードはヤリスの標準ラゲッジスペースのフロアを覆っているボードのことで、アジャスタブルデッキボードの下側には小さめの容量を持つアンダーラゲッジがそなわっています。
アンダーラゲッジはサイズ的には117mmの深さを持つトレイのような収納になり、アジャスタブルデッキボードをめくって開くとこの部分を収納として利用できます。
またアンダーラゲッジは防水性のある樹脂製になっているため、汚れているものや濡れているもの、工具類などを収めるにも最適な場所であり、しっかり活用していくと良いでしょう。
またアンダーラゲッジ部分はアジャスタブルデッキボードの取り付け場所で深底にして活用することもでき、アンダーラゲッジの上側ではなく下側に装着することで高さ方向に大きくサイズを拡大できます。
このモードであれば標準ラゲッジスペースに収まらないような高さのものに対応することができ、植木などの横倒しが出来ず縦に大きな物を収めるのに適しています。
荷物を積み込むシーンに合わせてうまく使い分けることで、アジャスタブルデッキボードが付いたままでも幅広く活用できます。
なおアジャスタブルデッキボードは全車に装備されているものではなく、2WDでは一部グレードには装着されていません。
その際には標準ラゲッジスペースが深底のままとなっており、荷物の積み込みの際に上げ下ろしに負担が増えています。
またE-FOURおよび4WD仕様についてもアジャスタブルデッキボードは装備されていませんが、標準ラゲッジスペースの深さはアジャスタブルデッキボードの下段時とほぼ同じとなっています。
ヤリスの荷室・トランク・荷物収納スペースの悪い点
ヤリスのラゲッジスペースは次のような点が不便な部分であり、コンパクトカーのラゲッジスペースとしては仕方ない部分もあります。
どうしても狭さが際だつラゲッジスペース
ヤリスのラゲッジスペースはある程度の積載性はあるもののやはり目に見えて狭いサイズです。
ヤリスのようなベーシックなコンパクトカーは小さなボディサイズと扱い易さがメリットであり、もともと車内スペースの広さについては必要十分なサイズがあれば良い車種です。
トールワゴンタイプのコンパクトカーでもない限り全高が低い車では制限も多く、特に乗員の乗車スペースを優先するとラゲッジスペースが狭いのはコンパクトカーでは割り切りも必要な部分でしょう。
ですがヤリスと同クラスの他の車種と比べてもヤリスのラゲッジスペースは特に狭く、積載性を重視する方にはあまりおすすめできません。
ヤリスクラスのコンパクトカーのハッチバックカーではラゲッジスペースの容量はおおよそ200L〜300Lぐらいが標準ですが、大きな車種では乗員スペースもしっかり確保した上で400L近いサイズを持つ車もあります。
その中でヤリスは200Lピッタリぐらいのラゲッジスペースの容量であり、このクラスの車ならず軽自動車などと比べても狭いぐらいです。
ヤリスはスポーティでカッコイイボディデザインは魅力ですが、ラゲッジスペースの実用性という面では不便な面もあります。
開口部が狭く積み込みが不便
ヤリスのラゲッジスペースは積み込みのテールゲートのサイズも小さめで、積み込みの際に不便な点もあります。
ヤリスはハッチバックカーなのでテールゲートを上下に開くことでラゲッジスペースにアクセスできますが、デザイン的にリアコンビランプなどのボリュームが大きくテールゲートの横幅が狭めになっています。
またもともとの上下サイズが小さめなのでテールゲートの上下の開口部も小さく、大きな荷物を積み込むときに不便です。
ラゲッジスペースは横幅が広いサイズなのですが、テールゲート部分では多少絞られているためフルサイズのものは積み込みにくいです。
またヤリスは小さな車なのでそこまで不便ではないのですが、ラゲッジスペースのフロア部分は少し高めなので重量物の積み込みには不便なこともあります。
特に前述したアジャスタブルデッキボードを装着していない場合にはラゲッジスペースのフロア位置が1段低い位置になりますので、積み込みにも取り出しにもリアバンパーが若干邪魔になります。
小さな車なので段差自体は小さいのですが、他のコンパクトカーはもっと地上高の低い位置にフロアがあったりするので比較すると不便ではあります。
シートアレンジ後に大きな段差が生まれる
ヤリスのラゲッジスペースではアジャスタブルデッキボードがない仕様がありますが、この仕様ではシートアレンジの際に大きな段差が生まれて不便な部分があります。
ヤリスのラゲッジスペースはアジャスタブルデッキボードがあると無いとではフロアの位置が違い、アジャスタブルデッキボードで1段持ち上げることで使いやすいスペースとなっています。
ですがグレードの低いモデルや4WD仕様などではアジャスタブルデッキボードの未装着車もあり、こちらは一段低い深底のラゲッジスペースになります。
セカンドシートを展開した状態であれば少し深いだけの違いになりますが、シートアレンジを行うと大きな違いがあります。
シートアレンジではセカンドシートの背もたれを前側に倒して収納するのですが、アジャスタブルデッキボードが装着してあると倒した背もたれの上面がちょうどデッキボード上面とつながるようになっており、シートアレンジ後はほぼフルフラットなラゲッジスペースになります。
ですがアジャスタブルデッキボードがないと折りたたんだ背もたれの厚み分の段差が出てきてしまうので、標準のラゲッジスペースと後部座席部分のスペースの間はフラットにはなりません。
この段差によって重たい荷物を積み込む際に前後移動するのに邪魔な場所があり、使い勝手は良くありません。
積み込むものによって不便さは変わってくるのですが、できればアジャスタブルデッキボードは装着したほうが後々便利でしょう。
汚れに弱いカーペット生地
ヤリスのラゲッジスペースは全体的にカーペット生地で覆われているのですが、普段使いは良いものの汚れには弱いフロアになっています。
ヤリスに限らず一般的な車のラゲッジスペースは車内の床面と同じくカーペット生地となっており、質感の高さや車内デザインとの一体感のある仕様となっています。
またラゲッジスペースとしてはカーペット生地であれば傷つけるのをある程度防いでくれますし、荷物を前後に移動する際にも滑りやすくて便利です。
ヤリスのアジャスタブルデッキボードの上面も同様なカーペット生地なので、シートアレンジ後のフルフラットなラゲッジスペースでも荷物が移動しやすいです。
ですがカーペット生地はどうしても汚れに弱いという弱点があり、泥汚れや水に濡れてしまうと汚れたままになりがちです。
掃除をしてもある程度はカーペットに吸収されて残ってしまいますし、拭いたりするのも難しいので積み込むものによっては注意しなければなりません。
アジャスタブルデッキボードであれば取り外して掃除したりも出来ますが、もともとのラゲッジスペースのフロアであったりセカンドシート背面のシートバックなどは掃除も大変なので、もし汚れ物を積み込む際にはシートなどをしっかり敷いておくと良いでしょう。
ヤリスの荷室・トランク・荷物収納スペースの口コミ・評判
ヤリスのラゲッジスペースについてはtwitterでもいろいろな投稿がありますが、その中からいくつかご紹介していきます。
トヨタ新型ヤリス(ヴィッツ)の荷室
狭そう
リヤハッチの傾斜が…
シートサポートの出っ張りが…
荷室に段差が…ラゲッジボードはオプションか?
走行性能と着座位置の代償か…
今までのヴィッツとは違う方向性なんですね…法人ユーザーの需要はどうするんだろう
…カローラみたいに併売?まさかねw pic.twitter.com/Z0S8z95J23— がん (@takeo_iwai) October 16, 2019
こちらの方はヤリスのラゲッジスペースを実際に確認していらっしゃいますが、やはり見た感じでも狭さが際立つサイズ感になっています。
またこの仕様はアジャスタブルデッキボードもないので底の深い段差のあるラゲッジスペースになっており、パっと見でも不便さがあることがわかりますね。
GRヤリス、ラゲッジスペースにライトがないので暗すぎる問題
どうにか解決させたいな pic.twitter.com/rRi3eFNSoq— しみぷ妻大好きマン (@simiwa) September 26, 2021
こちらの方はヤリスのラゲッジスペースにいろいろ買物の荷物を載せているようですが、ラゲッジスペースが暗くて照明がほしいとおっしゃっています。
ヤリスのラゲッジスペースの装備は必要最小限のものに留まっており、照明がないので夜間は使いづらさがある装備となっています。
最近ではコンパクトカーであっても照明などはしっかりそなわっていることが多いので、ヤリスの残念な部分です。
総評
ヤリスはスタイリッシュなボディデザインとある買いやすいサイズ感が魅力のコンパクトカーで、スポーティなボディラインな若者向けの車です。
ですが小さな車のため車内の利便性には若干不便な部分もあり、ラゲッジスペースのサイズが小さい点は使い方によってはあまりおすすめできない車です。
1人〜2人ぐらいで運用するのであれば便利な車ですので、一人暮らしの方であれば満足できる車でしょう。