フェラーリはイタリアを代表するスーパーカーメーカーで、車好きなら一度は乗りたいと思うような素晴らしい車を製造しています。
今回はそんなフェラーリの故障についてご説明します。
フェラーリの故障率
フェラーリは1947年創業のイタリアの自動車メーカーで、高級スポーツカーとレーシングカーのみを手がけています。
フェラーリといえばスーパーカーと呼ばれるハイスペックのスポーツカーが代名詞で、数々の名車を世に送り出してきました。
超高価な価格もさることながら、高級車であるのに内装などは比較的簡素で、その分車の圧倒的な走行性能を磨くことに設計の主眼が置かれています。
効果で特別な車のため大衆車メーカーのように流れ作業の大量生産は行っておらず、その生産体制は半分ハンドメイドの少量生産です。
日本でもフェラーリはたまに見かけることがあり、道行く人の中には将来乗りたいなと思っている人もいらっしゃるでしょう。
しかしフェラーリは故障に関しては国産車と大きく考え方が違っており、その点をよく理解して置かなければなりません。
フェラーリの故障率は?
自動車の故障率は各自動車メーカーが市場調査をしてデータを集めているのですが、このデータは社外秘のデータで公表されません。
そこで通常は民間調査会社の調査結果などを参考にするのですが、フェラーリに関しては販売台数が少ないことからこういった調査にも反映されることがなく、数値としてどのぐらい信頼性があるかはわかりません。
ですがフェラーリは一般的に故障は多いと言われており、それは決して評判だけではありません。というのもフェラーリに使われている各部品の耐久性は国産車の量販車などと比べると低いのですが、これは設計が悪いのではなくあくまで思想の違いです。
量販車はなにより実用性を重視しているため長期間に渡っての耐久性が必要ですが、フェラーリはなによりパフォーマンス優先であり各部品の消耗も早いのです。
その一例がエンジンのタイミングベルト交換ですが、国産車では走行距離100,000kmが交換の目安となっているのですが、フェラーリの場合は30,000kmぐらいで交換する必要がありずいぶん差があります。
フェラーリのエンジンの多くは大排気量、高出力でありエンジン部品への負荷も大きいということはありますが、何より基本設計の考え方が違うということです。
タイミングベルト以外の部品についても概ね国産車よりは耐久性は低く短い走行距離、年式で交換が必要です。
そのため故障する頻度も国産車よりは多いといえ、フェラーリには頻繁なメンテナンスが欠かせないのです。
フェラーリは燃えやすい?
フェラーリのトラブルで有名なものの1つに「車が燃える」というものがあるのですが、このトラブルは実際にフェラーリで起こる場合があります。
国産車を始めとした量産車に乗っている限り、事故でもなければ車両炎上になるような自体は現在ではとても珍しくなっています。
それは車の信頼性設計が年々向上しているためであり、たとえ衝突事故を起こしたとしても火災になることは非常に稀です。
ですがフェラーリは特に衝突事故を起こしたりすると火災に発展することが多く、TVのニュースなどでもたまに見かけることがあります。
その理由はやはりフェラーリという車が性能優先で設計されているためであり、国産車に比べるとこういった面での信頼性は劣っています。
車体もアルミ合金やカーボンなどの軽量素材で作られていており、衝突時に破損することも多いのです。
こういった点に加えてフェラーリはエンジン周りの熱環境も厳しい車であり、車の走っている状況や渋滞状況によっては車の内部部品から発火する場合もあるようです。
こういったトラブルは最近のフェラーリよりも昔のフェラーリに多く、特に夏場など暑い時期に見られることがあります。
中古のフェラーリの故障しやすさ
フェラーリは日本でも昔から愛好家が多く、中古車市場にもそれなりの台数があります。
こういった中古のフェラーリには名車であっても新車に比べればかなり値段が安くなっているものも多いのですが、その理由の一つはやはり故障の多さにあります。
前述でも述べたようにフェラーリの設計思想では耐久性の短い部品が多く、頻繁な部品交換やメンテナンスがかかせません。
ですが中古車までそういったメンテナンスが行き届いているかというとそうではなく、中古車のフェラーリの部品は故障しがちです。
そういった事情があるためにフェラーリノ中古車価格は大きく下落する傾向にあり、もし激安のフェラーリを中古で購入しようものならその後に修理費でコストが沢山かかることもよくあり、何より維持費が大変となります。部品は基本的に輸入ですし、古いフェラーリでは部品がないこともあります。
フェラーリはたしかに夢の車ですし、それが低価格で購入できる中古車は魅力的ではありますが、現実的面もしっかり見ておかないと大変でしょう。
フェラーリ オーナーの評判
フェラーリの故障やトラブルについてはTwitterにも様々な情報が投稿されていますので、その中からいくつかご紹介します。
友達の知人がフェラーリを買ったらしいですがしょっちゅう電気系統が故障するらしいです。
— OSD .イワシ🌈🌴🦈🌺🦜 (@OsdKobe) November 4, 2018
こちらの方はご友人がフェラーリに乗っていらっしゃいますが、電気系統の故障は頻繁に起こるようです。
電気系統は輸入車が全般的に故障が多いのですが、フェラーリはそれ以上に故障頻度が多いです。
フェラーリは安い中古モデルも故障したらかなりの出費を覚悟しないといけませんからね〜治すパーツがないということも(^^;。比較的安くて故障しにくい、故障してもまだパーツ大丈夫なモデルとなると、360ですかね。
— tak_sho (@e_ari) October 8, 2018
フェラーリの修理に関しては故障時の維持費が非常に高いことは前述でご説明しましたが、そもそも古いフェラーリだと修理部品が無くなっているという事態も考えておかなければなりません。
それを考えると比較的新しく、また安価なモデルとしてはフェラーリ360モデナはなかなか良い選択肢でしょう。
やっぱメーカー名出してるよ…
見た感じ488っぽいけど
なんでこういう高級スポーツカーが
事故った時だけメーカー名出すのかなぁ…#フェラーリ炎上 pic.twitter.com/IJODqOUvQ2— kuros140 (@kuros141) August 1, 2019
フェラーリの炎上に関しては度々TVで報道されたりするのですが、つい先日も中央道でフェラーリ488GTBの炎上事故があったようです。
488GTBは直近で生産されていた最新モデルの一つですが、そのフェラーリでもまだこういったトラブルはあります。
フェラーリの故障事例
フェラーリの故障事例は様々なものがあるのですが、その中でいくつか代表的なものをご紹介します。
電気系統の故障
前述のTwitterにもありましたが電気系統の故障はフェラーリで多いトラブルです。
電気系統と言っても様々な箇所がありますが、まず多いのはエンジンの各種センサーやイグニッションコイル、スロットルチャンバーなどの電子部品で、こういった部品はフェラーリでは数万km走行ごとに故障と修理が必要な場合が多いです。
フェラーリのエンジンも年々電子化が進んでいるのですが、その信頼性は国産車に比べると低くエンジンの中でも故障しやすい箇所といえます。
また他には車室内の各種センサーやスイッチ類、パワーウインドウなどの電動部品系も故障しやすい部品で、比較的修理費用は安い部品ではありますが、様々な部分で故障が起こることがあります。
こういったトラブルはフェラーリには付き物となっていり、フェラーリに乗るのであれば覚悟して置かなければならない点でしょう。
エアコンコンプレッサーの故障
エアコンは空調の中で冷風を送る装置でもはや標準的な装備になっていますが、その冷媒ガスを圧縮するためのエアコンコンプレッサーも故障の多い箇所です。
エアコンコンプレッサーはエンジンの動力をベルトで伝達して回転して作動しているのですが、その回転部分には常に高負荷がかかっておりとくにベアリング部の劣化が問題となります。
その結果回転部分が不安定となって異音や異常振動の原因となります。また他には電気系統の故障もあり、エアコンコンプレッサーは故障率の高い部品といえます。
国産車でもエアコンコンプレッサーの修理には結構な高額修理が必要となりますが、フェラーリについては部品代がかなり高いこともあり、数十万円規模の修理となります。
また一般的な修理工場では難しい部分もあり、ディーラーでの修理ということで工賃も高めです。
なお近年のフェラーリは少しずつハイブリッドカーのような電動化が進んでおり、それに伴いエアコンコンプレッサーも電動エアコンコンプレッサーに変わってきています。
回転軸のトラブルは少なくなるものの、代わりに電気系統の故障となり、なおかつ部品代が更に高額となるので将来的には維持費にしめる割合が高くなることでしょう。
クラッチの消耗と交換
フェラーリはスーパーカーとしての性能を重視して設計されており、非常に強力な性能を持つエンジンが搭載されています。
その動力をトランスミッションに伝達する役割を果たしているのがクラッチですが、クラッチには非常に高い負荷がかかっていることもあってトラブルは多めです。
クラッチはエンジンとトランスミッションの間にあって動力の伝達と切断を行っています。機構的には摩擦クラッチなのですが、度重なる動力伝達と切断、また走行時の負荷などによってこのクラッチ板が少しづつ消耗していきます。
国産車などでもクラッチを持つ車は消耗によって交換が必要とはなりますが、フェラー理の場合は30,000km走行ぐらいから交換時期が来ますので、頻繁なメンテナンスがひつような部品といえるでしょう。
修理にはクラッチの交換が必要なのですが、それにはエンジン下ろしなどの作業も必要でかなり大規模な修理となります。
費用的には総額で800,000円〜1,000,000円ほどは必要で、国産車であれば中古車が買えるほどです。ですが修理しなければ車が走行できませんので、フェラーリを維持するには必須の修理です。
フェラーリは買っても大丈夫か?
フェラーリは車好きにとっては夢の車であり、もし中古車などで安く出ていたら一度は買ってみてもいいのでは?と思ってしまうほど魅力的な車です。
ですが故障という観点から言えば国産車とは比較にならないほどトラブルは多く、また正常に走行するためのメンテナンスにかかる維持費もかなりの額に登ります。
フェラーリをまともに維持するには購入時だけではなくその後も経済力が必要な部分が多いので、決して安易に購入できる車ではありません。