日本郵政の赤い車で有名なスズキのエブリイ。それを乗用車として扱いやすくした車がエブリイワゴンです。
荷物を運ぶ軽商用車をベースにしている車だけに、その車内空間の広さは軽自動車の中では群を抜いています。
送迎などの乗用にはもちろんのこと、アウトドアから車中泊まで様々な用途に使うことができる利便性の高さが特徴です。
ターボエンジンによるパワフルな走りや先進安全装備による高い安全性能など、その他の乗用軽自動車には全く引けを取りません。
そんな便利なエブリイワゴンですが、やはりお得に買いたいと思うのはみんな一緒です。
ここではエブリイワゴンの値引きの相場から限界値引き、そして交渉術を紹介していきます。
エブリイワゴンの値引き額の平均相場
エブリイワゴンはスズキの販売するスーパーハイトワゴン軽自動車です。
軽貨物をベースとした車で、直接的なライバルはハイトワゴン系になりますが、そんな中で一風変わったスタイルですので、競合も少なく、落ち着いた競争ができる車と言えるでしょう。
エブリイワゴンですが、その値引き額は一体どのくらいが平均となっているのでしょうか。ここではエブリイワゴンの値引き平均相場をご紹介します。
本体値引きは10万円前後が相場
エブリイワゴンの値引き額は10万円前後が相場となっています。おおよそ本体価格の6%程度の価格が値引き相当額です。
エブリイワゴンは現在発売から4年経過しており、値引き額はそれなりに大きくなってきています。商用車としても人気の高い車だけにそれほど値引きにこだわりはないのか、意外と切り出しからの値引きが大きのが特徴です。
本体の値引きで車両から6%近い値引きがでていれば平均値引き額と言えるでしょう。
忘れてはならないオプション値引き
ディーラーでエブリイワゴンの商談をしています。すると”今日はキャンペーンやってますので、決めてもらえるのであれば10万円の値引きをします。”と10万円の値引きが提示されました。
先程の話からしても車両価格の6%を超える値引きが出れば十分だとのことなので、これなら満足だと意気揚々と契約しました。というのも良いですが、大幅値引きを獲得狙うからには隅々まで値引きをいただきましょう。
先程の値引き額は車両本体だけの値引きです。見積書には車両だけでなくフロアマットなどのディーラーオプションも記載されているはずです。こちらからももちろん値引きしてもらえます。
オプション値引きは地域やディーラー特性によっても違いますが、オプション金額の1割から2割ほどが値引きの平均とされています。
オプションも車両本体と同じく販売力などによっても仕入れ値が違ってきますので、値引きはこれだけですとは一概には言えません。
このオプション値引きで注意が必要なのは、先程のように値引き額を大きく見せるためにオプションからの値引きと本体値引きを総額で提示してくることです。
車両本体で1割近い値引きが出ていてもオプションが値引きされていなければ、オプションの利益で十分儲けが出ます。
もし値引き交渉をあまりしたことない人であれば、値引き額が大きく見えるので営業マンも頑張ってくれたんだと思ってしまいます。しかしこれではなんだか物足りないですね。
交渉の際には冷静に値引き額を計算して、後々値引きが思ったより少なかったなどと後悔することのないように注意しましょう。
値引きの平均金額
ではエブリイワゴンからは総額でどれくらい値引きができれば平均的なのでしょうか。ここで、グレードやオプションを使って一例を上げていきます。
価格 | 値引き額 | |
エブリイワゴン PZターボ | 156万円 | 10万円 |
オプション | 30万円 | 3~6万円 |
値引き計 | 13~16万円 |
この条件であれば、合計13万円から16万円ほどの値引きが出れば平均的な値引きと言えるでしょう。
値引き額の月変動
では次にエブリイワゴンの値引き額の変動を見ていきます。2015年2月に登場したエブリイワゴンは、どんなタイミングで値引きが大きくなり、その後どのような値引き額になっているのでしょうか。
販売時期 | 値引き額 |
2015年2月から | 7~12万円 |
エブリイワゴンの値引きはこのように変化しています。
2015年の発売当初はさすがに新車効果もあり、値引き額は一桁と非常に渋かったです。しかし同年の半期決算あたりを皮切りに、値引きは伸びはじめます。
その後も特に引き締められることもなく徐々に伸び続け、現在は12万円まで値引きは。現在はそのまま12万円前後の値引き額となっています。
値引き額が13万円から16万円になる理由
エブリイワゴンは総額で13万円から16万円が平均的な値引き額です。値引きの平均額がこれだけの金額になるのはどういった理由があるのでしょうか。検証していきます。
モデルライフが長い
エブリイワゴンは今年で発売から4年が経過しています。エブリイワゴンの場合は基準車との関係もあり、外観の大幅変更などといったマイナーチェンジがなく、装備の仕様変更などによって機能性の向上だけが行われています。
そのため年数の経過によって目新しさも薄れてしまい、新車効果の薄れが値引き幅が広がる要因として現れています。
需要が少ない
エブリイワゴンは広い車内で使い勝手がよく、車自体も非常に頑丈で使いやすい車です。
しかし現代の乗用車に比べると燃費や乗り心地の面ではどうしても遅れを取ります。そのためどちらかというと趣味性が強い車となり、スペーシアのような乗用タイプに比べると需要が少ないのが現状です。
さらにはライバルとなる車とも、車の性能としてはそれほど大きな違いはないため、少ない需要を確実に手にするためにどうしても値引きが頼りになりやすいというのが、値引きが大きくなりやすい要因となっています。
オプションがつきやすい
エブリイワゴンはその広い車内で何でもできる車です。そのためフロアマットやナビなどの一般的なオプション以外にも天吊モニターからアウトドア用品まで、オプションの装着率が非常に高い車です。
もちろん高額なオプションを付ければつけるほど、オプションからの値引きの割合は大きくなってくるので、値引きは大きくなる傾向があります。
ただ、オプション値引きが大きいことが車両値引きを隠してしまい、総額の値引き額を見ると大きく感じてしまいますが、車両値引きが実はそれほど大きくない場合があります。
ですのでしっかり確認しながら交渉しなければ、営業マンのもっている値引きだけでうまく言いくるめられてしまいます。平均額以上を引き出すためにもしっかりと交渉材料をそろえて交渉する必要があるのです。
エブリイワゴンの値引き額の最大・限界額
エブリイワゴンの平均値引き額や、値引きがゆるくなりやすい理由を説明してきました。
では次に実際に購入したユーザーが獲得した、エブリイワゴンの最大値引きをご紹介していきます。どのような金額が出るのでしょうか。
値引きの最大価格
エブリイワゴンの値引きの金額を調べていくと最大値引きは20万円となりました。
利益の少ない軽自動車でこれだけの上積みするからには、値引きが出るような要因をしっかり押さえて交渉した事が考えられます。
値引きの理由
軽自動車であるエブリイワゴンの値引きが20万円にもなるからには、必ずそれなりの理由があります。では最大値引きが出たであろう理由を解説していきます。
ライバル車としっかり競合させた
エブリイワゴンはちょっと特殊な車なのでライバルは少ないですが、逆にそのライバルが一番の強敵です。こうした他社競合を使って確実に値引きを広げていったというのも重要な要素です。
それだけでなく、ちょっと視野を広げると比較できるライバルも多くなりますので、他社競合はとてもやりやすいです。
スライドドアのついた実用性の高い軽自動車と競合させて、エブリイワゴンの弱点をうまく突きながらしっかり交渉して値引きをとったかどうかが、値引き額を大きくした要因です。
値引きが大きい店舗を選んだ
大幅値引きを獲得するからには他社競合だけでなく、同じ車同士の競合や値引きに対してゆるいディーラーを選ぶことも必要です。
エブリイワゴンを販売しているスズキのディーラーは、スズキ自販〇〇という名前ですが、後ろの〇〇が違えば経営者が違います。なのでここが違うディーラー同士であれば競合させることが可能です。
さらにはスズキの場合はサブディーラーも多くあり、こちらも扱っている車種は同じなので競合できますので手段は豊富です。
これらは会社が違うので販売方針がそれぞれ違い、利益を考えて大事に車を売る正規ディーラーもあれば、販売はユーザーを増やすための足がかりで車両利益よりも台数を優先するサブディーラーなど、売り方はさまざまです。そんな中で値引きの大きな店舗を選んだというのが一つの大きな要因と言えます。
最大の値引きが出やすいタイミング
ディーラーが車の一番値引きを多くしてでも車を売りたいのは、9月の半期決算及び3月の決算月です。
この時期はディーラーはメーカーからのノルマを達成するため登録台数の見込みをつけて、必要であれば未使用車の台数を読み始めます。さらに決算なので売上も大きく必要です。
そしてメーカーからは決算期などに合わせた施策や販売台数達成に対する施策もあります。となれば値引きが大きくなる要素はさらに増えるのです。
さらに営業マンもその年一年の目標台数のもありますので、通常の条件より甘くなりがちです。そういったことから決算期には通常では出ないような大幅値引きが出ることもあるのです。
まとめますと、エブリイワゴンの値引き額が最大となった要因は、他メーカー車との競合や販売店同士の競合で値引きを広げたこと、さらに決算期のタイミングが上手くハマったことが、最大の値引きとなった理由だといえます。
エブリイワゴンの値引きのレポート・体験・口コミ
変わった車ながらも値引き要素の強いエブリイワゴン。
では実際に購入した人たちは、どういった方法で値引きをしたのでしょうか。実際の交渉内容をツイッターから探ってみます。
私は立場上エブリィではなく某社のOEM車で見積もり取ってます
グレードは違いますが値引き幅は同じくらいみたいです
流石に平成9年式のハイゼットじゃ至る所にガタが来て…
(ちなみに今乗ってるハイゼットは個人売買で3万で買って11年乗ってますw)— 福怪鳥かものはし甲乙丙丙丙 (@kamonohashi_mk2) 2018年10月14日
こちらの方はエブリイワゴンではないですが、エブリイワゴンベースのOEMでも見積もりをとっているようです。
値引き幅はほぼ同じくらいになっていますので、他メーカー同士で全く同じ車で競合させる良い手段となります。
ただ納期はエブリイワゴンのほうが早い傾向がありますのでその点を考慮して、競合することになるでしょう。
クルマ雑誌を見たら、新車購入時の値下げ交渉術なんてのを扱う特集が…良いのかそれ(笑)
エブリイの時は「値段が下がれば嬉しいが、呉々も店やスタッフは十分な利益を得られるように。店の対応に満足して購入を決めたのだから値引きの有無は気にしない。」と伝えたのにえらい値引かれて恐縮したな…— 赤YBR@13万km達成! (@Cub_to_YBR) 2019年6月5日
他社競合やディーラー巡りなど、値引き獲得のためにガンガン交渉するのも良いです。
しかしこうやって”あなたから買いたいんですよ”という態度を示すことで、営業マンからこちらが望む以上の値引きを気持ちよくしてくれることもあるようです。
もちろん対応の良い店ばかりとは限りませんので、そこを見極めるディーラー巡りは必要となります。
エブリイワゴンの値引き目標金額
他社競合やスズキ同士の競合など意外と交渉の手段の多いエブリイワゴン。
軽自動車であるエブリイワゴンは利益率も低いため交渉次第では値引き額は結構違ってきます。そこでしっかり値引きを頂いて購入するために絶対重要なのが目標値引き額です。
目標がなければ営業マンが値引きを提示してきても、それが好条件なのかどうか判断できませんね。エブリイワゴンはいくらを目標に値引き金額に設定すればよいのでしょうか。
値引き目標額は本体で14万円、オプションで2割
エブリイワゴンの目標値引きは、現在の相場では本体価格から14万円を目指しましょう。そしてナビなどといったディーラーオプションからの値引きは1割引きは当然のこと、2割引きまで引き出せれば十分です。
エブリイワゴンは純粋に価格勝負のしやすい車なので、他社との競合が武器となります。エブリイワゴンの背が高いという魅力を、人蹴りしてしまうような機能のあるハイトワゴン軽自動車をぶつけることで、値引きは大きくなります。
目標値引きをたてましたが、実際には値引き額は地域差やディーラーの販売力によって差が出ます。そのため必ずとは言えませんが、この金額を目標としておけば購入時の値引きが多いか少ないかは判断できるでしょう。
交渉の際にはしっかり目標値引きを把握して、営業マンの説得をうまく覆して最大の値引きを引き出しましょう。あとは購入の時期をしっかり配慮することで、プラスαの値引きを追加したいところです。
エブリイワゴンの目標値引き額まとめ
というわけでエブリイワゴンの値引き目標金額はこのようになります。
本体値引き | 12万円 |
オプション値引き | オプションから2割 |
時期的なもの | 最大3万円 |
合計額 | 18~21万円 |
この条件を引き出すことを目標として行きましょう。この条件が2019年現在ほぼ値引きのマックスだと判断して良いです。
時期的なものプラスαというのは、決算など時期によって違うものです。この程度の場合もあれば、もう少し低い場合もあります。
エブリイワゴンの値引き交渉のポイント
エブリイワゴンの値引きの目標金額も見えてきましたね。しかしここで”値引きしてもらわなくては”と気持ちが焦ってしまうと、要求ばかりになって営業マン側がうんざりします。
ツイッターにもあったとおり、信頼して購入することで気持ちよく値引きしてくれる事例もあります。逆に嫌な客だなと思われてしまえば無理してまで売りたくありませんので、値引きを抑えられてしまうかもしれません。
有効な交渉で値引きを獲得したいところですが、どのように交渉すればよいのでしょうか。エブリイワゴンの値引き目標金額を獲得する方法を考察していきます。
車が安くなる時期を狙う
突然車が必要になった場合ではない限り、車の値引きがしやすい時期を狙うのが大きなポイントです。
最近はいつ購入しても、そんなに値引きは変わらないと言われていますが、そんな事はありません。たまに値引きが大きなタイミングがありますが、できるなら確実に期待できる時期を狙うのが一番です。
まず1つ目はモデルチェンジ直前です。モデルチェンジ直前は値段が安くなりやすいので、新しいほうが良いという場合でなければ狙い目です。
エブリイワゴンの場合はモデルチェンジというものは現在ありませんが、マイナーチェンジなどもなくゆったりと値引き幅が広がってきています。現在でも十分値引きを期待できるチャンスでしょう。
次にディーラーの値引きしやすい時期です。メーカーからの施策など値引きが大きくなりやすい1から3月の決算時期や8から9月の半期決算はかなり良いでしょう。
そして7月のボーナス商戦でも販売施策が入ることがありますので、こういった時期を狙うのは定石です。
エブリイワゴンにはこの車をぶつける
値引きが出やすいタイミングにエブリイワゴン単体で交渉するのもよいですが、営業マンが値引きを出しやすく、さらに店長と交渉しやすい理由を作ってあげましょう。そのためには競合車の存在が非常に重要です。
エブリイワゴンはライバルとなり得る車種が多くいます。中でも強力なのはクリッパーやスクラムなどといったOEM車両です。全く同じ車ですが販売するメーカーが違いますので当然競合できます。
その他にも他メーカーの同じタイプの車である、ダイハツのアトレーなどもあります。ほとんど同じで外観やエンジンの好み程度しか変わりませんので、もはや値段で勝負するしかありません。
自分はエブリイワゴンが良いんだけど、知人に日産の営業マンがいていい条件を出してくるんだけど、できればスズキが良いのでもうひと頑張りできませんか。というような話であれば、よほどひねくれた営業マンでなければ、ここが頑張りどころとこっちに振り向くように、条件を聞いてくれるはずです。
競合で真剣に悩んでいることから、営業マンを味方につけて”この人には値引きしてでも売りたい”と思わせることで、値引きを引き出せるでしょう。
サブディーラーをぶつける
ある程度値引きが出ているけどもう一歩値引きがほしいという場合は、最後に個人経営でスズキの看板を上げているサブディーラーと競合させる方法があります。
サブディーラーは整備工場であることが多く、整備で儲けています。そのため新車の販売にはそれほど利益を見込まず、卸値にちょっと利益をつけただけで売ってくれることもあるのです。
ただ今は正規ディーラーの見積もりを利用して値引きをする方法になります。まずは正規ディーラーでしっかり商談して、値引きを明記された見積もりを用意する必要があります。
正規ディーラーにとっては車を仕入れてくれるサブディーラーはお客さんで、サブディーラーは正規ディーラーから仕入れをして販売しています。
なので客売の見積もりがサブディーラーに卸す値段より大きな値引きが出ていれば、サブディーラーも黙っていられませんね。
それを口実に正規ディーラーから卸値を下げさせることができ、最終的にサブディーラーからの購入になりますが、値段を落とすことができます。
正規ディーラーとしてはこれをされるとサブディーラーとの信頼関係や今後の販売で困ります。なので正規ディーラーで交渉の際に、サブディーラーでの購入をほのめかせると、その時点で適正値引き以上の値引きは出なくなります。
そしてこの方法はその後正規ディーラーには気持ち的に通いにくくなったりもしますので、サブディーラーを活用するという場合以外では、あまりお薦めはできない方法です。
大幅値引きを狙うなら3月の単独勝負
決算の大幅値引きを狙うなら、営業マンが追い込まれている3月契約が穴場です。
3月に入ってくると営業マンは見込みのお客さんの対応がほぼ終わり、売り先がなく困ってしまいます。さらに人気のある車種は、新規発注では3月登録が間に合わなくなるのでとてもつらいのです。
この状況で契約台数まであと一歩というディーラーにとって、喉から手が出るほどほしいのが3月中にナンバーが登録できるという条件です。
そんなときにエブリイワゴンが在庫などでたまたま3月登録ができる車であれば、営業マンも会社も一丸となって値引きを頑張ってくれるでしょう。このタイミングであれば奇跡の値引きを引き出すことができるかもしれません。