スズキ ジムニーシエラはコンパクトカーのSUVで、本格的な走破性を持つ車です。
今回はジムニーシエラのラゲッジスペースについてご紹介します。
ジムニーシエラの荷室・トランクの容量・寸法
スズキ ジムニーシエラはコンパクトカークラスのサイズ感を持つSUVで、小さな車ながら本格的な悪路走破性を持っています。
ジムニーシエラは同社の軽自動車であるジムニーの派生車種で、ジムニーをベースとして普通車クラスにスペックアップした車種となります。
現行ジムニーシエラも2018年登場の4代目ジムニーがベースとなっており、多くの部分をジムニーと共通化しつつもワイドフェンダーやスペックアップしたエンジンを搭載してよりゆとりのある性能を発揮します。
またベースのジムニーが軽自動車ながら本格的なクロカンSUV的な使い方も出来る車種であり、ジムニーシエラにもこのコンセプトが踏襲されています。
ではジムニーシエラの大まかなサイズ感とラゲッジスペースのサイズや容量についてご紹介します。
スペック | ジムニーシエラ | |
乗車定員 | 4名 | |
全長 | 3,550mm | |
全幅 | 1,645mm | |
全高 | 1,730mm | |
室内長 | 1,795mm | |
室内幅 | 1,300mm | |
室内高 | 1,200mm | |
ラゲッジルーム | 高さ | 850mm |
幅 | 1,300mm | |
奥行き | セカンドシート展開時:240mm セカンドシート収納時:980mm(荷室床面長) 1,090mm(フロントシート背面〜テールゲート) | |
ラゲッジ容量 | セカンドシート展開時:約210L | |
運転席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
助手席寸法 | 高さ | 約1,100mm |
幅 | 約500mm | |
奥行き | 約1,000mm | |
後席寸法 | 高さ | 約1,000mm |
幅 | 約900mm | |
奥行き | 約700mm |
ジムニーシエラはコンパクトカーの中でも最小サイズの車になっており、全長は軽自動車より多少長い3,550mm、全幅も1,645mmと5ナンバーサイズに満たないサイズです。
これはジムニーシエラのボディをジムニーとほぼ共通化しているためで、ジムニーに対してフロント及びリアバンパーでの延長化と、左右のワイドフェンダーによるワイド化がされているためです。
そのため車内スペースについてはジムニーとほぼ同じサイズ感になっており、シートの仕様でわずかに差がある程度です。
そのためジムニーシエラのラゲッジスペースは軽自動車クラスのサイズとなっており、乗車人数も軽自動車同様4名となります。
標準的なラゲッジスペースはセカンドシートからテールゲートまでの間の240mmの短いスペースとなっており、容量も210Lと軽自動車の中でも最小クラスです。
これは勿論コンパクトカーとして見ても最小クラスであり、ジムニーシエラはあくまで軽自動車のスペックアップカーという位置づけになっています。
ではジムニーシエラのラゲッジスペースについて詳しくご紹介しましょう。
ジムニーシエラの荷室・トランク・荷物収納スペースの良い点
ジムニーシエラのラゲッジスペースはサイズこそ大きくないのですが、いろいろな利点がそなわっています。
防水性がありヘビーに使えるラゲッジスペース
ジムニーシエラのラゲッジスペースの大きな特徴として標準装備で防水機能がそなわっており、ヘビーな使い方に対応できます。
ジムニーシエラは小さい車ながらもクロカンSUVであり、キャンプやアウトドアなどにも使いやすい車となっています。
キャンプやアウトドアでは水で濡れたものや土や泥で汚れたものを積み込むシーンは多く、一般的な車ではラゲッジスペースの床面がカーペット生地なのでこういったものを積み込むとシミになったりするのが問題です。
ですがジムニーシエラのラゲッジスペースには防水性の高い樹脂パネルが標準的に装備されており、汚れたものを積み込んでも大丈夫なようになっています。
ジムニーシエラで防水性のあるスペースはセカンドシート後ろの標準ラゲッジスペースだけではなく、後述するシートアレンジ後のセカンドシート上面も防水性が付与されています。
シート自体も撥水シートになっているので水が多少漏れても大丈夫なので、車内の汚れにそこまで気を使わずに積み込めるのが便利です。
とくにサーフボードやマウンテンバイクなどレジャーにはもってこいであり、一人の趣味の車としてヘビーに活用できるラゲッジスペースです。
シートアレンジで実用的な容量が確保できる
ジムニーシエラのラゲッジスペースはセカンドシートの収納によってより広いスペースを確保でき、実用性の高いサイズを確保できます。
ジムニーシエラはセカンドシート展開時の標準ラゲッジスペースこそ狭いものの、セカンドシートは背もたれを前に収納するシートアレンジが可能となっています。
これによってセカンドシートのスペースもラゲッジスペースとして活用することができ、ラゲッジスペースの奥行きが1,000mm近く活用できます。
ここまでラゲッジスペースが広がると容量が400L弱まで拡大しますので、このシートアレンジでようやくコンパクトカーの標準的な容量に近くなっています。
シートアレンジを行えば標準ラゲッジスペースに収まらなかった荷物も積み込めるようになり、サイズの大きなゴルフバッグも横積みで2つぐらいは積み込めます。
キャンプやアウトドアの際も基本的にはシートアレンジ後の容積で荷物を積み込むことになり、その際は乗車人数が減少します。
ただしジムニーシエラのセカンドシートは左右分割式の座席となっているので片方は座席として残すことができ、乗車人数3名を確保しながらある程度ラゲッジスペースを拡大する使い方も出来ます。
ジムニーシエラは車の車内スペースが狭めなのでラゲッジスペースもどうしても狭くなりがちですが、シーンに合わせてシートアレンジを駆使することで実用性が高くなります。
フルフラットで障害物の少ないラゲッジスペース
ジムニーシエラのラゲッジスペースは全体的にフラットなスペースに仕上がっており、積み込みのしやすいデザインとなります。
ジムニーシエラは標準ラゲッジスペースの上面がフラットに設計されていて荷物を積み込んだときに安定感があるのですが、それだけではなくシートアレンジ後のスペースもフラットになっています。
セカンドシートの背もたれを前に倒すとちょうど90度まで倒れるような設計となっているので、シートを収納するとまるで2人乗りの車であったようなデザインとなります。
また前述した防水性のあるフロア全体がフラットになっていますので、ラゲッジスペース全体で使いやすいスペースになっています。
ラゲッジスペースがフラットになっていると荷物を前後に移動させるときに楽であり、大きな荷物や重量物を積み込みやすくなります。
長いものを積み込むときにも段差などで引っかかることなく奥に押し込めますので、ストレスなく積載ができるでしょう。
軽自動車やコンパクトカーでもジムニーシエラのシートアレンジほど完璧なフラットスペースが作れる車種は珍しく、ラゲッジスペースの使い勝手を考慮した設計となっています。
アンダーラゲッジボックスの重要な車種
ジムニーシエラには標準ラゲッジスペースの下にアンダーラゲッジボックスが装備できるのですが、この装備の有り無しで利便性がかなり変わってきます。
アンダーラゲッジはラゲッジスペースの床面の下に設けられた小物入れスペースのことで、ジムニーシエラでは深底のアンダーラゲッジ部分にボックス状の装備が収まっています。
このアンダーラゲッジボックスは樹脂製のボックスとなっているので防水性があり、汚れた靴や普段使わない工具類などを収めておくのに適しています。
またアンダーラゲッジボックス自体を取り外すことも可能であり、標準ラゲッジスペースに高さがほしいときに取り外すことで深底部分を利用でき、上下スペースを最大化できます。
さらにアンダーラゲッジボックスのもう一つの機能としてフルフラットモードがあり、前述したシートアレンジ後のフラットスペースを確保するためにはアンダーラゲッジボックスが必須です。
アンダーラゲッジボックスの上面がちょうどセカンドシートの収納時の高さと合うようになっており、段差のないフルフラットなスペースができます。
アンダーラゲッジボックスがないとシートの厚み分の段差が生まれてしまうため使い勝手が悪くなりますので、アンダーラゲッジボックスは標準装備されているグレードがおすすめです。
フロントシートスペースを使った車中泊が可能
ジムニーシエラではセカンドシートの収納で広いラゲッジスペースが確保できますが、さらにフロントシートの収納という機能もあります。
ジムニーシエラは普通車ながら軽自動車と同じレイアウトなため4名乗車となっており、フロントシートは運転席と助手席があります。
セカンドシートを収納してもラゲッジスペースの奥行きは広く使えるのですが、現行のジムニーシエラではフロントシートのヘッドレストを外してからリクライニングすることで、セカンドシート部分とうまく繋がってフラットになる設計となっています。
もちろん運転中には運転席は展開しなければならないので倒せるのは助手席のみですが、それでもラゲッジスペースの奥行きが2,000mm近く利用できるため非常に長いものを積み込めます。
さらに停車中であれば運転席を倒す使い方も出来、このモードで便利に活用できるのはキャンプの際の車中泊です。
キャンプ時にテント代わりに車を利用できる車中泊はラゲッジスペースの狭めなジムニーにはありがたいことで、場所を取るテントが不要になることで他の荷物をシッカリ積み込めます。
フロントシートまで収納すれば2,000mm近い奥行きで寝るときにしっかり足が伸ばせるので快適ですし、フル活用すれば2名まで一緒に寝ることができるでしょう。
ただフラットにしただけではシートの凹凸や硬い樹脂パネル部分があったりしますので、快適に寝るためにはマットなどを敷いておくと良いでしょう。
SUVらしい使い勝手のテールゲート
ジムニーシエラはテールゲートが横開きになる珍しい車種ですが、これは使い勝手も良い仕様となります。
ジムニーシエラにはクロカンSUVによくある仕様としてテールゲートの後ろにスペアタイヤが装着されており、SUVらしい無骨なカッコよさも演出するパーツになっています。
一般的なハッチバックカーではテールゲートは上側に開くのですが、スペアタイヤが付いていると重たく操作しにくいのでベースのジムニーから横開きになっています。
横開きであれば軽い力で開け閉めができますし、多少荷物を積み込む向きに規制は出来ますが実用上そこまでの不便さはないでしょう。
またテールゲートが横開きだと車の後ろが狭いときにも積み込みやすいというメリットがあり、一般的な乗用車のハッチバックカーにはない利点です。
テールゲートが横開きであれば僅かに開いただけでもある程度荷物を積み込めるようになるので、テールゲートを大きく上に跳ね上げる必要が無い点が便利です。
雨の日などには雨よけとなるテールゲートがないデメリットはありますが、これには社外品のタープなどを装着することで対応できたりしますので、キャンプなどの際には持っていくと良いでしょう。
汎用性の高いユーティリティナット
ジムニーシエラにはラゲッジスペースの脇に汎用性の高いユーティリティナットが装備されており、工夫することで色々な使い方が出来ます。
ユーティリティナットは車内のボディ部分に直接設けられた固定部分のことで、汎用性のある規格のネジが切られているので色々なものを固定できます。
ユーティリティナットはラゲッジスペース及びセカンドシートの左右の壁部分に5箇所ずつ設けられており、カバーを取り外すとユーティリティナットが出てきます。
このユーティリティナットにマッチする製品はオプション、社外品問わずさまざまなものが販売されており、1番標準的なものはフック類でしょう。
ユーティリティナットにフックになる製品を取り付ければ荷物の固定に活用できますし、フックにロープやネットを引っ掛けることでしっかりとした固定が可能となります。
また汎用的なナットなので社外品のラゲッジバーや固定器具などもしっかり装着でき、ジムニーシエラ用ではなくても固定できる可能性があります。
加えて個人でのDIYでカスタマイズするときにも固定部分として活用できますので、使い方を考えれば非常に幅広い利用が可能となるでしょう。
さまざまなラゲッジスペースの便利機能
ジムニーシエラのラゲッジスペースではいくつか便利に活用できる機能もあり、基本的な機能としてすぐに使えます。
ジムニーシエラのラゲッジスペースではユーティリティナット以外にもいくつか機能があり、まずジムニーシエラならではの装備が「後席着脱式シートベルト」です。
このシートベルトはセカンドシート用としてラゲッジスペースの左右の脇にそなわっているのですが、3点式シートベルトのバックル部分を取り外すことが可能となり側面部分にコンパクトにおさまります。
シートベルトはラゲッジスペースにおいては荷物が引っかかったりするので邪魔な場合があるのですが、ジムニーシエラではそういった不便さを解消するために着脱式となっています。
その他の機能としてはセカンドシートの背面にはシートアレンジを行えるレバーがそなわっており、ラゲッジスペース側からでも操作できるためスムーズな積み込みができます。
またラゲッジスペースの左側側面には電源ポートとなるアクセサリーソケットがそなわっており、ラゲッジスペース部分でもカー製品の電気製品を利用できます。
アクセサリーソケットから延長コード等を伸ばせば車外でも電源が使えますので、キャンプなどの際にも便利な機能となっています。
ジムニーシエラの荷室・トランク・荷物収納スペースの悪い点
ジムニーシエラのラゲッジスペースは不便な点もいくつかあり、次のような点が気になります。
軽自動車並みのサイズしかなく狭めの容量
ジムニーシエラはセカンドシートが展開された状態ではラゲッジスペースのサイズがかなり狭くなっており、実用上厳しい部分もあります。
ジムニーシエラのセカンドシート展開時のラゲッジスペースは前後サイズが240mmしかなく、見た目にもかなり狭いサイズ感となります。
このサイズでは大きな荷物を積み込むには不足気味であり、また普段の買物の荷物ぐらいであればともかく少し多い買物をするときには窮屈です。
横積みにすれば多少はスペースを活用できるのですが、いかんせん奥行きが短いので積み込めるもののサイズには制限がかかります。
また容量もわずか210Lということでコンパクトカーの中では最小クラスであり、軽自動車であるジムニーから変わらないサイズのラゲッジスペースは軽自動車サイズで見ても小さいです。
ジムニーに4名でフル乗車すると移動するだけなら良いのですがとても4人分の荷物は積み込めませんので、ちょっとした旅行にも不便さは出てくるでしょう。
ジムニーシエラという車種が軽自動車ベースという点から仕方ない部分ではありますが、実用性よりは趣味性の強いジムニーシエラらしいサイズ感といえます。
積載時の高さが高く重量物の積み込みは大変
ジムニーシエラはラゲッジスペースの床面高さがかなり高い位置にあり、積載時に大変さがあります。
ジムニーシエラのラゲッジスペースの床面は全体的にフラットでシートアレンジ後であっても障害物が少ないのですが、一方で地上からラゲッジスペース床面までの高さは800mm前後の位置にあります。
これはコンパクトカーとしてはかなり高い位置となっており、コンパクトカーや軽自動車では600mm〜700mm程度になっているのでその差は大きいです。
またベースとなったジムニーよりもタイヤサイズが大きくなったことで地上高は高くなっており、ジムニーシリーズとしてみても最も高い位置にあります。
ラゲッジスペースの床面位置が高いと大きな荷物や重量物を高い位置まで持ち上げなければならず、他のコンパクトカーと比べると負担が大きい場合があります。
ジムニーシエラはクロカンSUVということで悪路走破性を高めるために最低地上高は高くならざるを得ず、積載性についても一般的な乗用車よりは利便性が低くなります。
ジムニーシエラはラゲッジスペースのサイズの狭さも相まって利便性が高いとはそこまでいえず、防水性などジムニーらしいメリットが優先された形となっています。
ジムニーシエラの荷室・トランク・荷物収納スペースの口コミ・評判
ジムニーシエラのラゲッジスペースについてはtwitterにもいろいろな投稿があり、その中からいくつかご紹介しましょう。
ジムニーシエラちょっと乗って思ったこと
・加速はゆっくりだが意外にしっかり走れる
・その場でまわり続けられるんじゃねって思うぐらい小回りが効く
・スピーカーの音質が悪い
・思った以上に荷室が狭い
・見た目がカッコいい!!!— popoflog (@popo8055) July 31, 2021
こちらの方はジムニーシエラに実際に乗っていらっしゃるようなのですが、走りやデザインなどそのスタイルには満足されています。
ですがラゲッジスペースについては思った以上に狭いとおっしゃっており、軽自動車ベースのSUVということで広くはないと思っている方でも想像よりスペースが狭いと感じることがあるようです。
実用性抜群のシエンタか、趣味性に振ったジムニーシエラか。
悩ましい。
でも我が家の場合ジムニーでキャンプは無理だな。
あの荷室容量だとキャリア付けても2人+1匹+荷物はキツイな。— もつ太郎@ジムニーS納車待ち (@motsutaro_camp) August 28, 2022
こちらの方はどうやらご家族とのキャンプ用の車を探しておられ、乗車人数や同乗するペットから見ると最小限の荷物となりそうです。
ジムニーシエラについては趣味性があって興味がお有りなのですが、ネックとなるのはどうしてもラゲッジスペースの広さとなっているようで、実用性の面で他の車となってしまいそうです。
総評
スズキ ジムニーシエラは軽自動車のジムニーをベースとしてより安定した走行性能やパワフルなエンジンを搭載し、ジムニーに不足していた部分を補ったコンパクトカークラスのSUVです。
趣味性が非常に高いデザインとあわせて魅力の大きな車であり、注文が殺到したことからもその人気は絶大なものがあるでしょう。
しかしラゲッジスペースの実用性で見ると非常に狭いスペースでやりくりする必要があり、シートアレンジなどを駆使しても普通のコンパクトカー程度のスペースしか確保できないため、ある程度の割り切りが必要な車となっています。
それでもコンパクトで走破性の高いSUVというのはジムニーシリーズしかなく、遊びの車としてのジムニーシエラは最高です。